[書き起こし]オープンワーク(5139)IRセミナー&質疑応答 2024.11.19開催
2024.11.19に開催致しましたオープンワーク(5139)IRセミナー&質疑応答の書き起こしになります。
代表取締役社長 大澤陽樹 様
IRセミナー
皆さま遅い時間に本日ご参加いただきましてありがとうございます。
オープンワーク代表の大澤でございます。
早速時間もございますので説明に入らせていただきます。
オープニングトークで同社のことをご活用いただいているという話もいただきまして誠にありがとうございます。
決算資料、第3四半期2024年第3四半期の決算資料に沿って説明してまいりますが、ページ順番を変えて説明させていただきます。使用している資料は全く同じです。
エグゼクティブサマリー
お忙しい皆さまもいらっしゃると思いますので、まずエグゼクティブサマリーからご説明させていただき、その後、今日初めてご覧になるという方もいらっしゃると思いますので、簡単に会社の紹介、そして最新の決算について改めてご説明させていただきます。
主力事業のOpenWorkリクルーティングは、キャリア採用、新卒採用ともに好調でして、第2四半期と同程度の転職者の確保、アップセル商材の貢献により、第3四半期単独での当社の収益は6億7千万円と過去最高を更新しております。
OpenWorkはクチコミを見れるサイトで、ユーザー様から会員の課金、こちらも値上げをして、ユーザーの離脱も一定見込んではいたのですが、値上げ分と離脱した分が相殺されました。また離脱した方はOpenWorkを使わないわけではなく、履歴書の登録やクチコミの記載の方に進んでいただきますので、プラットフォーム全体としては収益はOpenWork単体では維持をしていて、データベースも増えていくというチャレンジになりました。
その結果、第2四半期と同程度の水準で、OpenWorkとOpenWorkリクルーティング、これが当社の主力2事業になりますが、このサービスを2つ合わせたもの、全社での営業収益及び営業利益も第2四半期に続き、連続で過去最高収益、過去最高利益をマークしております。非常に順調といっていいのではないかと思っております。
販管費の使用を一部先送りして、第4四半期に販管費が増加する予定ですので、通期の営業利益は開示した通り10億円となる見通しでございます。
主要指標は顕著に推移をしておりまして、クチコミ数もWeb履歴書も順調に集まっています。また、コーポレートアクションとして、自己株の取得をしております。5億円ほど、当社のサイズ感としては大きな自己株取得をさせていただいて、これからのオープンワークの成長に活用していきたいと思っております。
会社概要
エグゼクティブサマリーが終わりましたので、改めてオープンワークの決算の説明をさせていただきます。初めての方もいらっしゃると思いますが、簡単に説明しますと、オープンワークは転職就職のための情報プラットフォームOpenWorkを運営している会社でございます。従業員数は122名となっております。
当社のコーポレートスローガン、ミッションの大事な部分を取り上げると、この働きがいというところになっていて、日本の働きがいは世界でもかなり最低水準になっていまして、ここに伸びしろがあるというふうに当社では考えております。
人々が働きがいを持って働く上では、いろんな課題がまだまだありまして、その中でももちろん103万円の壁とか、いろいろ今話題になっていますが、私たちは情報の透明性というのが一つ課題だというふうに考えています。入社する前までその会社のいいところが分からない、その会社のいいとこしかアピールしないような求人広告が蔓延していると、こういった状態を変えていき、もっと求職者側に寄り添った、求職者と企業が対等に渡り合えるようなプラットフォームを作っていきたいということで、オープンワークという会社、そしてサービスを立ち上げました。
主力事業は大きく2つになっていまして、OpenWorkというのは日本最大級の社員クチコミ情報サービスで、ユーザーが677万人となっています。日本で一番大きいダイレクトリクルーティングサービスを運営している他社は、ユーザー数200万人程度で、実はその3倍をもうすでに保有している大きなプラットフォームになっています。
