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経営状況がブラックボックスな会社での働き方

オーナー社長にありがちな、経営状況がほとんどブラックボックスになっていて資金繰りがまったく見えない会社、ありますよね。売上はなんとなく想像できるけど何にお金を使っているのかはまったく分からない。

それで事業が順調そうならいいのですが、最近社員がどんどん減っているとか社長が最近やけに売掛金の回収を急かすとか、会社の数字が見えなくてもこんなことがあると「うちの会社、資金繰りヤバイのかな…」と不安になりますよね。

本来、経営が順調なら何らかの投資をして事業の拡大を図るものです。
経営が順調なのに投資をしている様子もなく、社員の待遇が良くなるわけでもなければ、そのお金がどこに消えているのかは常に気にしたほうがいいと思います。

多くのオーナー社長は経営状態を公表したがりません。
その理由は、自分の報酬が社員に比べてとんでもなく高いとか、実際には働いてもいない身内を社員扱いにして高額の給与を支払っているなど、社員に見られたら困ることを隠したいのがほとんどでしょう。

またオーナー社長の権限が強すぎるあまりに「社長に睨まれたら自分の立場が危うい」と社員が守りに入って誰も声を上げない状況です。
社員からの有益な意見を潰して会社の成長を自ら止めてしまっていることも少なくありません。

もしかしたら経営は順調で心配することはないかもしれませんが、いずれにしてもブラックボックス経営の会社で先の見通しが経たず、不安を抱えながら働かざるを得ないときに心がけておいたほうがいいことをまとめてみました。

1.潰れる前提で働く

いざ会社が潰れることになっても、他社で必要とされる能力を持っていれば再就職はそれほど難しくはないでしょう。
会社がどうなるかは分からないけど、とりあえず会社が潰れる前提で仕事に向き合ってみてはどうでしょうか。

来月も来年も今の会社で働けると思うとどうしても「とりあえず今日与えられた仕事だけこなせばいいか」という姿勢になりがちです。
今の業務フローを一歩引いて見ることで、仕事に必要な能力を他社でも使えるレベルに抽象化して、より一般的な能力として磨くという姿勢で仕事に向き合うことです。

たとえば自社の製品のことしか知らない人であれば、今のうちに他社の競合製品にも詳しくなっておけば、その業界に精通している人材になれるかもしれません。

2.反面教師をもつ

業績のよくない小さな会社ほど反面教師の宝庫です。
「こういう人にはなりたくない」という見本がたくさん見つかります。

資本力のない会社は社員育成に予算をかけられないことが多く、個人の資質がそのまま指導力や生産能力につながる傾向にあります。

例えばコミュニケーション能力を上げる機会がないままキャリアを積んだ「言語化できない上司」は、仕事はできるのにそれを言葉にして伝えることができないので、部下に対して「何でも教えてもらえると思うな。俺が入社した頃は技術は盗んでやるくらいのハングリーさで…」と指導育成を放棄しがちです。
こういう上司からは「仕事ができるだけでなくコミュニケーションスキルも大事なんだな」と学べます。

経営状態を隠す経営者からは、
『会社の現状が分からないことで社員は不安を抱えて業務に集中できず、頑張るモチベーションも持てずに生産能力が上がらない。
そうならないためには社員の不安を取り除いて、高いモチベーションで生産性を上げてもらうためには経営状態を開示したほうがいいかも』
のような学びが得られます。

3.コネクションを作る(タネをまく)

組織で働くことのメリットは、いろんな人とつながりを持てることだと思います。

社内にはさまざまなスキルや経験を持つ人がいます。
そして社外にはさらに異なるノウハウを持った人がいます。
会社の今後にかかわらず「俺ならもっと効率的に経営できる」と確信した社員が社内外の仲間と協力して独立起業することは珍しくありません。

また、仕事を超えてプライベートで深くつながれる仲間ができれば、仕事上のつながりはなくなってもその関係はずっと続きます。
組織に所属しているうちに、できるだけ多方面の人といい関係を作っておいて損はありません。

「潰れる前に逃げろ」とは言いますが、その可能性が全く見えない状況では逃げ出すべきかの判断も難しいと思います。

会社が潰れる前提で前向きに自分の価値を高めていけば、予想に反して会社が順調に続いたとしても「仕事がデキる奴」としてよりよいポジションを築けるかもしれません。

そもそもこんな記事を書いている僕自身がそういう会社に身を置いているからこそ、会社がなくなったときのために改めてまとめてみました。

一緒に頑張りましょう。
ではまた。



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