だいたいのトラブルは想像力の欠如
日本大学は、アメリカンフットボール部の薬物事件でこれまでに部員3人が逮捕されたことなどを受けて部を廃部にする方針を固めました。
リンク先はNHKニュースです。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231129/k10014271811000.html
2018年のいわゆる悪質タックル。2023年の部員による麻薬特例法違反の疑いで逮捕。
大きくはこの2事案が重なり、廃部の決定がされたのだと思われます。
バスケットボールは、アメリカの冬季に屋内ですることができる運動をジェームズ・ネイスミスが1891年に考案したものとなります。ボールを持ったまま走ると、得点を阻止するためにどうしてもタックルなどの身体接触が起き、それが原因で学生たちがよく怪我をしていました。そういったことが起こりにくいように、「ボールを持ったまま走ってはならない。身体接触・衝突をしてはならない」といったルールを考案しています。
アメリカンフットボールがなければ考案されていなかったともいえるスポーツがバスケットボールです。
悪質タックルの際は指導者の指導方法、チーム文化などの問題となりました。行き過ぎるトップダウン方式による指導。ミスの許されない風土。勝つことだけを目的にしたプレー。そういった印象をわたしは持っています。
薬物に関してはアメフト部の学生寮の部屋で行われていたとのことなので、関わっていない生徒も全く知らないということでは、ちょっとチームメイトとしての関わり方として希薄なのではないかと。少なくとも同じスポーツ同じチームの選手に対して、繋がり方が薄いのではないかと感じてしまいます。
ニュースで見聞きする範囲の情報でしかないので、わたしからどうこう意見があるわけではないですが、生徒との関わりについて孤立してしまっていたのではないかと想像してしまいます。どのような気持ちで薬物に手を出してしまったのか。肯定する気はありませんが、その手前でもっともっと何か周りの人たちができたことはなかったのか。
最近元気ないけど大丈夫かな。
ちょっと様子が変だけど何かあったのかな。
こんなことをしてしまったら大変なことが起こってしまうのではないかな。
ほんのちょっと想像力を働かせることで、なにかほんの少しでも対応が変化していれば、ひょっとしたら防げていた可能性はあるのではないかな。せっかくのチームスポーツをしているのにチームメイトを慮ってやれないのは、寂しい気持ちになる。
時代は個人主義の時代へと移っていることは事実だと思うけれど、だからこそ現代のチームスポーツの価値が大切な瞬間もあるんじゃないだろうか。それは指導者の立場の人が選手に対する関わり方でもあるだろし、チームメイトである選手同士の関わり方でもあるだろうし。今一度立ち止まって振り返ってみてほんの少しだけ想像力を働かせてみよう。
日大アメフト部のことを他山の石としてはならない。