クラロワリーグ | CRL2024 | 初報から分かった今年の大会概要まとめと、古参リーグファンとしての危機感をすべて
キビシーッ!
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おつかれさまです。kabutomです。
今回のnoteは、『クラロワリーグ』(CRL)の2024年大会についての速報です。日本時間 2024年2月16日に発表された初報のまとめと、個人的な分析や感想を書いていきます。
CRL24に関しては、昨年の世界一決定戦の放送の最後に「CRL WILL RETURN IN 2024!」(CRLは2024年も帰ってくる!)と出てはいましたが、続報や正式発表がなかなか出ず、みんなやきもきしていたことと思います。いったいどんな内容が発表されたのでしょうか?
今回のPOINT!
2024年のクラロワリーグは、基本的に2023年方式のまま
5度のマンスリー大会などから、計8人のファイナリストを選び抜く
第1回のマンスリー大会は4月。参加条件は3月の伝説の道で1000位以内に入ること!
クラロワリーグ2024(CRL24)の概要
クラロワリーグとは?
クラロワリーグ(CLASH ROYALE LEAGUE, CRL)とは、『クラッシュ・ロワイヤル』(クラロワ)の公式eスポーツリーグのことです。主催者は、クラロワの開発・運営元であるフィンランドのSupercell社。リーグ発足は2018年で、今年で7年目を迎えます。
2020年までの3年間は「プロチームによるリーグ戦」形式でしたが、2021年以降は「オープン参加の個人戦」形式が採用されています。大会フォーマットは年ごとに大きく変わってきましたが、世界中のトッププレイヤーが年に一度の世界大会での優勝を目指すことだけは変わりません。
CRL24は、基本的に2023年大会を踏襲
2024年のクラロワリーグは、基本的に2023年の大会形式を踏襲したものになります。
つまり、今年もマンスリー大会があって、勝者がゴールドチケット(世界大会への出場権)を手にするシステムです。ポイントランキングがある点や、サーバが分かれている中国で独自の予選が開催される点も同じです。
▽CRL 2023
5カ月連続のマンスリー大会【→5人】
まず、マンスリー大会についてです。
今年は、4月から8月まで、計5回のマンスリー大会が開かれます。優勝すれば、ゴールドチケットを手にできます!
マンスリー予選:前月の「伝説の道」上位1000人が出場できる
マンスリー決勝:「マンスリー予選」の上位8人が出場できる
大会ハブ:マンスリー大会はゲーム内で進行する
各種表彰
ゴールドチケット:優勝者1人に世界大会への出場権を贈呈!
賞金・CRLポイント:上位選手に配布される
昨年は7カ月連続7回でしたので2回分減りましたが、システムやルールは基本的に変わらないようです。
CRLポイントランキング【→1人】
つぎに、CRLポイントランキングです。
マンスリー大会で惜しくも優勝できなかった上位プレイヤーには、ポイントが付与されます。8月のマンスリー大会が終わった時点でランキング1位のプレイヤーに、6枚目のゴールドチケットが贈呈されます。1人だけです。
昨年はランキングの上位7名にゴルチケが与えられたことを考えると、激減したと言っていいでしょう。
中国予選【→1人】
そして、中国枠が今年もあります。
あれだけ大きな市場が諸事情で別サーバ運営されている状態が依然として変わりませんので、これは致し方ないのかなと。
昨年は中国独自予選の勝者2名が対象でしたが、今年は1名になりました。
コミュニティ大会【→1人】
最後のゴールドチケットは、コミュニティ大会から選ばれたプレイヤーに与えられます。これは昨年になかった新要素ですね!(2022年のゴルチケ大会のエッセンスが復活したと見ることもできそうです)
大型のコミュニティ大会の優勝者にゴルチケが贈られるのか、複数のコミュニティ大会でポイントが付与されて、そのランキングトップの選手にゴルチケが贈られるのか、詳細はまだ定かではありません。
近日発表予定との続報を待ちましょう!
