【勉強法概要編】 純ジャパJTC勤務の平社員が米国公認会計士(USCPA)合格までやり抜いた方法

この記事では、米国公認会計士(USCPA)取得を志してから合格するまでの、各科目の勉強法の概要をお届けできればと思います。

米国公認会計士(USCPA)の勉強を進めていく中で各科目で通づる勉強のコツや相違点がありました。特に私はAUD沼にハマってしまい3回目で何とか合格することができました。反対にBECとREGは2ヶ月くらいの勉強で一発合格することができています。この様に私自身の経験を通して気づいた各科目の勉強方法についてお話しできればと思います。

また、次に生産性が爆上げする勉強ツール編を書きます。恐らく、有料としますが、ノウハウが詰まっていますので気になる方がいればご購入ください。


1. 各科目の試験形式と対策について

米国公認会計士(USCPA)試験はFAR、AUD、BEC、REGの4科目に別れており、それぞれ試験内容が異なります。共通部分はあるものの、各科目で出題形式が変わるところは個別に試験対策をしなければなりません。

試験は全科目共通でTestletと呼ばれる5つのパートから構成されており、次のTestletに進んだら前には戻れない仕組みとなっています。試験時間は全科目4時間でTestlet 3と4の間に15分間の休憩をとることが出来ます。
試験内容(2023年9月時点)は以下のとおりです。

MCはMultiple Question(通称:MC問題)と言い、選択肢4つの中から1つ正解を選択する問題です。
TBSはTask-Based Simulation(通称:TBS問題)と言い、長文の問題文を読んで問題文下の空欄に解答を記述する問題です。
WCはWritten Communication(通称:WC)と言い、問題文に対して解答を英作文で解答する問題です。

配点はMC問題が50%、TBS問題が50%(内WCがある場合はWC15%)となります。

基本的にMC問題は暗記と計算になりますが、TBS問題は問題意図を理解して参考文献から答えを探してくることになるので長文読解能力とピンポイントで情報を探してくる調査能力が必要となります。WCは定型文と問題で問われている関連論点の単語の暗記が必要となります。

2. 各科目の勉強の注意点について

はじめに各科目の勉強に入る前には必ず予備校のHPや合格者ブログ等でその科目の概要を掴んでから勉強に入りました。仕事しながら勉強をするので時間が限られています。効率よく無駄は一切省きたかったので、私は予備校の情報や先人の体験談を時間をかけて調査しました。その時のメモが残っていたので記載します。

全教科共通事項

全教科共通していることはダミー問題が入っており、難易度が高い問題はダミー問題の可能性が高く採点されません。なので、基本的な問題や簡単な問題を落とすと点数が稼げません。必ず正解できるようにケアレスミスをなくすこと、基礎的な事を中心に知識に落とし込み反射的に解答できるレベルになることを意識して勉強していました。

FAR勉強法

FARは財務会計で会計処理と財務諸表の作成が主に問われます。内訳は企業会計が8割、公会計と非営利組織会計が2割です。

得点源は会計概念と公会計となりますので即答できる様にしました。
また、基本問題で落としたらまずい問題は、実効金利法(リース会計/社債/約束手形等)の計算問題や減価償却額の算出で、主にFAR1と2の範囲になりますので丁寧に学習をしていきました。

更にTBS問題は仕訳ができないと解答できないことが多々あるので、MC問題の際に仕分けを書くようにしていました。

FARはほとんどの人が最初に受ける科目ですが、非常に量が多いことが特徴です。完全に理解して進む様に学習していくと1周するのに時間がかかってしまい、すっかり忘れてしまったと言うことになりかねません。分からなくても兎に角問題を解いていくことが肝となります

