続2024インターハイの数値から考える”勝つため”に必要な数字

2024年度インターハイ バスケットボールの数字の集計を行いました。

その数字を使ってバスケットボールで勝つために必要な数字を、チーム目標として使えるような考え方を記載します。


 

1-仮で確定しておく数字

単純な計算とするために仮で数字を決めておきます。

・オフェンスとディフェンスの平均時間
オフェンス平均時間 15秒/回 ディフェンス平均時間 15秒/回
1分に2回オフェンス2回ディフェンス
1Qに20回オフェンス20回ディフェンス
1試合に80回オフェンス80回ディフェンス

 ・TO数
15回/試合
(2024年度インターハイバスケ全102試合平均は 15.8回/試合)

 ・シュート確率
3Pシュート 25%
2Pシュート 45%
(2024年度インターハイバスケ全102試合平均は 3P=25.8% 2P=44.2%)

 ・3Pと2Pシュート本数の割合
3Pシュート 1/3
2Pシュート 2/3
(2024年度インターハイバスケ全102試合では 3P=5,285本 2P=9,673本 計14,958本)

2-仮で試合結果を計算してみると

いったん単純計算をしてみます
80回のオフェンス機会のうちTOが15回なので65回のシュート機会
65回のうち1/3が3Pシュート2/3が2Pシュートなので
3P = 22本 × 25.8% = 5本~6本 = 15点~18点
2P = 43本 × 44.2% = 19本 = 38点
単純計算だと 15点+38点=53点 となります。

 3-さらに点数を上積みするために

現在考慮されていないフリースローとオフェンスリバウンドを積み上げます。
FTr = 0.27 とします。
(2024年度インターハイバスケ全102試合平均は 0.275)
※FTrは単純に書くとFGを打つ本数とFTを打つ本数の比率で計算しています。
シュート本数 65本 に対して 0.27 なので
17本~18本/試合
フリースロー確率 63.1%
(2024年度インターハイバスケ全102試合平均は FTM1,699 FTA2,691 63.1%)
17本 × 63.1% = 10.7本
10点~11点となります。

 ORB% = 25.0%
(2024年度インターハイバスケ全102試合平均は 25.05%です)
単純に外れたシュートのうち25.1%が再度シュート機会になるとします。
シュート本数を65本としたとき外れる本数は40本です。
40本 × 25.0% = 10.0本
10本を 3P(1/3) 2P(2/3)としたとき、それぞれの本数は、
3P 4本 × 25.8% = 1.0本
2P 6本 × 44.2% = 2.6本 2本~3本
加算される得点は
3点(3P) + 4点~6点(2P) = 7点~9点 

4-単純計算したひと試合当たりの得点はいくつになるか

2の項で FGで53点
3の項で FTで10点 ORBのセカンドチャンスで7点~9点
全部を合計すると 70点~72点 となります。
(2024年度インターハイバスケ全102試合平均は 70.265点/試合です)

 5-この数字をどのように使うのか

本題は実はここからです。ここからがとても重要な項目です。
自分のチームにどのように落とし込むのか。ということがないと、ただ単に高校生トップチームの計算をしただけになります。

 基本的には例えばBリーグであろうとNBAであろうと、構造としての項目はさして変わるものではないからです。自分が見ているチームも得点を構成する要素は基本的には同じです。では、なぜ点数がここまで取れないのか。点数が伸びない項目を考えます。

 ・単純にTOが多い
この計算では15回です。ひと試合で20回(1Q当たり4回)しているだけで10点近く下がる計算になります。
また、TOの種類にはライブターンオーバーというものがあります。ライブターンオーバーが増えるほど、自分のチームの得点は伸び悩み、相手チームのイージーショットが増えます。

 ・スリーポイントを打ちすぎている
単純に期待値に置き換えると
3P = 25.8% × 3点 = 0.774点
2P = 44.2% × 2点 = 0.884点
となります。数字から見るとスリーポイントの比率が増加するほど、最終得点が伸び悩むこととなります。

 ・単純にどのシュートも確率が良くない
結局はすべてこの項目に集約されてしまうのかもしれません。そもそも確率が向上しなければ得点は増加することはありません。さまざまな戦術の前にシュート確率を向上させればたくさんのことが解決することになります。

 ・フリースローに重きを置いていない
期待値から見てもフリースローという項目はかなり重要度が高いです。
FT% = 63.1%
基本的には2ショットで計算するので期待値としては 1.26 ということになります。
仮に65本のFG本数をすべてFTとした場合(実際はそんなことはあり得ませんが)は、
65本 × 1.26点/本 = 81.9点
となります。
近年は「5アウト」「3Pシュート」の時代と呼ばれるようになってきましたが、あまりにも簡単にジャンパーを選択するということはできれば避けたほうがよいかもしれません。 

6-自分のチーム状況を確認する

自分のチーム状況を把握するということはとても重要なことです。自チームで戦力が均衡するように紅白戦を行ったり、タイプは違えど戦力は同程度の他チームとの練習試合などで、実際どの項目がどの程度の数値となるのか。どこの数字が良くないのか。または思っているよりも良いのか。
それを活かすためにはどのような戦術をとることが最善なのか。そういった観点から自分のチームにあった戦術を見直してみると、最終的な得点は増加させることができることとなります。

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