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博多座ヤマトタケルかぶきDOU解説②其の78アフタートーク


いつもかぶきDOUを御愛顧頂きありがとうございます✨
博多座スーパー歌舞伎ヤマトタケルはいよいよ10/8(火)に開幕!博多座公演で今回のスーパー歌舞伎ヤマトタケルが大千穐楽をむかえます。関連イベントが目白押しです☆

配役は日程によって異なりますが中村隼人さん 市川團子さん 中村壱太郎さん 中村米吉さんが今回のスーパー歌舞伎ヤマトタケルで揃うのは博多座が初となります!
かぶきDOUでは交互出演となるお役について、大まかなあらすじに沿ってご紹介いたします。
公演前につき演出が異なる場合があるかと思いますが何卒ご了承くださいませ…
スーパー歌舞伎ヤマトタケルは3時間以上の超大作で、関係性が複雑な部分もありますのでビキナーの皆様にご観劇の参考にしていただけたら幸いです✨



市川寿猿さん代役について


先日、老大臣役市川寿猿さんが休演なさることが発表されました。代役は市川欣弥(きんや)さん澤瀉屋です。
欣弥さんはヤマトタケル初演の翌年、1987(昭和62)年から猿翁一門となり、スーパー歌舞伎ヤマトタケルの舞台にも永くご出演されています。
現役最高齢の94歳!市川寿猿さんのご快復ならびに舞台で拝見できる日を心待ちにしております…



第一幕

 
大和国の皇子、大碓命と小碓命は双子の兄弟です。
中村隼人さんと市川團子さんがWキャストで
◯小碓命後(おうすのみこと)のちにヤマトタケル
◯大碓命(おおうすのみこと)
の2役と、
◯帝(みかど)の使者

を勤められます。

母親は他界しており、父の帝(市川中車)は再婚しています。
継母の皇后(市川門之助)が出産し母親違いの弟ができます。
父 帝に対して反抗的な兄の大碓命は「このままでは自分たちの身分が危ない!謀反を企てよう!」と弟の小碓尊に持ちかけます。
をなんとかなだめようとしますが言い争いから揉み合いになり、小碓尊を誤って殺害してしまいます。
この場面は兄弟2役の早替わりにもご注目です!
 
事件のきっかけは、謀反を企んだですが小碓尊は一切の事実を伏せて全ての罪を被ります。
理由を知らない父の帝は激怒して小碓尊に、西国の熊襲(くまそ)の討伐を命じます。
熊襲は琉球 吉備 相模を従えて勢力を拡大している国で、事実上の国外追放を意味するのでした…

熊襲兄弟がヤマトタケル命名のきっかけ
 
熊襲の国は宴の真っ最中です。熊襲の首領(ボス)タケル兄弟の2人で気分よく盛り上がっています。
◯熊襲兄タケル
市川猿弥さん
◯熊襲弟タケル
中村錦之助さん、中村歌之助さんが交互出演されます。

小碓尊はたった1人で美しい踊り子に扮して宴に潜入し、まずは熊襲の兄タケルの命を奪います。激しい大立廻りとなり弟タケルを捉えます。
弟タケルは1人で立ち向かった小碓尊の勇気を称え、強き勇者に与えられし「タケル」の名前と魂を託して絶命します。
熊襲のタケル兄弟の思いを背負った小碓尊ヤマトタケルを名乗り熊襲の国を治めるのでした。
 
 
そっくりでありながら相反する姉妹
 
◯兄橘姫(えたちばなひめ)
◯弟橘姫(おとたちばなひめ)
姉妹の2役の早替りと、
◯みやず姫
中村壱太郎さんと中村米吉さんがWキャストで勤められます。

兄橘姫は「えひめ
弟橘姫は「おとひめ」と呼ばれ、
ヤマトタケルは「みこと」と呼ばれたりもします。

性格は対照的です。
☆姉の兄橘姫…ヤマトタケルの兄の妻で積極性あり
☆妹の弟橘姫…控えめな性格

兄橘姫は夫の復讐のために出兵前のヤマトタケルに接近しますが、その本心に触れて誤解が解けます。そしてヤマトタケルの優しさに惹かれるのでした。 

大和国でヤマトタケルの数少ない味方が
◯老大臣
市川欣弥
さん
◯ヤマトタケルの叔母 倭姫
市川笑三郎
さん

です。倭姫はヤマトタケルを庇ったために伊勢に追放となってしまいます。そのお世話係として弟橘姫が帯同することになります。


第二幕


熊襲討伐を見事成し遂げたヤマトタケルが大和国に戻ってきます。
父 帝の勧めや兄橘姫たっての望みもあって、ヤマトタケルは兄橘姫と祝言をあげることになりました。
そしてから東国の蝦夷(えぞ)を与えられます。しかしここも大和国で疎ましく思われているところで事実上の国外追放処分でした…
兄橘姫を連れ立っていくようから言われますが「それは危険」と断るヤマトタケルです。
熊襲の一味で吉備国のタケヒコ(中村福之助)をお供にせよと父から命じられます。タケヒコは最初ヤマトタケルに反発していましたがその人間性に惹かれていきます。
の無慈悲に心を痛めたヤマトタケルは大和国から伊勢に追放の身となっていた叔母の倭姫に会いに行きます。
倭姫はヤマトタケルに剣を授けて「肌身離さず持ち歩くよう」忠告します。そして「危うい事があったら開けてご覧なさい」と小袋も授かります。この2つは大変重要なアイテムとなります!
弟橘姫とも再会したヤマトタケルは倭姫のとりなしで一夜を共に過ごすのでした。
 
