『理不尽な進化』を買って丸ビルへ。
これまで地球上に現れた生物種のうち、99パーセントが絶滅しているそうだ。まあ、そんなものなんだろうな、と妙に納得。
進化論をテーマにした書籍のほとんどが、99パーセントの絶滅種の立場から記述されているが、本書はぼくら人間種を含んだ残りの0.1パーセントに視座を置いて書かれている。
そそられる。
ちょっとそそられると本屋に走る。
これではすぐに小遣いが底をつく。
このごろは図書館でまず借りようではないか、と。
それでも熟読したい本だけ買いましょう、と。
『理不尽な進化』は、たぶん、中沢新一さんと山極寿一さんの対談集『未来のルーシー』でその存在を知って図書館で借りてきた。
抜群におもしろい。
おもしろくて濃い!深い!広い!
返却期限中(もちろん延長して)にとても読み切れそうにない!
事項索引、人命索引(東西の学者の他に真島昌利や中島みゆきまで出てくる)、参考文献が膨大なうえに、本書の註がそのままブックガイドになっている。
例えば、序章の小見出し「みんな何処へ行った?」の注が本書の第一の注なのだが、かのリチャード・ドーキンスが登場し、女王バチと働きバチのくだりがあって、ドーキンス先生の『利己的な遺伝子』『延長された表現型』『盲目の時計職人』『祖先の物語』は必読である、とくる。
さらに近年の宗教批判をまとめた問題作『神は妄想であるー宗教との決別』までリストアップされている。(必読を避けこれを図書館で借りた) これら書誌データにいちいち引っ掛かるので時間がいくらあっても足りないのである。
ちなみにこうした注のブロックが57個もあり、たんまりと書籍の紹介が書き込まれている。
さらに各章の扉に小さなQ数でチラッと…
「序章 進化論の時代」 「状況に適応するしかない。”ダーウィンの法則”だ。分かったな?」(映画『コラテラル』マイケル・マン監督)
なんて一文が付いている。
で、仕方なく「丸善本店」にて購入してきた。
さっそく、借りた本の付箋を移し替え、続きを拾い読もうと考えた。
さて、どこがいい?
たしか「丸ビル」四階の元本屋さんだったスペースに、おかしなカフェ&グッズの店があったな。
何がやりたいのか、さっぱり分からない店で、スペースが空いたままではみっともないと考えた「丸ビル」がカフェでもやっとくか、って始めたのだと勝手に妄想している。
初回の訪問時にはガラガラ。コロナ禍の影響如実。
なんて有難いカフェだろう!と思ったのだった。
しかし、今回はほぼ満席。
ちょっと気分が窮屈。
それでもぼくを惹き付けるものが別にある。
この画像のハンバーガーみたいなやつ。
温かい粒あんとバターが、これまた温かいバンズに挟まっている。
不良老人ジュニアには禁断のメニューである。
糖質と脂質がたっぷりだ。
美味いものは身体に悪い。昔からそう決まっている。
”粒あんバター・バーガー”を食べるのは、これで二度目だが初回ほど欲情しないし、快感もおそってこない。
少し残してしまった。ごめんなさい。
そうこうしているうちに時は過ぎ、「丸ビル」地下通路を通って千代線「二重橋前駅」へ。
とことこと、まことに便利に乃木坂駅到着。
宣言解除で再開した若い友だちの店へ陣中見舞い。
みんな、思うことは同じなんだな、いつの間にか狭いカウンターに立ち飲みが出る密。
それでも30分ほどは店主と二人。落書などしながらレモンサワーで口開け。
店主が薦めてくれた日本酒の生原酒。グレンリベット12にソーダを足して…などなど、と今宵もまた更けていく。
ご馳走様でした。
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