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【敗者のゲーム】メンタルゲームを株取引に導入する⑥尺取り虫

前回分散について書きましたが、今回はそれを攻略する話です
といっても確率の分散は前述のとおりこちらではコントロールできません
こちらでコントロールできるものは自分の投資における技術的スキルと、分散に対する反応(心理的スキル)です


尺取り虫

全てのスキルも調子が分散するのでその時々によって発現するレベルも変わります
もし調子が分散しないのであれば例えば野球のピッチャーが投げるストレートの球速は常に一定になるはずです
しかし現実は5キロくらい前後します
最速が速い投手と遅い投手がいたとして、1球だけ見ると遅い投手が上回る事もよくあります


平均球速の高い投手を目指せ

140~155キロを投げれる投手と、150キロを常時コンスタントに投げられる投手
がいたとします
前者は調子がいい時は手を付けられないですが、調子が悪いとコントロール重視の置きにいったピッチングになり、打者からするとチャンスボールになってしまいます
後者のピッチャーはコントロールに自信があり、常にそこそこの球速なので安定してゲームを組み立てる事が出来ます

監督目線でも投げてみないとわからない投手より確実に試合が計算できる投手の方がいいですよね
定期的に初回にいきなり大量失点してその日の試合が終了するなんてことは避けたいはず
ではどうやって平均球速を高めるのか


何が尺取り虫なのか

物事を向上させる一連の流れが尺取り虫の動きに似ているらしいです
尺取り虫をイメージしてください
前後の接地している2点を実力の上限・下限とします。体の中心が平均です
平均を前に進めるためにはまず後ろの足を前に出し、体を折り曲げます
その後前足を出して体全体ごと進みます
この時にもし先に前足を出してしまうとどうでしょうか
体全体が伸びる事になります
そうすると上限と下限の差が大きくなり先程の安定しない投手のようになってしまうのです


言い換えると

虫に例えると逆にわかりづらいよ!という人は、物事を改善する時まず原因を分析するという視点で考えるとわかるかもしれません
原因を特定する時はなるべく原因となるような要素が少ない方がいいですよね?
弱点を修正せず色々取り入れすぎると最大出力が伸びはしますが、要素が増えすぎてしまうんです
なのでどこが原因なのか探すのに労力が必要になります


敗者のゲーム

投資のバイブルとして勧められる本ですが、あれがまさに尺取り虫についての事を話しています
中身は積み立てでインデックスファンドを買えというだけの内容の本です

つまり平均値を安定して取る
積み立て・・・時間的平均
インデックス・・・株価的平均

実際のインデックスは個人の平均より高くなるので安定して高い平均値を叩きだすことが可能ということですね
完全に個人の裁量を捨てる事によって、疑似的に投資における個人の弱点を無くしています(かわりに長所もなくなってますが)
買うタイミングも買う物も選択の余地がないので欠点の原因になる要素がありません
とはいえ、あくまで平均値なので短期的には負ける事もあります

コントロール良く147キロのストレートを投げ続けられる選手はイメージ的にはそこそこいいレベルの投手であって、メジャー級の投手ではないです
打撃力が高いチームが調子よかったら普通に打ちこまれます
しかしシーズンが終わるとやはりそこそこの勝ちを積み重ねている。そんな雰囲気です
投資本で心酔した人はインデックスがまるでFAで獲ったら20勝してくれるような投手だと思っていたりするんですがそんなうまい話は無いです

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