配当利回り5.7%、(7148)FPGの株価分析! 今後の見通しは? ~銘柄リサーチPart.10~
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株まとめ@元証券マンと言います。
初めての方は、こちらの自己紹介記事をぜひご覧下さい。
これまでの株価分析記事の一覧はこちらです。
普段は割安株中心に、銘柄分析記事を連載形式で投稿しています。
今回の記事では趣向を変えて、各種投資指標は決して割安とは言えないものの、個人的に注目している(7148)FPGについて、詳細を見ていきたいと思います。
①FPGってどんな会社なの?
FPGは証券、商品先物取引業セクターに属する独立系企業で、Financial&Products groupの略称です。
主に、課税を繰り延べできるオペレーティングリースという金融商品のアレンジメント(組成)を行っている企業です。
リース用の資産として扱うのは航空機、海上輸送用コンテナ及び船舶などで、資産の貸し手にとっては、足元での減価償却費で費用を増やして節税しておき、今後退職金や事業投資など費用が見込まれる決算期に合わせて、売却益などの特別利益を発生させて費用にぶつけることでメリットが生まれるイメージです。
専門的な知識が問われるややこしいビジネスですが、このような会計・税務が密接に関わるものもあるので、経理(会計・税務)の知識は株式投資において必須であるというのが僕の持論です。
以前経理という職業のメリットについて記事を書いていますので、ご参照ください。
話を戻しましょう。
FPGの収益事業は、以下の3つのセグメントに分かれています。
※各%は、全社合計に占める割合
(1)FPG事業
売上比率:94.2% 利益比率:99.7%※リースアレンジメント事業(タックスリースなど)、保険事業(保険仲介、代理店など)、不動産事業、M&A事業(M&Aアドバイザリーなど)
(2)FPG証券事業
売上比率:0.5% 利益比率:▲0.4%※証券事業
(3)その他事業
売上比率:5.3% 利益比率:0.9%※FPG信託、FPG AMENTUM(航空機投資管理サービス事業)、FPG保険サービス
証券会社もグループ内にありますが、 法人顧客に対して為替予約及び通貨オプション等の通貨関連店頭デリバティブ商品等を提供しているだけで、大した規模はなく、ほぼすべて(1)FPG事業が占めていますね。
ちなみに、(1)FPG事業セグメントにおけるリースアレンジメント事業が、全社合計のうち78.2%を占めていますので、基本的にはリースアレンジメントをやっている企業という認識でよいでしょう。
②FPGの規模ってどのくらい?
それでは次に、FPGの定量情報を見ていきましょう。
●時価総額:934億円 ※2020年1月10日終値
●売上:265億円 ※2019年9月期
●営業利益:144億円(営業利益率 54.3%) ※同上
●当期純利益:100億円(最終利益率 37.3%) ※同上
●連結従業員数:全社合計 262人 ※2019年9月末
営業利益率が54%と信じられないくらい高いですね!
一人当たり営業利益が5,500万円と、こちらも他に類を見ないくらいの水準になっております。笑
続いて、業績・配当の推移を見ていきましょう。
③FPGの業績と配当金の推移は?
直近6年の実績及び今後の見込みは以下のようになっております。
一株利益・配当金は概ね右肩上がりと言って良いでしょう。
以下は月足チャートになります。
上げ下げはありますが、基本的には横ばいと言えそうですね。
業績推移は好調なので、若干違和感があります。
ちなみに、2020年1月10日終値ベースで、FPGの各種指標は以下のようになっています。
⚫︎PER:9.2倍 ※東証一部 同セクター平均 16.3倍(2019年12月末)
⚫︎PBR:2.83倍 ※東証一部 同セクター平均 0.8倍(同上)
⚫︎配当利回り:5.72%
PERはセクター平均よりもかなり低く、PBRはセクター平均よりもかなり高いですね。
ただ、FPGは利益率が異常に高いので、セクター平均のPERだと時価総額1,600億円以上にもなってしまい、売上の7倍という恐ろしい水準になってしまいます。笑
なので平均よりもPERが低いのは致し方なしでしょう。
次は、FPGのリスクについて見ていきます。
④FPGのリスクは?
それではFPGのリスクについて見ていきます。
FPGのリスクは、大きく以下の2点が挙げられます。
(1)航空業界及び海運業界への依存について
FPGのオペレーティング・リース事業で扱うリース物件は、航空機、海上輸送用コンテナ及び船舶であり、航空業界及び海運業界の設備投資動向次第では、FPGの業績に影響を与える可能性があります。
また海運業界や航空業界の業績次第では、投資家の賃借人に対する信頼度の低下や、リース期間終了時の物件売却価額の低下が生じる可能性があるため、投資家の投資意欲が減退し、出資金販売額が減少する等により、 FPGの業績に影響を与える可能性があります。
海運業界については、以前(9110)NSユナイテッド海運の分析記事で扱っていますので、ご参照ください。
(2)景気悪化によるリース需要の低下リスク
FRP自体が以下のように述べていますが、オペレーティングリースは課税の繰り延べが最大のメリットです。
よって、景気が悪化し企業の利益が思うように上がらない場合、そもそも課税が発生しないので、課税を繰り延べる需要もなくなります。
つまり、不況時には成り立たないビジネスだと言えます。
⑤FPGのおすすめポイントは?
では逆に、FPGの魅力は何なのでしょうか。
明確に言えるのはその圧倒的利益率でしょう。
マンパワーが不要なビジネスモデルなので人件費などの固定費を抑えつつ、収益規模を大きくできるので、営業利益率が50%を超えるほどの水準になっています。
金融ビジネスとはいえ、ここまで極端に利益率が高い企業も珍しいでしょう。
その上で、業績及び配当金の推移も堅調で、配当利回りが高いのは非常に魅力的だと言えます。
⑥FPGは今買うべきか否か?
以上、FPGについて見てきました。
利益率が圧倒的で、業績及び配当の推移も堅調なので十分投資対象となり得る銘柄だと思います。
ただし一方で、景気に左右されやすい銘柄ですので、あまり大量に保有しないほうがいいと考えます。
⑦まとめ
今回の記事ではFPGについて見てきました。
利益率の高さや堅調な業績推移などから魅力のある銘柄ではありますが、景気敏感な銘柄なので、あまり多額の資金を投資しないほうがいいと思います。
ただ、配当利回りも非常に高いので、長期的に保有するのもアリかもしれません。
ぜひご検討してみてはいかがでしょうか。
本記事の内容がよかったら、これまでの記事もぜひご覧ください。
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