【突然、ゲーム制作の話④】
⑥プリプロを作ろう。
とは言っても、この「プリプロ」、どうも現場によって言葉の使い方が違うみたいです……。
私の場合は
「プロト=仮素材を使った、機能を確認するための試作品」
「プリプロ=正規素材を使って完成させた、量産前に、最終イメージが確認できるもの」
だと考えているので、ここではそういう意味だと思ってください。
で、本素材です。
今回、私は素材を自前で用意しましたが、フリーのものをお借りすることも、購入することも可能です。
仮素材で大体のイメージは組みあがっているはずなので、正規素材と差し替えて、サイズなどの調整をすると……こんな感じ。
色々仮な点はさておき、上が今回のゲームのひな形になります。
⑦作業時間の見積もりと、絵素材の見積もりの話。
さて、ここまで簡単な作業手順の話しかしてきませんでしたが、実はこの時点で、私は大変なミスをしています。
それは「作業時間の見積もり」と、「素材の見積もり」を、かなり甘く算出してしまったことです……!
そのため作業は予定期間よりも大きくはみだし、目標日までに作成したゲームは白黒・仮素材だらけになってしまいました。
【作業時間の見積もり】
プロト制作を通して、「1シーンぶんのコンポーネントを積んで、細かい演出をつけていくと、大体1シーンにつき2~3時間が必要」だと分かりました。(私の場合)
今回のゲームには分岐エンドは用意しないので、大体24シーンでシナリオが完結します。
24シーン×3時間=72時間ですが、実際は連続して制作するのは難しいので、単純に「シナリオを完成させるのに24日かかる」と考えましょう。
1時間くらいでサクッと読めるADVを作るつもりで書いたシナリオですが、それでも24シーン。
1シーンにつき大体10~20ぶんのウィンドウの会話が発生します。
1ウィンドウにつき60文字未満ですから、多くても2万8千文字ちょっと……実際は2万文字くらい。長いといえば長いですね。
一般的に「ショートショート」と呼ばれる作品は「400文字詰め原稿用紙5~7枚まで」とされるところが多いようです。小説の一般公募では2万文字を基準にしているところが多いですね。
今回は、1人で全てを完成させるにはちょっと作業量が多すぎるなと思ったので、12シーンごとの「前後編」に分けることで、作業量を切り分けることにしました。
コンポーネント積みは孤独な作業です。こまめに小さなゴールを設けておかないと心が折れます……!
【絵素材の見積もり】
自身で用意したシナリオから、以下の素材が必要だと分かりました。
市販の素材を最大限に活用する前提ならそこまで大変な話ではなく。逆に全ての素材を自前で用意するなら、とんでもない大仕事になるな……といった感じでしょうか。
(以下のリストは自分のための覚え書きなので、読み飛ばして問題ありません。)
絵を描くスピードは人それぞれですが、私の場合は大体キャラの立ち絵1枚に3時間、差分がある場合は+1時間という感じです。
背景などは描くモチーフによって、作業時間はまちまち。
絵素材はかなり作業のネックになりますので、分業するなり、市販品を使うなり、少しでも作業を減らす工夫が出来るといいですね。
⑧本制作開始。
ここまで来たら、あとはひたすら素材を用意し、地道に積み上げ、演出を調整していくだけです。
ちなみに、元々は「蒲田の町のMAPを用意し、クリックしてあちこちを操作する」構想があったのですが。
初めてのゲーム制作で扱うにしてはあまりに作業量が重くなることが想定されましたので、オミットしました。
他にも分岐だったり、マルチエンドだったり……ゲームらしさを担う要素のほとんどを、今回はオミットしています。
まず、完成させることが第一です!
⇒次の記事では、自分が制作中にどんなことに躓いたかについてお話します。