(8591)オリックスの株価の見通しは? 割安株の探し方vol.19
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前回の記事で、私独自のスクリーニング基準で抽出した銘柄のうち、その他金融業セクターに絞って見ていきました。
3社のその他金融業の銘柄がスクリーニングの結果抽出されましたが、最も買いを検討できそうだったのが(8591)オリックスでした。
今回の記事では、(8591)オリックスについて、今の株価で買うべきか否か、詳細を見ていきたいと思います。
①オリックスってどんな会社なの?
オリックスは、大手総合リース企業です。
元々はリース事業からスタートしていますが、今では不動産、銀行、保険、クレジット、ベンチャーキャピタルなど多くの事業を手掛けており、総合金融グループと言ってもいいかもしれません。
イチロー選手が出演する「やる気マックス、オリックス!」のCMでもお馴染みですね。
収益としては、以下の6つのセグメントに分かれています。
(1)法人金融サービス ※金融、各種手数料ビジネス
(2)メンテナンスリース ※自動車リース・レンタカー・カーシェアリング、電子計測器・IT関連機器などのレンタルおよびリース
(3)不動産 ※不動産開発・賃貸・管理、施設運営、不動産の資産運用
(4)事業投資 ※環境エネルギー、企業投資、コンセッション
(5)リテール ※生命保険、銀行、カードローン
(6)海外 ※アセットマネジメント、航空機・船舶関連、企業投資、金融
設立時の事業であるリース事業はわずか10%程度しかありません。
リース会社のイメージのままの方にとっては意外かもしれませんね
不動産のイメージがある方もいるかもしれません。すみだ水族館がオリックスの運営であるというのも有名ですね。
②オリックスの規模ってどのくらい?
それでは次に、オリックスの定量情報を見ていきましょう。
●時価総額:2兆3,320億円 ※2019年11月12日時点
●売上:2兆4,348億円 ※2019年3月期
●営業利益:3,294億円(営業利益率 13.5%) ※同上
●当期純利益:3,237億円(最終利益率 13.3%) ※同上
●連結従業員数:全社合計32,884人 ※2019年3月末
時価総額と売上の額がほぼ一致しています。
その他金融業首位ということもあり、圧倒的な規模と業績ですね。
③オリックスの業績と配当金の推移は?
直近3年の実績及び今後の見込みは以下のようになっております。
一株あたり利益、配当金共に右肩上がりなのがわかりますね。
以下は月足チャートになります。
1,400円〜2,000円のレンジ(ボックス)相場になっていると言えますね。
2019年11月19日終値は1742.5円なので、このレンジからするとちょうど真ん中あたりに位置しています。
どちらにも動きそうな位置ですね。
ちなみに、2019年11月19日終値ベースで、各種指標は以下のようになっています。
PER:7.4倍 ※東証一部同セクター平均10.9倍(2019年10月末)
PBR:0.75倍 ※東証一部同セクター平均0.9倍(同上)
配当利回り:4.36%
同じその他金融業セクターの平均と比べると、PER・PBR共に非常に割安な水準と言えます。
では、なぜオリックスの株価は業界平均と比べても割安のまま放置されているのでしょうか?
次は、リスクについて見ていきます。
④オリックスのリスクは?
オリックスのリスクを見ていく前に、まず1つ注意点があります。
それは、③で記載した2020年3月期の業績予想は当初開示されたもので、その後に下方修正が入っているということです。
※参考『オリックス、非開示だった今期最終は7%減益、未定だった配当は76円実施』
具体的には、元々2020年3月期の最終利益は3,350億円の予想でしたが、10月28日のオリックスの発表では、3,000億円になる見通しとなりました。
オリックスに限らずではありますが、自分が今見ている業績予想などの情報が本当に最新のものになっているかというのは、必ず注意して確認する必要があります。
では、あらためてオリックスのリスクについて見ていきます。
(1)景気の影響を受けやすい
オリックスに限らず、銀行業などその他の金融業界も同様ではありますが、金融業界は設備投資の需要などに左右されますので、不景気の際には敏感に反応して株価が下落します。
(2)事業の伸び代が薄い
その他金融業はビジネスモデルをアップデートする余地が少なく、また、このオリックスはその他金融業の中でも最大手ということもあり、今後の業績の伸びが限定的という面があります。
実際、2020年3月期の業績に下方修正が入ったのは、法人金融サービスやリース業で費用が増加したことなどが理由になっています。
(ただし一方で、同日には1,000億円を上限とした自社株買いを発表しているので、株価はむしろ上昇しています)
今後も、売上規模を維持するためには、広告や人件費等のコストを一定程度かけていく必要はあるでしょう。
(3)競合優位性がない
前回の記事でも述べておりますが、消費者ローンやクレジットカードビジネスなどは銀行業に属するメガバンク各社も行っておりますし、楽天の楽天カードのように資金さえあればIT企業なども参入できるので、参入障壁が低く、競合優位性が持ちにくいと考えられます。
(4)複数事業のため複雑でわかりにくい
これはリスクというよりは、割安である理由になります。
例えばオリックス銀行などがわかりやすいですが、銀行業は貸付額が多額になるため、いざ不景気になれば貸付金が回収不能となり、特別損失が立ち純資産が急激に圧縮されます。
銀行業の記事で以前触れましたが、そのリスクがあるから銀行株のPBRは割安になっているのでしたね。
※過去記事『銀行株はなぜ割安で放置されるのか? 割安株の探し方 vol.5』
1つの企業を分析するために、複数の業界の知識が必要というのは、投資家目線では敷居が高いという感覚があります。
ドラクエウォーク効果で爆上がりした(3668)コラプラのように、得手して人は理解しやすい(と自分では思える)銘柄に流れがちと言えるでしょう。
⑤オリックスは今買うべきか否か?
以上、オリックスを見てきました。
私個人としては、確かにいくつか懸念はありますが、複数事業でリスクが分散されていることと、業績推移や配当の状況が堅調であることを鑑みると、十分買い検討可能と考えます。
ただし、2019年11月19日時点で自己株買いの発表などから株価が上昇しているので、まずは少額の購入にとどめておき、その後の値動き次第で買い増しするなどが良いと思われます。
また、グループ内に銀行があることや、事業投資も積極的に行っていることから、資産の本質的価値が正確にBSに現れているとは思えませんので、PBRは数字通り受け取らない方がいいでしょう。
⑥まとめ
今回の記事では私独自の基準でスクリーニングをかけた銘柄のうち、その他金融業セクターの1つ、(8591)オリックスを見てきました。
結論としては、複数のリスクはあるものの、十分買い検討できる銘柄と考えます。
次回の記事では、vol.1の記事で抽出した割安銘柄のうち、鉄鋼業セクターの2社について見ていきます。
※これまでの記事はこちら⇒割安株の探し方シリーズ(記事まとめ)
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