都会的ナチュラルシンガー
いつだったか、冬の日。
大阪での打合せを終えたわたしは、彼のインスタストーリーを見かけて、飛んで行った。というよりも、地下鉄を引き返したのである。
せっかく、ここまできたのだから、タイミングがあう今日、聴いて帰らねば・・・・・・・
ずっとインスタをフォローしていた「なかのたいき」さんだ。
予告通り、彼が現れ、予告通り、ストリートが始まる。
なにがびっくりかって、彼の歌声に、自然と足を止める人の多さに、おどろいた。
それもそのはず、彼は、俯瞰してお客様を見ていた。
ここからは、わたしの予想なのだが、
止まってくださったお客様のことをチラリと考えながら、歌っている間も次のことを考えている。
そして、あてがった曲を次に歌えるのが彼だ。
若さ。才能。努力。
年齢は関係ないのかもしれないなぁ、かすかに、先天的なものもあるのかもしれないと思いながら、30分、耳と心を彼に預ける。
そしてこの夜は、別件で偶然に合流出来た素敵女史も、彼の歌声を聴いてくれた。
その後、彼の傍から離れても、わたしは、彼の歌声を耳に残したまま、流れに身を任せ、合流素敵女史とバーニャカウダをつつくことになる。
素敵女史に、手土産にと、大阪で、根菜をいただく。
天王寺の夜は、都会的にもナチュラルに過ぎて行った。
彼の声を、心に残したまま。