世界一決定戦【計8人】
年に1度の世界一決定戦は、もちろん2024年も開催されます。
開催時期:2024年の後半
開催場所:未定
出場選手:8人
大会形式:オフライン(対面形式)
2022年大会、2023年大会のファイナリストは16人でしたから半減です。ファン的にこれはショックですし、有力選手にとっても衝撃でしょう……
昨年まで3年連続で『クラッシュ・オブ・クラン』(クラクラ)との共同開催でしたが、今年どうなるかについての言及はまだありません。でも、おそらく今年もそうなりそうな気がしますね。
その他の詳細は、今後発表!
スケジュールや詳細なルール、賞金等については、公式SNSから追って発表されるとのことです。気になる方はフォローしておくとよいでしょう!
筆者kabutomも、例年同様、CRLを追いかけるつもりでおりますので、こちらも良ければフォローしてみてください!
まとめ
2024年2月16日に出たCRL24の初報をまとめるとこうなります。
2024年のクラロワリーグは、基本的に2023年方式のまま
5度のマンスリー大会などから、計8人のファイナリストを選び抜く
第1回のマンスリー大会は4月。参加条件は3月の伝説の道で1000位以内に入ること!
◇ ◇ ◇
所感:今年もCRLが続くのは嬉しいけれど
年初めのクラロワリーグの発表を毎年待ち遠しく思っている一人なのですが、今年の初報はショックでした。ここまでの感情は、2021年にチーム戦の終了を耳にした時以来でしょうか。怒りというよりはしょんぼり?
16人→8人の衝撃
皆さんもそうだと思うのですが、一番はこれです。
CC World Finals 2017:16選手(1日)
CRL World Finals 2018:6チーム(1日)
CRL World Finals 2019:6チーム(1日)
CRL World Finals 2020:8チーム(2日間)
CRL World Finals 2021:32選手(3日間)
CRL World Finals 2022:16選手(3日間)
CRL World Finals 2023:16選手(3日間)
CRL World Finals 2024:8選手(?日間)
世界大会の出場選手が8人というのは、チーム戦・個人戦を通じて過去最少の人数になります。これまでの世界大会のイメージからしても少ないですし、クラロワが世界中でどれだけの人に遊ばれているゲームなのかを考えても少なく感じてしまいます。年々縮小しているという事実もずっしりと重たいです。
そして、2024年の世界大会が何日間になるのかまだ分かりませんが、おそらくこちらも3日間から2日間に短縮されるはずです。やり方次第では1日開催になる可能性もあるでしょう。ただまあ、これは僕らのような古参のファンにとってはさびしいことですが、ライト層や初見さんに見てもらいやすくなるという意味ではデメリットばかりとは言えません。試合レベルや大会の密度も、これまで以上にハイレベル中のハイレベルになるのは間違いないですし。
今回僕が一番心配しているのは、ファイナリストを出せなかった国や地域の盛り下がりです。いまの日本は”クラロワ世界最強国”と言っていいくらいレベルの高いプレイヤーを多く抱えていますが、この8枠(中国枠を除けば7枠)に必ず代表を送り込めるかというと、安泰とは言えません。いや、そんな国はどこにもないでしょう。もしも日本から1人もゴルチケを獲得できなかった場合、視聴者数は悪い意味で大変なことになると思います。そして、多かれ少なかれ、これは他の国や地域でも同じことが言えるでしょう。
極端な話、”日本から7人出場”とかの偏った結果になった場合にしても面白いのは日本界隈だけで、それ以外の国々は白けてしまいますよね。世界中のプレイヤーを巻き込みたい世界大会の制度として、そうなってしまっては失敗です。
なぜこんなことに?
