コンドーム大手、(5122)オカモトの株価分析! 今後の見通しは? 〜銘柄リサーチPart.9〜
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これまでの株価分析記事の一覧はこちらです。
普段は割安株中心に、銘柄分析記事を連載形式で投稿しています。
今回の記事では趣向を変えて、各種投資指標は決して割安とは言えないものの、個人的に注目している(5122)オカモトについて、詳細を見ていきたいと思います。
①オカモトってどんな会社なの?
オカモトは、ゴム製品セクターに属する企業で、企業向けにプラスチックフィルムや建装、産業資材など、一般消費者向けにコンドームや靴などを販売しています。
コンビニやドラッグストアなどに行けば必ずと言っていいほどオカモト製のコンドームが置いてあると思います笑
ちなみに、ゴム製品業の一部上場企業はわずか11社しかなく、オカモトは時価総額7位となっています。
オカモトの収益事業は、以下の2つのセグメントに分かれています。
※各%は、全社合計に占める割合
(1)産業用製品事業
売上比率:64.4% 利益比率:36.9%
※プラスチック系樹脂を主原料とした製品群を加工事業者向けに販売(プラスチックフィルム、建装、産業資材など)
(2)生活用品事業
売上比率:35.6% 利益比率:63.1%
※日用品や消耗財等を消費者向けに販売(コンドーム、長靴、カイロなど)
to Bとto Cでセグメントが分かれていますね。
売上の構成比は(1)産業用製品事業と(2)生活用品事業で6:4ですが、利益の構成比では4:6と逆転しています。
つまり、利益率は(2)生活用品事業のほうがはるかに高いということがわかります。
ちなみに、コンドームで有名なオカモトですが、全社におけるコンドーム売上比率は、実は10%もないそうです笑
②オカモトの規模ってどのくらい?
それでは次に、オカモトの定量情報を見ていきましょう。
●時価総額:789億円 ※2020年1月9日終値
●売上:937億円 ※2019年3月期
●営業利益:86億円(営業利益率 9.2%) ※同上
●当期純利益:64億円(最終利益率 6.8%) ※同上
●連結従業員数:全社合計 2,883人 ※2019年3月末
営業利益率9.2%となかなか高いですね!
利益額の割に時価総額が高くなっているのも頷けます。
続いて、業績・配当の推移を見ていきましょう。
③オカモトの業績と配当金の推移は?
直近6年の実績及び今後の見込みは以下のようになっております。
一株利益は2017.3月期はまではかなりのペースで右肩上がりでしたが、その後は2020年3月期にかけて右肩下がりとなっています。
一方配当は、(2019年3月期の記念配当を除けば)右肩上がりとなっています。
ちなみに、2020年3月期の第2四半期の概要はこちらです。
以下は月足チャートになります。
基本的に横ばいですが、2019年に入ってからは2,000円ほど落としています。
やはり足元の業績推移が低調であるがゆえに、月足で見てもパッとしないチャートとなっています。
ちなみに、2020年1月9日終値ベースで、オカモトの各種指標は以下のようになっています。
⚫︎PER:-倍 ※東証一部 同セクター平均 14.1倍(2019年12月末)
⚫︎PBR:1.18倍 ※東証一部 同セクター平均 0.9倍(同上)
⚫︎配当利回り:2.48%
2020年3月期の業績予想は現状非開示状態のため、PERは算出できません。
(非開示の理由は後ほど触れます)
ちなみに2019年3月期の実績値を基にした参考PERは12.3%です。
参考PER、PBRともに割安とまでは言えない水準ですね。
ただ、ゴム製品のセクター平均と比べるとほぼ平均通りと言えそうです。
次は、オカモトのリスクについて見ていきます。
④オカモトのリスクは?
それではオカモトのリスクについて見ていきます。
オカモトのリスクは、大きく以下の2点が挙げられます。
(1)原材料費の高騰リスク
オカモトの製品の多くは、石油などの1次産品を基にした原材料を加工しているため、原材料価格が高騰した場合、利益が圧迫されてしまうリスクがあります。
(2)災害リスク
オカモトは2019年11月6日において、2020年3月期の業績予想を未定とする旨発表しています。
以下、その文面の一部です。
2019 年 10 月 12 日に「令和元年台風第 19 号」の影響により河川氾濫が発生し、当社福島工場(福島県いわき
市)が浸水の被害に遭い、現在操業を一時停止しております。操業再開時期については未定であり、被害総額は現在調査中であるため、今回は未定とさせて頂きました。
ピンポイントに工場が被災するというのも頻繁にあることではないかと思いますが、実際に起きている以上、今後も無視できないリスクと言えます。
それにしても、業績予想が未だに開示できないというのは深刻な状況ですね。
⑤オカモトのおすすめポイントは?
では逆に、オカモトの魅力は何なのでしょうか。
それはひとえに、海外展開のしやすさという点でしょう。
特にコンドームや靴などの対消費者向けの商品であれば、あらゆる国において需要が存在します。
以下のページに海外展開の進捗がわかりやすく書かれています。
エイズなどの問題は明かに日本よりも深刻な国の方が多いので、コンドームに限って言えばマーケット自体もまだまだ大きくなりそうです。
⑥オカモトは今買うべきか否か?
以上、オカモトについて見てきました。
利益率が良く、実績値をもとにした各種指標もそれほど割高とは言い切れないので、基本的には投資対象となり得る銘柄だと思います。
ただし、業績予想がまだ開示されていないという状況ではリスクが高すぎるので、開示されるのを待ってから再度検討したいところです。
⑦まとめ
今回の記事ではオカモトについて見てきました。
利益率の高さや海外展開のしやすさから魅力のある銘柄ではありますが、今期の業績予想が開示されるのを待つのが無難だとは思います。
とは言え、世界に誇れるメイドインジャパンの質の高さを持つ企業でもありますので、どこかのタイミングでご検討されてもいいかもしれません。
本記事の内容がよかったら、これまでの記事もぜひご覧ください。
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