大手企業とスタートアップのエコシステム
昨日、電通さん、for Startupsさんと一緒にお取組みさせて頂いているプロジェクトに関してウェビナー登壇させていただきました。今回は、その内容を簡単にご紹介します。
電通グループのケイパビリティをもって、スタートアップの事業支援を伴走型で行っているのが電通グロースデザインユニット(DGDU)です。その中で、Glossomはパートナーとしてデータ分析力を生かしたグロースハック領域での支援を行っています。今回のイベントを企画したfor Startupsは、HR領域でのパートナーです。
スタートアップは、事業成長を続ける中でシリーズBの調達あたりから、大手事業会社からの調達や、それと合わせての資本業務提携ニーズが発生してきます。それは、上場に向けた成長の加速を目的としたものだったり、上場後の安定株主としての期待だったりします。
一方で、大手企業は、本業のデジタルシフトや周辺領域での新規事業ニーズがあり、デジタルトランスフォーメーション(DX)やオープンイノベーション(OI)に取り組んでいます。そうした中、社内のデジタルに関する知見が十分でなかったり、不足するケイパビリティを補完する狙いで、スタートアップとの協業や、出資を検討する機会が増えています。
2020年1月に電通/Glossomで共同で行った調査によると、スタートアップとの協業が直近1年で増えたと回答した大手企業は71%、今後も増えていくと回答した企業は72%でした。DXやOIというワードが多く発信されるようになったのも、ここ数年のことで実感値とも一致する調査結果でした。
また、調査では協業検討において、スタートアップの見極めや協業において良い体制をつくれるか?目標を共有できるか?といった点が論点になっていることもわかりました。たしかに多くのスタートアップが起業する中で、大手企業が、ビジネスモデルだけではなく組織カルチャー含めて、ベストなパートナーを選定するのは難しいと思います。また、大手とスタートアップでは、決裁ステップや、時間のかけ方が大きく違うので、協業フェーズに入ってからも足並みを揃えるのはとても難しいです。私も大手・スタートアップ両サイドで協業推進経験がありますが、トップ同士が合意できても、配下のエグゼキューションまで含めるとたくさんの困難がありました。
そうした状況下で、この度、両社サイドの事情に精通するDGDUが協業を支援する取り組みとして「CoNext」を立ち上げました。大手・スタートアップ双方の課題に対して踏み込んで、協業推進を行っていきます。マッチングのみならず、生み出される協業事業に対してもDGDU流の伴走型での支援を行います。そして、Glossomはグロースハック支援を担当します!
スタートアップのエコシステムは、大手ITのOBネットワークやVC・エンジェルの仲介、経営者の人脈等によって拡大強化していると感じます。これらが大手企業のエコシステムと繋がり、それぞれの強みを協業により高め合える機会が増えていくと、日本のDXの可能性はもっと広がっていくのではないかと思います。Glossomはそういう未来にチャレンジしていきます。