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第133回 第3策 保険確保の策

今回は、投資法の第3策です。
これは、株式投資とオプション取引とを絡めた「risk-hedge」のための手法になります。

基本的に、多くの投資家は、株式市場に買い方で参加します。
買い方の投資家にとっての最大の「risk」は、先日のような株式の急落です。

- さっさと利確すれば済むだけの話だろ!! -

そう思われるでしょうが、問題はそう単純な話ではないのです。

なぜなら、先日の急落相場の前の状況を思い出して下さい。
多くの銘柄が、右肩上がりに上昇しています。
ふるい落としと思われる下落を何度となく通過して、バブル後の最高値を更新し、日経平均は4万円を上回った訳です。
ですから、途中でふるい落とされた投資家は、次にそう簡単に再参戦出来なかったと思います。
ですから、一旦手を引くと、次に戻れないという強迫観念から、なかなか利確が出来ません。

- それなら空売りすれば!? -

そう言う意見も確かにあります。
しかしながら空売りは、意味合い的に利確と変わりません。
下がると言う明確な見込みがない限り、空売りを選ぶのは困難なので、保険とは性質が異なるからです。

保険は、基本的には起こらない前提で、万が一に備えるものです。
そう言う意味で、オプション取引の買い方は、絶好の保険となる訳です。
それで、ここで使うオプション取引は、前回説明したコールオプションではなくプットオプション、つまり日経平均の下落により利益が出るものです。

基本的に、日経平均は騰がると思っている。
ただ、騰がり過ぎているだけに、万が一の急反落に備えたい。
そういう考えから、プットオプションを買う訳です。

プットオプションを買うのは、前回説明した通り日経平均株価が下落することによって利益が出てきます。
例えば、プットオプションを日経平均株価が38,500円のときに、権利行使価格38,000円、プレミアムが200円で買ったとします。
そうすると、損益分岐点は下記のとおりになります。

損益分岐点 = 38,000円 - 300円 = 37,700円

満期日に日経平均株価が、37,700円を下回れば利益になり、日経平均株価の下落に比例し利益が拡大します。
逆に、日経平均株価が37,700円以上に上昇した場合は損失となります。
ただ、この場合は、権利を行使して損失を拡大させる必要は無く、掛金であるプレミアムである300円を放棄して、損失を限定すれば良い訳です。

ですから、日経平均が反落せずに上昇すれば、掛金を保険代だと思って捨てれば良い訳です。
一方、日経平均が反落すれば、持ち株が値下がりして含み益が減少してしまいます。
ただ、プットオプションが利益を生み出してくれるので、含み益の減少分をある程度補填してくれるというものです。

実は、この「保険確保の策」は、かなり有名な手法です。
ところが私は、1度しか使ったことがありません。
と言うのも、儲けるだけの実力が付いた後は、余り利用価値が無い手法だからです。

今の私は、早めの利確を心がけています。
先日の反騰相場も、2日間で利確してしまいました。
今更ながら早すぎたなぁ~と思いますけど、後悔はしていません。
なぜなら、利益が取れているからです。

資金が少ないときは、1円でも多く利益を取らなければならないという弱小投資家ならではの強迫観念があります。
上昇相場も、底から天井までしっかり取らなければならないと思っています。
なぜなら、私もそうだったからです。
が、そう考えてしまうからこそ、買いそびれたり、売りそびれたり、早買い過ぎたり、早売り過ぎたりしてしまう訳です。
当然、このことは資金が大きくなってから実感します。

また、そんな余裕のない状況だから、この「保険確保の策」も上手に使いこなせません。
だから1回で止めてしまったのです。
しかしながら、今なら使いこなす自信があります。
が、今は、そこまであくせくして利益を求めなくても良くなっているので、使わないですね。
そもそも下げた株価は、時間の経過で戻りますからね。

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