オランダ語がわかる人のためのノルウェー語講座っぽいものw
何の社会的貢献もできないような独白垂れ流しです。
仕事で使うオランダ語とただ単に趣味として関心のあるノルウェー語ですが、この両語はゲルマン語派として一つのカテゴリーの中に置かれています。ただし、オランダ語は西ゲルマン語群、ノルウェー語は北ゲルマン語群として下位分類されていて、違うと言えば違います。
同じ苗字を名乗る親戚、でも住んでいるところが違う別家族のような関係にありますが、オランダ語が理解できてもノルウェー語を聞いてみると何も聞き取れません。恐らく、逆も然りなんではないかと思います。それぐらいに音韻的には完全に別物といった印象を持ちます。
これがドイツ語だったらどうでしょうか。ドイツ語を学んだことのないオランダ語話者はドイツ語がなんとなく聞き取れるようです。同じことはノルウェー語話者にも当てはまりそうな気がしますが、こればっかりはノルウェー人の小学生相手に実験してみないことにはなんとも言えません。
では書き言葉としてはどうか。
上の画像は冬休みにノルウェーにスキーに行った時にバスの中で見つけたポスターです。二つのセンテンスを書き出してみます。ノルウェー語、綴り間違ってたらごめんなさい。
ノルウェー語
a. "Det er altid nye tider"
b. "Utdanning med tradisjon for forandring"
さて、実は私はノルウェー語を少し独学したことがあるんですが(↑)、全くノルウェー語を知らないオランダ語話者だとこんなふうにこの二つのセンテンスを変換するのではないでしょうか。(データ:うちの子供w)
オランダ語(脳内変換w)
a. "Dit is altijd een nieuwe tijd"
b. "Uitdaging met een traditie voor verandering"
どうでしょう。「なんかずるいなあ」と思いませんかw。
一応、日本語に訳しておきます。これ、どうも成人教育関係の啓発ポスターのようであり、コンテクスト的に不明なところが多いので、独断でそれらしく意訳してみますw。
a. いつも新しい時代がある
b. 伝統と共に変化への挑戦
ノルウェー語は定冠詞を伴うと名詞の後ろがちょっと変化したり、動詞現在形に人称変化がなかったりするので、改めて今「あれっ?」となります(間違ってたらごめんなさいw)。それらを加味すると、恐らくa.は以下のようにするのがより正解に近い変換かもしれません。
a. "Die zijn altijd de nieuwe tijden"
まあ、どちらでも意味は想像できると思いますが(正解なのかどうかも知りませんがw)。
要はここでの例のように、文字を共有している場合、言語学的な距離が近い言語同士はなんとなく似ている語彙を使い、未知の言語を自分の言語に置き換えることができる。そしてそこから、これまたなんとなく意味を類推することができるということです。たとえ100%の正確性がなくても。
これがヨーロッパ言語話者の「外国語」学習の感覚なんでしょうね。彼らが中等教育で学ぶ外国語といえば英語・フランス語・ドイツ語・スペイン語ぐらいですから。
だからと言ってはなんですが、初めてヨーロッパ言語以外の外国語として日本語を学び始めた場合、ひらがな・カタカナはともかく、「語彙が増えない」と言ってパニックになるんでしょう。なんの関連もない(文字通り、取り付く島もないw)言葉を覚えるのがいかに困難であるか日本人ならわかるはず(涙)。
ヨーロッパの人の(そして私の子供も口にする)「英語なんて超簡単」という発言に毎回軽い屈辱を覚えながら、今日も今日とて「外国語学習とは本来、そんな簡単なもんではないのだ!」と優しく伝道活動に励んでいます。
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