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機械セクター企業の株価の見通しは? 割安株の探し方 vol.15
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※今までの記事はこちら⇒『割安株の探し方シリーズ(記事まとめ)』
さて、vol.1の記事では、私独自の以下の基準でスクリーニングをかけて、22業種105社をピックアップしました。
(1)東証一部上場
(2)予想PERが8倍以下
(3)実績PBRが1倍以下
(4)配当利回りが4%以上
(5)1単元が100万円以内
ただし、ピックアップされた105社は業界の偏りが大きく、それぞれの業種特有のリスクがないか自分自身で分析することが重要ということでしたね。
vol.2〜vol.4にかけて商社株、vol.5~7にかけて銀行株、vol.8では建設株、vol.9〜10にかけて不動産株、vol.11〜13にかけて化学株、vol.14では輸送用機器株ついて分析を行いました。
本記事では、7番目に多かった機械セクター(6社)について書いていきたいと思います。
①機械セクターの概要について
機械セクターの株は、だダイキンのような空調機メーカーから、クボタと言った産業(農業)機械メーカー、三菱重工のような重工業まで幅広いラインナップとなっています。
一口に機械セクターの株と言っても扱ってる商材やビジネスモデルは全く違いますので、セクターを一括りにして語るのはあまり意味がないでしょう。
ちなみに、参考までに機械セクターの時価総額上位3社の指標は以下のようになっています。※2019年11月8日終値
ダイキン:PER 22.85倍、PBR 3.08倍
SMC:PER 29.13倍、PBR 2.73倍
コマツ:PER 14.05倍、PBR 1.42倍
一部上場会社平均と比べると割高と言えますね(一部上場平均PER 17.1倍、PBR 1.2倍)。
特に2位のSMCのPER 29.13倍は非常に評価されていると言っていいでしょう。
ではさっそく、各種指標が割安だった具体的な銘柄を見ていきましょう。
②割安な機械セクターの具体的銘柄は?
vol.1の記事でピックアップした機械セクター7社の内訳は以下のようになっております。 ※時価総額は2019年11月8日終値
(6486)イーグル工業 563億円 ※NOK系列。メカニカルシール、特殊バルブの大手。自動車向け主力
―――――――――――時価総額500億円の壁
(6317)北川鉄工所 208億円 ※自動車などの部品鋳造、工作機械器具、建機など多角展開
(6262)ペガサスミシン製造 128億円 ※伸縮性ある生地に適した環縫いミシンでトップ。中国向けが柱
(6210)東洋機械金属 122億円 ※小型の射出成形機や電動ダイカストマシンに強み。中国向けが柱。
―――――――――――時価総額100億円の壁
(6373)大同工業 93億円 ※2輪車用チェーン製販で国内シェアトップ。4輪用も北米市場で攻勢中。ホンダが主顧客
(6393)油研工業 75億円 ※油圧機器の専業総合メーカー。アジア向けが柱
扱っている商材は、バルブから自動車部品、二輪車用チェーン、ミシンなど様々ですね。
一覧で見てみると、時価総額で最も高いのは(6486)イーグル工業の563億円なので、全て中小規模であることがわかりますね。
中小企業しか抽出されないというのは、建設株や不動産株の割安株たちと似ています。
※参考『割安銘柄の探し方シリーズ(記事まとめ)』
③機械株各社の業績推移
では次に、各社の一株利益及び配当金の直近実績及び今後の見込みを見ていきましょう。
(6486)イーグル工業:一株利益やや右肩下がり、配当維持
(6317)北川鉄工所:一株利益19.3期を除き横ばい、増配傾向
(6262)ペガサスミシン製造:一株利益低調、増配傾向
(6210)東洋機械金属:一株利益右肩下がり、配当維持
(6373)大同工業:一株利益低調、配当維持
(6393)油研工業:一株利益18.3期ピークに右肩下がり、配当維持
総括としては、一株あたり利益、配当ともにぱっとしません。
ただ、一株利益が苦戦している会社が多い一方で、利益自体は比較的安定して出ているので、配当金は維持もしくは増配のところがほとんどですね。
④なぜ機械株の投資指標は割安なのか?
それでは次に機械株が割安な理由を見ていきましょう。
ただ、機械株と言っても機械セクターの銘柄は幅広いので、あくまで本記事で取り上げた6社に限った話になります。
(6486)イーグル工業や(6317)北川鉄工所、(6373)大同工業のような自動車部品系は、前回の記事でも取り上げたように、自動車業界自体のリスクによって、株価が伸び悩んでいると考えられます。
その他の商材を扱っている企業はほとんどが中国等のアジアを主戦場としており、米中貿易摩擦の長期化の煽りを受けて、株価が低調なままになっています。
⑤結局、機械セクターの株は買わない方がいいの?
ここまで、機械セクターの株がなぜ割安なのかを見てきました。
本記事で取り上げた6社はそれぞれ扱っている商材が異なるので一緒くたに語るのは難しいですが、大きく分けると(1)自動車部品関連と(2)中国(アジア)需要関連の2つに分けられそうです。
自動車部品関連でいえば、前回の自動車部品メーカーでも取り上げたように、同じ自動車業界のリスクの影響を受けるのであれば、トヨタなど大手自動車メーカーの株を検討するほうがよいのではないかと考えます。
また、中国需要関連の機械株で言えば、米中貿易摩擦に代表される中国リスクの煽りを受けるのは機械株だけではなく、海外(アジア)売上比率の高い日系企業はすべて同じ条件なので、わざわざ時価総額500億円以下の中小機械株を選ぶ必要はないとは思います。
あえて言うなら、増配傾向である(6317)北川鉄工所、(6262)ペガサスミシン製造の2社であれば買い検討可能かもしれませんが、詳細分析する優先度は低いと考えます。
⑥まとめ
以上、簡単に機械株の企業が割安な理由を見てきました。
大きく(1)自動車部品関連と(2)中国(アジア)需要関連の2つに分けられそうでしたが、今すぐ積極的に買い検討するほどの魅力はないと考えます。
次回の記事では、vol.1の記事で抽出した割安銘柄のうち、ガラス土石製品セクターの3社についてみていきます。
※今までの記事はこちら⇒『割安銘柄の探し方シリーズ(記事まとめ)』
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