苦悩するリーダーの理解者でありたい
最近、私は次のような問いに出会いました。
「あなたは仕事を通じてどのような人を笑顔にしたいですか?」
その際、自分の中からはこんな答えが出てきました。
現状を改善しようと努力している人
努力しているが、何かがうまくいかず悩んでいる人
私は以前から、こうした人々を支えたいと考えてきて、この先も、きっとここがブレることはないだろうなぁ、と改めて思いました。
現在、私が人事面で支援している企業にも、まさにそうした状況にあるリーダーがいます。
数年前、はじめて出会った頃の彼は今とは全く違う人でした。
プレーヤーとしてはとても優秀だし、社長からの信頼も厚い。だけど、どこかメンバー(他の社員)に対しては冷めていて”孤高のリーダー”という感じ。背負っているものを仲間と分かち合うのではなく、一人で抱えていて、なんだかとても辛そうでした。
当時、彼の口から何度「燃え尽き症候群」という言葉を聞いたことか。
でも、そこから彼は大きく変わりました。
周囲のメンバーに対して、いつからか期待しなくなってしまったこと。それよりも自分でやった方が効率的だし、成果も出せる。お互いの信頼関係なんてなくていい。会社は仕事をしにくる場なのだからと、腹を括ってしまった自分。
でも、それじゃダメなんだと。そこにご自身で気づいてから、言動や思考にどんどん変化が見え始めました。
そのような過程で私自身も心の中で強く思っていたことが、彼の絶対的な理解者でいようということでした。
私は、自分の中で「ハンカチ効果」と名付けて取り組んでいることがあります。
それは、組織全体やチームをより良く改善したい、その必要があるという場合に。全体を一斉に変えようとするのではなく、まずは着火しそうな一部の人に徹底的にフォーカスしてサポートをする方法です。
ハンカチを広げて、中央をつまみ持ち上げることで周りも引っ張られて上がっていくように、その状態を作り出していくんです。
彼の変容する様子は、周囲のメンバーにじわりじわりと良い影響力を与えています。また、その様子がご自身でも分かるから、より奮起されているし、私も一緒になって気持ちが乗っていきます。
それでも、時折心が折れそうになったり、自分を責めている様子が窺えた際など、時折、マネジメントやリーダシップに関する書籍や、これまで得た知識などをもとに、読みやすいようにダイジェスト資料にまとめ、お渡ししています。
中には、
「○○さんの部下になったら、これだけは身に付く!というものを挙げるとしたらどんなことですか?」
「○○さんは部下のまず何から"知る”べきだと思いますか?」
といった問いも織り交ぜて。
すると、次の訪問時には、彼がその資料に熱心に書き込みをしているのを目にしたりして。
彼のそういった姿勢が私はとても好きだし、尊敬します。
ハンカチの真ん中で、これからも彼はぐんぐんと周囲を引っ張り上げていくことでしょう。
そして今日の訪問日。
彼は、また新たな課題/問題に直面しているようで、悩んでいることを打ち明けてくれました。
「あれこれ手を打ってみても、どうやってもモチベーションが上がらない人がいる。その人の問題だと思っている自分もいるが、その考えってダメですよね?」
これはとても重要なテーマ(リーダーがまさに向き合い、考えるべきテーマ)だと思うのです。
そのために私は存在していると思って、今日も彼と向き合い、問いかけ、一緒に答えを探る時間を共有しました。
リーダーが直面する壁。
苦悩する出来事。
これからもこういった一つ一つのことを彼は乗り越えられるし、さらに進化されるのだろうなと思います。
私はそういう人のサポーターでありたいです。
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