「リストランテの夜」
WEDNESDAY PRESS 049
fm cocoloという放送局で毎週土曜日の23時半から「門上西林物見遊山」という番組でコピーライターの西林初秋さんと、トーク番組をもう6年ほど続けている。毎週トークテーマが決まり自由なトークとテーマに即した音楽をかける。
10月はfmcocoloの月間テーマが「食」
第1週目は「映画」について語ることになっている。
そこで取り上げた作品は「風立ちぬ」と「リストランテの夜」。
「リストランテの夜」は、イタリア移民の兄弟がニュージャージー州の田舎町で営む「イタリア料理店」を舞台にした物語である。
兄が料理人、弟がギャルソン。
兄は職人気質で妥協を許さない気質。よってアメリカ人の好みに味を合わせることを一切しない。自分が生まれ育った国の料理をそのまま再現する。おまけに原価率の無視することも多い。
弟は借金の返済もあり、リストランテの存続も危ぶまれるので、必死に兄を説得しようと試みるが、それの挫折。
近隣で現地の人の好みに合わせたイタリア料理をサーブする繁盛店がある。そのオーナーからも「一緒にやらないか」とも声がかかるが、それを受け入れることもできない。
このレストランは存続することができないのだが「リストランテの夜」を観て、このような飲食店は数多いと思った。料理自体のクォリティは高いが、なかなか客の少ない店も多々ある。
そのような店に出会うと、その姿と料理の楽しさ、素晴らしさを伝えてゆきたいと思ったのである。
飲食店の在り方に再び思いを巡らせた作品であった。