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縁なき町へ移住する若い友だちファミリーへ。
引っ越した墨田川沿いの街の立ち飲みバーには、これから友だちになっていくひとたちが待っていてくれた。
あれから17年が過ぎて、友だちはバーを閉めた。
今の状況から考える時間を貰った彼らは、”自分が本当に暮らしたい暮らし方、こう生きたいと納得できる生き方、人生”しか認めないことにした。
そして、縁も所縁も無い長野の町に移住していく。
家人は、この本と、この表紙を刺繍して彼らに贈ることにした。
だって、彼らは新しい旅に出るんだもの、と。
それから、札幌で生まれ、函館で育った家人は、五人のファミリーそれぞれに、厚い、厚いソックスも用意した。
だって、東京の下町育ちなんだもの。
みんな、ほんとの寒さなんか知らないでしょ。
明日、彼らの元に一冊の本と、ひとつの額と、五つの靴下を届けに行く。
ぼくらにとっても新しい旅のはじまりの日だから。