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【ショートショート】ショートショート王様

「ショートショート王」

「何だね、隣国の王子、マーガリン・ロングン。いいや、マーロン王子よ」

「ショートショート王は、通名についてどのようにお考えですか」

「どういう意味だ、我が名はショートニング・ショートン。国民は親しみを込めてショートショート王と呼んでおるが」

「言い伝えがあるのです。この辺りの王族は思い込みの強くなる呪いがかけられており、通名の通りの人生を歩むことになると」

「なるほど、だからお前は城の胸壁のように頑丈そうな身体をしているのか」

「ええ、おそらく。このままですと短命に終わることも考えられます。私どもとしても、良好な関係を築けておりますので、長くご活躍いただきたいのです」

「なるほど、ではどうすれば良かろうか」

「ショーショー王というのはいかがでしょう。イタリア語で縁起のよい意味があるそうです」

「では、そのように呼ぶよう皆の前で宣言する」

ショーショー王はその後、早々に王位を息子に譲り、イタリアでジェラート店を開いたそうだ。




*たらはかに(田原にか)さんのこちらの企画に参加しております。
王様、と言われるとどうしてもファンタジーな感じなってしまいますね。
楽しむのは好きですが、いざ自分が書くのは難しい…。


因みに兵庫県赤穂市のお店「Scio’scio’」は未訪問で恐縮ですが(勝手にお名前使わせていただきました)、本場イタリアのジェラートは美味しいですよ。
ピスタチオ味がおすすめです。

「毎週ショートショートnote」投稿1000本突破、おめでとうございます!

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