次に気になってくるのは、メリットよりデメリットが多いに決まっている「16人→8人」をなぜやったのかという理由や背景です。推測するしかないですが、やはり一番大きいのは予算削減なのでしょう。
これはクラロワやスーパーセルに限った話ではなく、ゲーム業界全体の話なのですが、コロナ渦に好調だった反動か不調に陥っている企業が多いです。開発中止や人員削減といった不景気なニュースがこれでもかと飛び交っています。
他の大手ゲームメーカーほどではないですが、スーパーセルの業績も前年比で悪化しています。なにもユーザーに意地悪をしたくて8人に減らしたはずもなくて、そうせざるを得なかったんだと思います。世知辛いことに。
そして、ビジネスである以上、公式esportsの費用対効果にも厳しい目を向けざるをえないのだと思います。ここでおさらいしておきたいのは、ゲーム企業のesports事業は基本的にもうけが出ない赤字部門だということです。
https://www.washingtonpost.com/video-games/esports/2021/11/01/league-worlds-2021-profit-lol/
CRLの場合、収入は世界大会のチケットのみですが元が取れているとは思えない価格設定です。スポンサー収入もグッズ販売もありません。一方、支出は大会規模が年々小さくなってきているとは言え、僕らの目に見えづらい部分も含めるとかなりの人手と金額が掛かっています。
スポーツビジネスのおもな収入
チケット(入場料)
スポンサー(広告料)
グッズ(物販)
放映権
スポーツビジネスのおもな支出
年俸・賞金(選手)
人件費(スタッフ)
運営費
宣伝広告費
じゃあなぜそんなに予算をかけてまでesportsをやるの?と言えば、ゲームの売上やプレイヤー数を増やすための広告効果を狙っているからです。具体的に言えば、「世界大会を見てマルチ熱に燃えてきた!」とか、「あの選手のプレイを見て自分もマネしたくなった!」とかSNSで見かけるでしょう?あれです、あれを欲してです。
ただ、これも「費用対効果」(費やした費用に対して、どれくらいの効果を得られたのか)の観点から見ると、年々効果が薄れてきているのだと思います。世界大会の視聴者数だったり、メディアへの露出だったり、様々な指標が減少しています。
クラロワは、次の3月で8周年を迎えます。リリース直後の急成長期と、現在の成熟期とでは状況が違いますし、「そもそもesportsやる意味ある?」という議論があったとしても不思議ではないのです。(実際にあったかどうかまでは知りえませんが)
2023年方式を踏襲することの意味
今回の発表はざっくりしたものでしたが、そこで分かったのは2023年方式を踏襲するということです。これによって去年と同じ大会になるのかというと、そうはならないと思います。なぜなら、2023年のCRLが11月に全日程を終えたあとのオフシーズンに大きな変化がいくつもあったからです。(マンスリー大会の開始が4月であることを思い出すと、もう1つ2つ何かあってもおかしくはありません。何も根拠のない予想にすぎませんが)
これによって何が変わるのかと言うと、伝説の道でいい成績を目指したいなら、①Lv15カードが最低8枚、②進化カードが最低2枚、③新しいタワユニ(ブラスター)が事実上の必須アイテムになります。加えて、ゲーム内デュエルのデッキを組むなら、④進化カードが8枚は欲しいです。時間をかければ無課金プレイヤーでもいつかは揃えることができるでしょうが、リーグ開始までにとなるとなかなかに厳しい...
