【イベントレポート】映画「あの人が消えた」ネタバレギリギリ完成披露上映会レポート
映画「あの人が消えた」は、次々と人が消えるという噂のあるマンションを舞台にしたミステリー・エンタメ作品。2023年に放送された「ブラッシュアップライフ」で、多くのドラマファンの心を掴んだ注目のクリエイター・水野格による完全オリジナル作だ。高橋文哉、田中圭ら人気俳優が集結し、さらにはノベライズ『小説版 あの人が消えた』(角川文庫)もついに発売!話題に事欠かない本作の完成披露上映会の模様をレポートする。
文/高関聖子
高橋文哉・田中圭出演の”先読み不可能ミステリー” 、ノベライズも発売!
ネタバレギリギリの「あの人が消えた」完成披露上映会レポート
伏線回収がとにかくすごい!
ネタバレが多すぎてPRできない映画
配達員の青年・丸子は、毎日のように担当のマンション「クレマチス多摩」に出入りするなかで、住人たちの“秘密”を偶然知ってしまう。やがてその日を境に丸子は、思いも寄らない大事件へと巻き込まれていく――。
冒頭から伏線が張り巡らされる巧妙なシナリオと、見事なまでに予想を裏切ってくる伏線回収の連続。観賞後は必ずや誰かに話したくなるミステリ・エンタメ作「あの人が消えた」が誕生した。初お披露目の場には、主人公の丸子を演じる高橋文哉をはじめ、丸子の先輩配達員・荒川役の田中圭、マンションの住人・小宮役の北香那、長谷部役の坂井真紀、沼田役の袴田吉彦、島崎役の染谷将太、そして水野格監督が登壇。劇場の中央下手扉からキャストが登場するというサプライズに、この日を待ち望んでいた観客は拍手喝采で登壇者を迎えた。
興奮さめやらぬなかで主演の高橋が、「今日、この映画が一般の皆様に初めて観ていただけるということでドキドキとワクワクが募っています。短い時間ですが一緒に楽しめたらなと思います!」と笑顔で挨拶をする。
緻密な脚本を練り上げ、演出も手掛けた水野格監督は、本作の物語が生まれたきっかけと、無事にお披露目となったいまの心境を語る。「コロナ禍で宅配を頼む機会が増えて企画を立てましたが、いろいろあって4年経ってから公開されることになりました。それなりに時間がかかったからこそ、最高のキャスト、スタッフでチームになって作ることができました。あとは、ここ(TOHOシネマズのスクリーン11、12)って昔はスカラ座という劇場で、学生の頃によく映画を観に来ていたんです。そんな場所で舞台挨拶をさせていただけるのはすごく感無量ですね」
田中圭が後輩・高橋文哉を溺愛!?
再共演コンビが仲の良さをアピール
高橋と田中は2020年に放送されたドラマ「先生を消す方程式。」以来の共演となる。「このときは圭さんが主演だったんですよね。当時の僕からしたら(今回の再共演は)考えられないです」と高橋がうれしそうに語っていたが、田中は実は高橋が主演と知って本作の出演を快諾したと明かした。「当時は特殊な作品で、慣れない現場と慣れないお芝居にひたむきに向き合っている文哉の姿がかわいいなと思っていて。そこから多くの作品でキャリアを積んでいくのを見ていました。ただ、出演を決めた一番の決め手は、以前にジムで久々に会ったときのこと。このとき文哉が『圭さんみたいな体になりたくて』と言ってくれて、僕は思わずズキュンとなったんです(笑)」と田中がニコリ。このやりとりに会場は笑いに包まれ、二人の仲の良さが窺えた。
この様子を微笑ましく見守るほかのキャスト陣も、映画への想いを語ろうとするが、“ネタバレ”を気にしながらコメントするといういつもの挨拶とは一味違う様子。小宮を演じた北は、「話せないことがいろいろありまして。小宮は生活感がなく、バックボーンが見えない役で、演じるのに苦戦しました」とやや不安げに語り、沼田役の袴田は「けっこうクセ強めの役です(笑)。うるさい役で……撮影もわちゃわちゃして終わりました」とコメント。長谷部役の坂井は、「猫は言っても大丈夫ですよね(笑)。長谷部は猫好きで、監督からも『猫が大好きなんだ』と言われて続けていました」と苦笑しながら語っていた。染谷は「ブラッシュアップライフ」以来の水野組への参加。自身が演じた島崎の役どころを語れない代わりに水野組の特徴を語った。「僕は台本を何度も読み返しました。本当に細かいところまで見ている監督なので、芝居のディテールを役者陣が汲み取ってクリアしないとOKがなかなか出ない。そういう現場でしたが、ずっと楽しかったですね」
ネタバレ厳禁を活かしたトークの試みも
NGブザーの連発で田中が激怒!?
その後は、遊び心に満ちた映画宣伝スタッフたちの試みで、ネタバレに触れたら鳴らす「NGブザー」を用意したなかで、映画の観どころをボードに書いて発表することに。ネタバレ厳禁をあえて活かした企画に全員困惑していたが、なかでも田中が「こんなに観どころを言いにくい映画はない!何を言ってもネタバレになってしまう!」とツッコミを入れる姿も。
座長・高橋が満を持してコメント
「最高の伏線回収劇を楽しんでほしい」
本作は、配達員の丸子が怪しい住人一人ひとりと対峙して秘密に迫っていく物語。ゆえに、実際の撮影でも高橋がそれぞれの住人役のキャストと対峙しながら演じることが多かったため、一同が会したこの日は、キャストたちとって特別な1日となったに違いない。それを象徴するかのように、高橋は終始笑顔で、冗談っぽくネタバレをしようとする田中を制したり、キャスト一人ひとりのコメントを受けて撮影を思い出しながら想いを語っていた。その高橋が、座長として最後に挨拶。
「現場では、“観客の皆さんが楽しむためには、このシーンをどうするべきなのか”ということをみんながそれぞれ考えていました。現場での1分1秒を大切に、必死に頑張っていて。そこに僕は(座長としていられて)すごく救われました。
撮っているときは何をしているのかわからない瞬間もありましたが、完成した映画を観て“ここまで綺麗に一つになるんだ!”と驚きました。今日は皆さん、素直に楽しんでいただきたいです。キャッチコピーに“先読み不可能”って書かれていますが、好きなだけ先読みしてください!絶対に先読みできないので(笑)。それぐらい胸を張ってお届けできる映画ができたと思っていますので、ぜひこの最高の伏線回収劇を楽しんでいただけたらなと思います」
上映前の観客たちの気持ちをたかぶらせるようなアツい挨拶で、劇場が温かい拍手に包まれた。
映画作品情報
書籍情報
サスペンスから二転三転のどんでん返し!新感覚ミステリエンタメ!
コロナ禍で大学を中退した丸子は、配達員として働き出す。そんな中、マンションで女性が男に狙われるのを目撃、消えていく住民……これは連続殺人事件なのか?どんでん返しが次々と待ち受ける、新感覚ミステリエンタメ!小説版オリジナルエンディングにもご注目!