BEC勉強法

BECはビジネス環境及び諸概念で、管理会計・企業ガバナンス・経済学・ファイナンス・IT等が幅広く問われます。 他科目の試験と違い、記述問題が出題されます。

得点源は経済学とファイナンス、簿記経験者は管理会計となりますのでしっかりMC問題の対策をしました。また、基本問題で落としたらまずい問題は、管理会計、COSOフレームワーク、ITガバナンスが主に問われるのでその辺を丁寧に勉強しました。

WC対策はアビタスの例文を毎日読んで定型文と専門用語を暗記しました。

AUD勉強法

AUDは監査及び証明業務で、監査・証明・レビュー業務が8割8、職業倫理が2割です。他の科目とは違い、その状況で最もらしい答えを解答しないといけないので暗記だけではなく、何故他の選択肢が違うのかを解答できるほど深い理解が求められます。

得点源は報告書の形式と職業倫理なのでしっかりと暗記をしました。
また、基本問題で落としたらまずい問題は、監査契約、内部統制、Test of Control、Test of Detail、Assersionについての理解が問われるのでその辺を丁寧に勉強しました。

AUDは全体の流れを完璧に理解をした上で、問われている手続きは監査のどのタイミングで行うのか?、何故この手続きを行うのか?まで深く考えてから解答することを意識して勉強をしました。

REG勉強法

REGは諸法規で、連邦税法が7割、ビジネス法・職業倫理が3割です。
得点源は職業倫理なのでしっかりと暗記をしました。一方ビジネス法は浅く暗記するだけに留めて、税法を深く理解する様にしました。特にBasisの理解はREGではMUSTですので難しく感じますが概念をしっかり理解して問題に解答できるように反復練習をしました。また、基本問題で落としたらまずい問題は、控除項目、Basis、申請書類の内容、扶養家族、職業倫理が問われるのでその辺を丁寧に勉強しました。

専門用語も多いので意味を調べて暗記したり、とにかく問題を繰り返し解いて内容を覚える様にしました。

3. 勉強方法のまとめ

受験を終えて気づいたことはFAR、BEC、REGは同じ学習法で大丈夫でした。具体的にはMC問題とTBS問題を何周も解いて暗記と解き方を体に染み込ませることで対策ができます。つまり、この3科目は量をこなして苦手論点を潰していけば合格できます。

具体的には前回の記事でも書きましたが、

1ヶ月目:動画講義視聴(2倍速)⇒ MC問題1周目 ⇒ MC問題2周目
2ヶ月目:TBS問題1週目 ⇒ MC問題3週目 ⇒ TBS問題2周目 ⇒ 模試
3ヶ月目:TBS問題3周目 ⇒ Release問題2周 ⇒ 苦手論点対策 ⇒ 教科書精読

大まかに1ヶ月目で分からなくても兎に角前に進みつつ基礎を作って、2ヶ月目で問題になれて、3ヶ月目で暗記するぐらいにしつつ苦手をなくして、一問あたりの解答時間を本番同様に意識するといった流れを組んで勉強していました。これでFAR、BEC、REGはなんとかなりました。

一方、AUDは上記の勉強法ではダメでした。全体の流れを完璧に理解し論点を暗記をした上で、一個一個の論点を深く理解しないと問題の答えに到達しません。なので、よく言われるのは「監査人になった気持ちで問題を解く。各手続きの目的を明確にして、答えを選択できる様にする。」。この手続きをしない事により、どのAssersionが立証出来なくなって、仮に数値が間違っていた場合は財務諸表にどの様に影響が出て、その数値はどの程度の規模でどの様に監査結果に影響していくのか、その結果どの様な監査報告書を出さないといけないのか。実務だと当たり前のように行われているであろう思考方法を問題を通して聞いてきている良い試験だと思います。

ここまで読んでいただきありがとうございます。
次は【生産性が爆上げする勉強ツール編】を書きますのでそちらもよろしくお願いします。恐らく有料としますが、ノウハウが詰まっていますので気になる方がいればご購入ください。

その後、個別科目について発信していきますので引き続きお付き合いいただければと思います。

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