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Kacotamの学習支援

 札幌市を中心に、ひとり親世帯や生活保護世帯等を主な対象に、「環境に左右されない楽しい学びの場をすべての子ども・若者へ」を使命として、学習支援や居場所づくりをしているKacotam。

 公式WEBページの記事やFacebook、活動報告書などから漏れてしまう現場感をお伝えすべく始まった、「かんがえる・こうどする・たのしむ カコタム」というマガジンは、164本(2021年8月19日現在)の記事が投稿されています。

 が、記事を見返すと、Kacotamの学習支援の特徴をまとめた記事がないことに気がついてしまいましたので、書いちゃおうというのが、この記事です。ついでに埋もれてきている記事を紹介しちゃおうという欲張りな記事になっています(笑)。

原則、一対一での関わり

 Kacotamの学習支援は、大別すると拠点型と訪問型の二つの形式がありますが、いずれも基本形としては、ひとりの子どもにひとりの担当メンバーがつく、一対一の個別形式です(拠点型の活動では、メンバーの人数が足りない場合は、ひとりのメンバーが複数名の子どもを担当することもあります)。

 拠点型の活動では、担当のメンバーは原則として毎回違う人になります。担当を固定することでのよい点ももちろんありますが、Kacotamとしては、担当を固定しないことで得られるよい作用を大事にしています。

 一方で、訪問型の活動の一つである学ボラでは、一定の期間同じメンバーが同じ子を担当します。こちらは、担当を固定することでのよい点の方を大事にした活動です。
 学ボラで訪問を続けていると、「約束通りに行き、一緒に過ごす。それだけでも意味がある。」ということをしみじみと感じることが多くあります。

小学生から高校生まで科目の縛りなし

 Kacotamの学習支援は、学年や科目の縛りがありません。しかも、学習に使う教材は各子どもが持っているものを原則として使います。共通教材などはありません。
 以前、拠点型学習支援の視察に来た他団体の方から「教材がバラバラで、小学生から高校生までいて、よく対応できますね(驚愕)」との指摘を受けたことがあります。それが普通だったので、あまり意識したことがなかったのですが、全学年のどの科目でもOKというのは、改めて考えてみれば恐ろしいです。
 科目の縛りなしというのは、五教科に限らず、簿記などの商業科目だったり、家庭科の裁縫だったり、推薦入試等の小論文対策だったりということもあります

 学年や科目の縛りをせずに済むのは、子どもとの関わりの中で大事にすることとして、「教えるよりも一緒に考える」「『分からない』ことは『分からない』と言う」というのを掲げ、原則一対一の個別形式で相互のコミュニケーションの中で学習に取り組める環境があるからかもしれません。

様々な背景のボランティアメンバーが活動

 Kacotamの学習支援は、子どもと直接関わる活動は、30代までのボランティアメンバーが主に担っています(最年少には、高校生も!)。
 年齢制限には、学校の先生や保護者よりも年齢層がより子どもに近い、ちょっと年上のお兄さんお姉さんという感じの人が関わることで、学習以外のお話が少しでもしやすい雰囲気をつくるという意図があります。
 また、学習支援の団体だから教育関係の人が多いかと言えばそんなことはなく、子どもの福祉に関わる団体だから福祉関係の人が多いかと言えばそんなこともありません。様々な背景のボランティアメンバーがそれぞれの色を大事に活動しています。この多様性は、「子どもの『やりたい』をカタチにするプロジェクト」「お仕事カコタム」「大学カコタム」など個別のプロジェクトを進める上でとても役立っています。

「勉強」ではなく「学び」を支援する

 Kacotamの学習支援は、「学び支援事業」です。五教科の学習はもちろんですが、もっと広く「楽しい学びの機会」と子どもが出会える環境をつくる取り組みです。

 普段の五教科を中心とした学習支援の中で出てきた、子どもの「やりたい」を実現したり、「将来、〇〇(職業)につきたいような」「次は、〇〇(進路)へ進もうかどうしようか」というときに実際にその職業や進路を選択した人にお話を聞きに行ったりという、個別プロジェクトを多く実施しています。

 子どもから具体的な声として出なくても、こんなニーズがありそうとか、こんな楽しいことがあるよというメンバー側からの提案とかを元に、子どものやりたいや興味・関心を広げるような企画を実施することもあります。

結びに代えて

 Kacotamの拠点型学習支援を利用している子を持つ保護者によるnote記事があります。Kacotamの学習支援の特徴が利用者側の視点からよく見える記事ですので、是非、ご覧下さい。

◇◆◇◆ 編集後記 ◇◆◇◆

 Kacotamの学習支援の特徴を全て書き記せたかと言われると、正直、自信はありません←
 学び支援事業ディレクターなどと仰々しい職名を仰せつかっていますが、全てをディレクションできる程に、網羅的に俯瞰できているかと言われれば、「?」が浮かぶこともあります。
 団体規模が大きくなるとどうしても小回りが利かなくなりがちですが、なんとかまだ、その時々の状況に応じて、フレキシブルに対応を進められているはずだと思います。
 そういう意味で、まだまだKacotamの学習支援は進化を続けるはずです!!!

いただいたサポートに応じて、「環境に左右されない楽しい学びの場をすべての子ども・若者へ」をミッションに活動する認定NPO法人Kacotam(カコタム)へ寄付をします!