「リモートシェフ」
WEDNESDAY PRESS 024
対決という構造には興味がわく。
ボクシングのタイトルマッチ、プロ野球の日本シリーズなどなど。
勝敗の向こう側に広がるドラマを感じながら、つい凝視してしまう。
かって「料理の鉄人」という人気番組があった。
この番組は国内だけでなく、アメリカでも「アイアンシェフ」というタイトルでそのままのスタイルで製作され放映された。
その令和版ともいうべき番組が4月からBSフジの4月11日から(隔週)が始まる。番組タイトルは「リモートシェフ」。
料理人が対決するという構造は変わらない。
しかし決定的に異なるのは、料理人が調理をしないということである。
二人の料理人が、ゲストとなる調理をするタレントにリモートで指示を出しながら料理を仕上げてゆくのだ。
先行か後攻を決める。調理時間は30分、材料費は5000円(四人分)、材料はスーパーマーケットで入手できるものに限られる。
1回目の料理人は、「The Burn」の米澤文雄さんと「sio」の鳥羽周作さん。二人とも現在最も勢いのあるシェフである。
調理するゲストは俳優の高島政宏さんであった。
つまり、この構造は料理人の「伝える力」や「メニューの選定」などが大きな要素となる。もちろん、味は評価の対象になるが、時間内でタレントの手を借りて料理を仕上げなければならないという面白さがある。
この二人、どちらも素晴らしい伝え方であり、勝負の行方は本当に最後まで迷ったぐらいであった。
まさに現代の料理人の対決だと思った。
この番組を企画したのは小山薫堂さん。
さすがの発想と驚いたのであった。
楽しみな番組が始まる。