関係の質
クロニンジャーの「パーソナリティ理論」によると、人は剥き出しの情動を引き起こす"気質"と、それを饅頭の皮のように包み、情動を受け止め調整する後天的な"性格"によってパーソナリティを構成しているそうです。
"気質"は遺伝による影響が強く、間脳という太古からの脳が担い、後天的には変えることは難しいそう。一方、"性格"は、思考をつかさどる大脳新皮質が担い、経験により発達することが可能なんだそうです。
例えば、内心、感情的になりつつも、その場の状況を鑑みて感情を押し殺し、冷静に振る舞うというような経験は、誰しもあるのではないでしょうか。それはパーソナリティ理論によれば、気質により引き起こされた強い衝動を、性格が状況を判断した上で押しとどめ、その結果クールな人格が対外的に映っている、ということになります。
また、気質は人によってタイプがわかれます。新しいことにどんどんチャレンジしたい人もいれば、自分が納得しないと動きたくないタイプの人もいます。例えば、慎重派の人に十分な準備期間を与えず、どんどんチャレンジすることを求めると、不快な思いを強いることになるでしょう。
人それぞれである気質は、後天的に変えることは難しい以上、ありのままに受け入れられることが重要になります。私たちは、これを"自己重要感"と呼び、向き合い、高めることを大切にしています。そうすることで人は心理的安全性を感じ、ポジティブな思考を行うことができると考えています。
部下や同僚の感情に向き合う。そんな当たり前のことをどれだけできているか?と問われると、なかなか難しいようにも思います。日常業務においては、つい、予算達成進捗や案件の受注・失注等、結果を求める会話が多くなりがちです。
ダニエル・キムの「成功循環モデル」によると、結果の質だけを求めることは、その質が低下した場合、原因追及によって関係の質の悪化を招き、そうなってくると思考がネガティブになり、ついには行動に悪影響を及ぼし、更なる結果の質の低下を招きかねないと言います。あるべきは、関係の質を高めるところから始め、思考をポジティブにし、行動の質を高め、結果に繋げることだと。そうするこで、更に関係の質を高めることになると。
私たちは、結果を出すために、個々人の自己重要感を大切にし、関係の質を高めることに尽力しています。そのために1on1やチームビルディング、定期的なイベント等、直接事業に関係しない仕掛けも用意します。そして何よりそれらを大切にする文化を醸成することが一番大事だと考えています。