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鉄鋼最大手、(5401)日本製鉄の株価の見通しは? 割安株の探し方 vol.38
閲覧ありがとうございます。
株まとめ@元証券マンと言います。
初めての方は、こちらの自己紹介記事をぜひご覧下さい。
これまでの株価分析記事の一覧はこちらです。
前回の記事で、鉄鋼の専門商社である日鉄物産について株価分析を行いました。
今回の記事では、日鉄物産の34%株主である(5401)日本製鉄について見ていきたいと思います。
①日本製鉄ってどんな会社なの?
日本製鉄は日本の最大手鉄鋼メーカーです。
新日本製鉄と、住友金属工業が2012年に合併して新日鉄住金となり、2019年4月に現在の日本製鉄に社名が変わりました。
旧社名の新日鉄住金の方が聞き馴染みのある方は多いかもしれませんね。
鉄の生産ではアルセロール・ミッタル、中国宝武鋼鉄集団に次ぐ世界第3位の規模となっています。
日本製鉄の収益事業は、以下の4つのセグメントに分かれています。(上から重要度が高い順に並べています)
※各%は、全社合計に占める割合
(1)製鉄事業
売上比率:86.3% 利益比率:97.3%
※自動車関連、エネルギー関連、インフラ関連、家電・OA関連の鉄鋼の製造及び販売。(厚板、薄板、棒鋼・線材、建材、鋼管、交通産機品、チタン、ステンレス、鉄鋼スラグ製品など)
(2)エンジニアリング事業
売上比率:5.6% 利益比率:1.0%
※製鉄・環境・エネルギー関連のプラント建設から、超高層建築物や巨大鋼構造物など
(3)ケミカル&マテリアル事業
売上比率:3.9% 利益比率:1.7%
※新日鉄住金化学の芳香族化学合成・精製・配合等の素材設計製造技術と、新日鉄住金マテリアルズの薄箔・細線・微粒子等の材料技術を組み合わせている
(4)システムソリューション事業
売上比率:4.2% 利益比率:0%
※長年製鉄業のシステムを支えてきた実績で、製造業に加えて、金融・流通・公共等、先端的ITを活用した最適かつ安定したシステムを提供
セグメントは4つに分かれていますが、実体は(1)製鉄事業の1セグメントの企業という理解でいいでしょう。
総合商社とは大きく異なるため、企業分析はシンプルですね。
②日本製鉄の規模ってどのくらい?
それでは次に、日本製鉄の定量情報を見ていきましょう。
●時価総額:1兆6,825億円 ※2019年12月13日終値
●売上:6兆1,779億円 ※2019年3月期
●営業利益:2,651億円(営業利益率 4.3%) ※同上
●当期純利益:2,511億円(最終利益率 4.1%) ※同上
●連結従業員数:全社合計 105,796人 ※2019年3月末
利益率がやや低いような印象がありますが、そもそも鉄鋼メーカーの営業利益率はおおよそ4%と言われています。
その業界水準からすると、日本製鉄の営業利益率はほぼ平均通りと言えそうです。
③日本製鉄の業績と配当金の推移は?
直近3年の実績及び今後の見込みは以下のようになっております。
2019.3期までは悪くありませんが、2020.1期が壊滅的な業績予想となっています。
以下は月足チャートになります。
今後の業績見込みがボロボロなので仕方ありませんが、長期的な下落トレンドで、非常に厳しいチャートですね。
ちなみに、2019年12月13日終値ベースで、日鉄物産の各種指標は以下のようになっています。
⚫︎PER:40.7倍 ※東証一部 同セクター平均 12.4倍(2019年11月末)
⚫︎PBR:0.5倍 ※東証一部 同セクター平均 0.5倍(同上)
⚫︎配当利回り:1.12%
PBRはそれほどでもありませんが、PER及び配当利回りは非常に割高水準ですね。
これは2019年8月において、業績予想及び配当金の下方修正を行っているからです。
では、なぜ日本製鉄の株価(業績)は悪化してしまっているのでしょうか?
④なぜ日本製鉄の株価は低いのか? そのリスクは?
日本製鉄の株価(業績)が悪化している理由について見ていきましょう。
まず、以前書いた記事で鉄鋼業界の株価が全体的に割安である理由について以下のように述べました。
割安な理由(1)中国の生産力の向上
割安な理由(2)事業の伸び代が薄い
割安な理由(3)米国の輸入規制リスク
詳細は過去記事をぜひご覧ください。
日本製鉄も業績下方修正の発表の際に、(過剰生産力により)鋼材市況が悪いことを原因に挙げています。
国内最大手の日本製鉄がこの状況では、日本の鉄鋼メーカーはどこも苦戦が続くことが予想されます。
⑤日本製鉄は低調だが、日鉄物産は本当に買いなのか?
以上、日鉄物産の34%株主である日本製鉄について見てきました。
業界全体が苦しい上に日本製鉄自体の各種指標も割安ではないので、日本製鉄は投資対象にはできません。
ではグループ会社の日鉄物産は投資対象になり得るのでしょうか。
個人的には、日鉄物産自体の業績見通しはある程度見えているため、投資対象にはなるとは思いますが、業界自体のリスクは小さくないので保有数量は少なめにしておいた方がいいと思います。
同様に、以前記事で取り上げた合同製鐵についても日本製鉄系ですので、注意が必要です。
⑥まとめ
今回の記事では、前回取り上げた専門商社の日鉄物産の34%株主である、日本製鉄について見てきました。
結論としては、日本製鉄自体は投資対象としてはリスクが高すぎであり、日鉄物産は投資対象にはなると思いますが、保有株数は抑えておいた方がいいでしょう。
次回の記事では、商社の(8020)兼松について見ていきたいと思います。
本記事の内容がよかったら、これまでの記事もぜひご覧ください。
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