2024年に行われたインターハイと全中の比較からみえるもの

この夏にはインターハイと全中がありました。中学生と高校生の数字を比較することに意味があるのかはわかりませんが、個人的にはおもしろい数字になっているのではないかと、感じています。


はじめに

2024年夏に行われた高校生最高峰のインターハイ。中学生最高峰の全中。この3年の成長がどのような変化があるのか、見比べてみるもの良いかもしれません。

3年の変化を見るために 全中 → インターハイ の順に並べてみます。

 ・4ファクター

eFG%
勝ち男子 51.4% → 46.8% Δ4.6
勝ち女子 46.8% → 46.5% Δ0.3
負け男子 39.1% → 37.3% Δ1.8
負け女子 36.8% → 38.1% +1.3

 TOV%
勝ち男子 8.3% → 16.3% +8.0
勝ち女子 8.0% → 16.2% +8.2
負け男子 20.8% → 31.9% +11.1
負け女子 19.8% → 32.2% +12.4

 ORB%
勝ち男子 43.3% → 39.3% Δ4.0
勝ち女子 44.0% → 40.4% Δ3.6
負け男子 27.1% → 27.5% +0.4
負け女子 29.5% → 29.4% Δ0.1

 FTr
勝ち男子 0.198 → 0.221 +0.023
勝ち女子 0.193 → 0.169 Δ0.024
負け男子 0.170 → 0.152 Δ0.018
負け女子 0.162 → 0.175 +0.013

 ・ほかの数値

オフェンシブレーティング
勝ち男子 126.5 → 107.3 Δ19.2
勝ち女子 115.9 → 106.4 Δ9.5
負け男子 84.8 → 81.0 Δ3.8
負け女子 84.8 → 86.2 +1.4
参考として全中の試合で100点ゲームを除外したオフェンシブレーティングは
勝ち男子 117.9
となります。

 3P%
勝ち男子 27.1% → 27.1% ±0.0
勝ち女子 27.4% → 27.4% ±0.0
負け男子 21.6% → 23.5% +0.4
負け女子 20.9% → 25.5% +4.6

 まとめ

中学生→高校生の数字を並べています。同じ生徒ではありませんし、N数としても多くはありませんので、それをふまえた上で、傾向としてそんな感じかなぁ。といった程度でとらえてください。 

4ファクターの中で目立つ数字は、eFG%は全体的に下がっていると言えます。ターンオーバー%はかなり増加しています。

ここから考えられることはディフェンス力が上がってきてるためということができます。中学生のころならばシュートを決めることができた場面でも、高校生になったときにはタフなディフェンスがされシュート確率が下がる。または、ディフェンスローテーションが機能し、ブレイクしてもチャンスを活かしきれない。そういったことが考えられると数字からは読み取れます。

 このことはオフェンシブレーティングからも同じように言えます。全中では試合としてかなり格差がある試合もあり(全国に出るようなチームだとしてもそこにはかなりの差がある試合があります)、全体的にかなり高い数字となっています。

 中学生の試合は完全にオフェンス有利なバスケットボールであり、ディフェンスを組織システムで守り切ることが難しいのだと想定できます。

高校生になるとディフェンス力が全体的に上がり、オフェンシブレーティングはかなり落ちています。4ファクターの項目でもみられたようにディフェンス力が上がっていることを裏付けるものと考えることができます。

意外なことにスリーポイントシュートの確率は、試合全体では中学生と高校生の偏差をあまり感じることはありません。試合展開を考慮されていない数字なので一概には言えませんが、中学生のうちからスリーポイントシュートを決めきるシュート力はそれなりについていることが想像できます。

 さいごに

N数があまりないので比較することに意味はないかもしれません。それでも中学生っぽい数字が全中ではならび、インターハイっぽい数字になっていくものだと考えられます。勝負に勝つためには、結局は得点という数字のやり取りをしています。

もう少ししたら、トップリーグも始まり年末にはウインターカップです。またその数字をみたうえでバスケットボールという競技特性を理解し自分のチームが勝つためにはどのようにすればよいのかの参考になればよいなと思います。

 

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