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シーソーシークワーサー 【54 白いふろしき】

【これまでのあらすじ】

 母を亡くし、その孤独感から全てを捨てて沖縄から出た凡人(ボンド)こと、元のホストの春未(はるみ)。

 一番に連絡をとったのは、東京の出版社に勤める絢だった。

 絢に会うまでの道のり、人々との出会いで得たことは何だったのだろう。島に帰った凡人は、半年間時が止まっていた空間を見て、自分を振り返るのだが……。

 (セカンドステージは、次回、55から)

【54 白いふろしき 】

 部屋の右端の隅にいた。

 そうだった。帰ってきたのだ。鳥が泣いている。いや、鳴いている。昨晩か、さっきの一瞬か、絢が夢に出た。あの改札口で、わずかに微笑んだあの顔で笑っていたのだ。

 待たせるのもよくない。

 いや、約束した。全てが終わったら、必ず帰ると。それでも、連絡一つよこさないというのはどうだろう。

 凡人は布団から這い上がり、島についてからずっとカバンの底に沈んでいた携帯を探った。

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857字

ど田舎そだちど田舎、 ゆる!がんそロハス! わかやまきみの町からの、 定期エッセイです。 ベリーブ爺…

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