ヤマトタケルが伊勢から駿河国の 焼津に到着します。これまで控えめな性格だった弟橘姫がヤマトタケルのあとを追いかけてきました。
しかし一行は大和国の反抗勢力の罠にかかり火の海に囲まれて大ピンチとなりますが、倭姫から授かったアイテムのおかげて助かります。真っ赤な布を炎に見立てた大迫力の演出が見どころです。 

 
悲しい別れ

ヤマトタケル一行は相模国の走水(はしりみず)から船で移動することになります。
しかし大嵐に遭遇、弟橘姫海の神の妃となるようお告げが出ているのです。
ヤマトタケルがこれを拒絶すると海はさらに荒れ始めます。
弟橘姫が意を決して、皇后が座る畳を海に敷くよう要求します
浮かぶ畳に身を任せて弟橘姫はヤマトタケルの名を呼びながら波間に沈んでいくのでした…
このシーンでは荒れ狂う海とヤマトタケルを愛する弟橘姫がみせる激しくも切ない女心が見どころとなります。
 



第三幕


見事、蝦夷の討伐も成し遂げたヤマトタケルです。蝦夷のヘタルベ(中村歌之助)が一行に加わりました。
帰国の途中、中村錦之助さん勤める尾張の国造(くにのみやつこ)の館を訪ねます。
ヤマトタケルの偉業は評判となっていました。大和国では皇后が亡くなり、情勢が変わり始めているようです。
尾張の国造には みやず姫という娘がいます。その美しさと心根にゾッコンになるヤマトタケルです。
そこに父の帝から「 今までのことを謝罪する」という旨のメッセージが届きます。ヤマトタケルやタケヒコヘタルベたちは喜びますが「帰国までに伊吹山の山神を退治するよう」からの追信が…
またも与えられた試練にタケヒコヘタルベは難色を示しますが、みやず姫との祝言もまとまり喜び勇んで伊吹山に向かうヤマトタケルでした。
 その時、倭姫から肌身離さないよう言われていた剣を、みやず姫に自身の形見として託してしまいます。
 伊吹山に到着しますと巨大な白い猪が出現したり、大きな雹(ひょう)が降ったりしてヤマトタケル一行を阻みます。
市川猿弥さん勤める山神(やまがみ)
市川門之助さん勤める姥神(うばがみ)の仕業でしたが、
ヤマトタケルはなんとか強敵を倒す事に成功します。
しかし伊吹山での戦いが元でヤマトタケルは病に冒され、大和国にたどり着く直前に力尽きてしまいます…

大和国では丁重にヤマトタケルの葬儀が執り行われました。
そこに帝の使者がやってきて、「親として十分な事ができなかったことを心から後悔している。宮廷の人々も素晴らしい偉業を認めている。」との気持ちを告げます。
兄橘姫はヤマトタケルの忘れ形見である息子ワカタケルと共に、新しい大和国を造っていくことをタケヒコヘタルベ達と誓うのでした。
そしてヤマトタケルが眠るお墓から一羽の白鳥が宙乗りで飛び立ちます。
ヤマトタケルの魂は天翔る(あまがける)心で天高く舞い上がっていくのでした…
 


…いかがでしたでしょうか?
物語の流れと前後した部分もありますが、おおまかなあらすじをご紹介しました。ご観劇参考にしていただけましたら幸いです♪
来週のかぶきDOUの放送日がいよいよスーパー歌舞伎ヤマトタケルの初日となります。
次回PART3と題しまして公演直前情報をお届けいたしますのでお楽しみに!      

 


めでてえなぁ9/25-10/1


お誕生日を迎えられます歌舞伎役者さんをご紹介するめでてえなあのコーナーです。9/25から10/1がお誕生日の皆さまです。
公演スケジュールが公開されている方のお名前と所属 屋号をご紹介します。五十音順となっておりますので何卒ご了承ください。

 
9/25市川門松さん
瀧乃屋

9/25中村梅花さん
京扇屋

9/29 中村錦之助さん
萬屋

10/1 市川齊入さん
高嶋屋
 


今回は4名の皆様でした。お誕生日おめでとうございます!
 


10/1アーカイブはこちらからどうぞ

スタジオには麻布十番 麻の葉さんの手ぬぐい隈取五種(博多座限定)を飾らせていただいております
※最近サムネイルが表示されず申し訳ありません💦動画は問題なくご視聴頂けます↓

次回は10/8(火)午前10時〜FM77.7Mhzで25分生放送です!権利の関係でYou Tubeには音楽BGMが入っておりませんのでご了承ください


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