2017年に開かれた日本初のクラロワ公式大会である「クラロワ日本一決定戦」で優勝したのは、”無課金キング”として有名だったフチ選手でした。当時の大会フォーマットは、複数の1000人大会とフレンドバトル(BO3)を組み合わせたもので、そういうことがありえたのです。2024年のフォーマットには、もはや”フチ2世”が誕生する余地はないでしょう。
CRLにゴールドチケットが登場したのは2022年からで、これは『チャーリーとチョコレート工場』の金のチケットに着想を得たものだと言われています。物語では、世界中で売られているウォンカチョコレートの中に5枚だけ金のチケットが入っていて、それを手にした子供は謎多きチョコレート工場を見学する権利を手にできました。主人公のチャーリーは極貧の家庭にありながら、数少ないチャンスでその幸運をつかむわけです。本家で必要なのが”運だけ”だとすれば、CRLで必要なのは”PS(プレイスキル)だけ”、そういった触れ込みでした。
中国枠の是非
世界大会出場枠が半減したことで、昨年以上にやり玉に挙がっているのが中国枠の存在です。これはひとえに”大人の事情”というほかない措置です。
中国の政策や規制に対応するため、2022年途中から世界サーバと中国サーバが別れて運営される状態が続いている
中国は、国別の売上やユーザー数で世界有数の大きな市場
スーパーセルは発祥も本社もフィンランドだが、親会社は中国の巨大ゲーム企業テンセント。つまり、資本的には中国の企業ということになる
僕がざっと思いつくだけでもこんな諸事情がありますし、これを無視できると思えるのは中学生までじゃないでしょうか。一度も長いものに巻かれたことのない者だけが、スパセルに石を投げよ。
「ずるい」というコメントもよく見かけますが、中国のプレイヤーが世界サーバのCRL予選に参加できる訳ではありません(もし参加してもTOSチェックで弾かれるはず)。中国のクラロワ民の立場になれば、世界サーバずるいな、いいなって思ってるかもしれません。お互い様じゃないかな。
ただ、そういった諸事情を飲み込んだうえで僕がもやもやしてしまうのは、去年今年のCRLに2つの価値観が混ざってしまっていることです。
国や地域を問わない世界で一律の予選(実力制)
特定の国や地域の代表者を選ぶ予選(地域制)
各種SNSの公式アカウントを英語に一本化するなど、クラクラ・クラロワの今の方向性的には本来、世界を1つにした予選をやりたいのだと思います。中国枠は大人の事情と妥協の産物であって。だけどそのせいで、水と油とまでは言いませんが、本来別なはずの大会思想が混ざっちゃってるんですね。
今後のクラロワeスポーツの浮沈のカギ
残念ながらCRLの2024年大会は2023年大会から縮小しました。気の早い話ですが未来予想をすると、2025年大会はもっと低予算でこじんまりとする可能性もありますし、ゲームや競技シーンの盛り上がりから予算が増え大会が拡大する可能性もなくはありません。
つまり、今後のカギを握るのは、Tier1に当たるCRLの盛り上がりと、Tier2・Tier3に当たる中小大会や国内大会の盛り上がりという訳です。
日本のクラロワ界隈は、世界的に見ても上手いプレイヤーがたくさんいるレベルの高い国ですが、一方で大会主催者だとかオンオフのイベント企画者だとかは多くないという現実もあります。端的に言えば、大会主催は時間もお金もかかって大変なわりに報われづらいです。みんなを喜ばせたくてがんばってみても、出来て当たり前、ちょっとでも不備があれば叩かれるでは2度とやる気になれませんよね。
まとめ
クラロワ公式には「CRLをどういう大会にしたいのか」というビジョンを語ってほしい。予算や政治的な諸事情の制約があっても大事にしたいこと、守りたいことが何なのかを聞きたい
個人的には、出場者を8人にまで絞るのであれば、世界をブロックに分けた上で代表者を決める方式にすべきだと思う。世界大会は、世界最高のプレイヤーが闘う舞台であると同時に、世界各地域を代表するチャンピオンが闘う舞台であってほしいので
2025年以降のCRLがどこへ行くのかは、2024年の競技シーンの盛り上がり次第。プレイヤーが主役なのはもちろんだけれど、大会主催者やイベント企画者に協力したり、盛り立てていく姿勢がすごく大切!
以上です。
難産でしたが、僕が今思っていることはほぼ全部書きました。今回のニュースにはみんなも色々な感想を持ったと思いますし、よければコメントやTwitterなどであなたの考えをおしえてください。それでは!■
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