シュートの重み=期待値から優先順位を考える
前回はバスケットボール40分の試合という“ 時間 ”ではなく、オフェンス機会の回数という目線を持つことを書きました。
今回はシュート一本の重みの意味と狙うべき最優先は何かを記載します。
一般的なシュート確率を表したものです。
ゴール下が60%
ミドルシュートが50%
ロング2ポイントが40%
コーナー3ポイントが40%
3ポイントが30%
フリースローが70%
多少の前後はありますがだいたいこんな感じです。いったんこれで話を進めます。
確率だけから鑑みても狙うべき最優先はゴール下近辺となります。
シュート確率にシュートの点数を掛け算したものが次の図になります。
ゴール下が 1.2
ミドルシュートが 1.0
ロング2ポイントが 0.8
コーナー3ポイントが 1.2
3ポイントが 0.9
フリースローが 0.7×2本=1.4
※フリースローは2本分で計算します。
この1.2とか0.8と表現されているのがいわゆる“ 期待値 ”と呼ばれる数字です。簡単に表現すると、得点 × 確率 です。
この場合の期待値から考えるとシュートの優先項目としては
フリースロー
ゴール下
コーナースリー
というように考えます。
作戦を言葉にすると
「フリースローをたくさんもらうために、”どうにかして”ゴール下でシュートできるようにして、ゴール下で囲まれたら、コーナースリーでシュートをしよう」
となります。
この「どうにかして」の部分が各チームによる個性の見せ所です。
・体格の良さを活かして、ポストプレー であったり
・アイソレーションからのドライブ であったり
・5アウトによるアウトサイドへの引き延ばしによるカッティング であったり
・ピックによるズレを作り出したダイブ であったり
言ってしまえばなんでもよいということです。そのチームの個性に合わせてこの「どないかして」があると言えます。
さて、この「チームの個性に合わせて」を考えるときに、先ほどのコート上を大まかに分けたシュート確率を把握していますか?
それはチーム全体としても一個人の選手としても、“ この確率を知ることからしか戦術は構成できない ”ということです。
実は、
右45度からのロング2ポイントのシュート確率だけ50%だったら、ゴール下、コーナー3ポイントの次に積極的に狙うべき場所になります。
フリースローが90%入るようなチームであれば、ゴール下はもちろんのこと相手からファウルをもらうようなプレーを多用するでしょう。
シュート1本の重み=期待値を考慮に入れないバスケットボールは、チームとしてまとまりのないバスケットボールになります。
今のシュートは狙うべきシュートだったのか、狙うべきではないシュートだったのか。そういった目線でオフェンスの終わり方を見ることができないと、バスケットボールという競技の向上ができません。判断基準を持たないと修正することが不可能だからです。
そして一般論で言われる基準をそのままチームにもってきても“ そのチームの最善とは限らない ”と言えます。一般論とその個別個別のチームとは期待値が異なるからです。
きちんと自分のことを知ることがなければどのようなオフェンスが最善なのかを知ることはできないのです。
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