その中で転職していい、就職していいという方がWeb履歴書を登録しており、そのWeb履歴書に対して求人やスカウトを送ることができる企業様向けのサービスがOpenWorkリクルーティングとなっていまして、契約社数が3,500社、契約いただくと求人や会社情報を載せることができ、クチコミと合わせて求人も見たいユーザーが増え、ユーザーの中から転職したい人は履歴書を登録し、OpenWorkリクルーティングを使う企業が増え、また企業情報が増えていく、相互にポジティブな影響を及ぼしながら成長していっているというのが、OpenWorkとOpenWorkリクルーティング、当社の2つの主力事業となっています。
こちらは既にご覧いただいた方が多いと思いますので割愛をさせていただきたいと思います。OpenWorkとは何か、OpenWorkリクルーティングとはどんなサービスかということが気になる方は、ぜひこちらをご覧いただけますと幸いでございます。
また、クチコミデータを新たな社会課題解決に活用するオルタナティブデータサービスというのを、当社その他セグメントにはなりますが、新規事業として立ち上げております。新規事業とはいえ、もうだいぶお客様が増えてきております。
FISというのは、当社のクチコミデータが株価や業績と相関があるというのが、いくつかの査読付きの論文で明らかになっていますので、こちらを活用して国内外の資産運用会社に加工したデータを提供するようなデータビジネスを行っています。
一方、こちらは今年もすでにHR系のコンペで2つ受賞しているものになりますが、社員クチコミを分析して企業の組織改善であったり、またIRなどにも活用、人的資本情報の開示の一つに活用いただくDAPデータアナリティクスプラットフォームというクチコミを分析するレポートサービスをスタートしております。こちらはまだテスト段階ではありますが、すでに多くの企業様にご導入をいただいていて、採用サービスに比べて大きな売上にはならないかもしれませんが、徐々に企業様の導入が進んでいっているものとなっています。
主力事業OpenWorkとOpenWorkリクルーティング、またオルタナティブデータサービスを含むその他サービスの3つから、当社の事業系統図は成り立っております。
2024年12月期第3四半期決算概要
では改めて2024年12月期の第3四半期決算概要について説明をいたします。先ほどご説明した通りではございますが、第3四半期単独で営業収益も営業利益も過去最高となっていますし、この累積でも第3四半期という時点では、営業収益、営業利益ともに過去最高益をマークしております。
OpenWorkは、これは過去ご覧いただいた方はご存知だと思いますが、そこまで伸ばしていく計画はなく、できるだけOpenWorkリクルーティングの方にユーザーを集めていきたい、履歴書を増やしていきたいという考え方がございますので、現状維持とほぼ前期比0.8%減ということで想定内の着地となっております。
一方でOpenWorkリクルーティング採用のサービスに関しましては、前期比31%ということで、一時期この前期比の成長がやや伸び悩んだ時期もあったのですが、再成長フェーズに入ってきたかなというふうに捉えていただければと思っています。採用は非常に活況でございますし、やはり個人に寄り添って、その企業の実態というのをオープンにしていきながら、企業と個人がフェアに採用し合っていく、就職活動をしていくというところが受け入れられて、OpenWorkリクルーティングは他の企業に比べてもまだ力強く成長している、再成長し始めたというフェーズにあるかなと思っております。
エグゼクティブサマリーと損益は先ほど説明したので割愛をいたします。
参考になりますが、通期予想に対する進捗状況はおおむね順調と捉えていただければと思います。営業収益もすでに77.9%、営業利益も92.2%まで来ていますので、ガイダンスは変えずにこのまま通期を走り切れればと思っています。
業績推移も先ほど説明しましたので割愛しますが、OpenWorkリクルーティングが過去最高を更新しているというところが一つトピックスかと思っております。特に昨年は、季節要因等もあって第3四半期、第4四半期は少しへこみやすいのですが、今年は第2四半期に比べて第3四半期もさらに伸ばしているというところが、OpenWorkリクルーティングがまた力強い成長し始めたということを示しています。
契約社数、累計のWeb履歴書の登録者数も順調に増加をしており、3,500社、126万人を突破しています。
登録ユーザー全体も677万人、社員クチコミ評価スコアの数も1,790万件と、これはクォーターごとに伸び幅が異なる時期もあって、前クォーターよりやや低いと思われるかもしれませんが、就活生の登録が少ない時期があったりと季節要因もありまして、いつもの年の季節と比べるとおおむね想定通り、もしくはそれよりやや上回った程度の伸び率を示してくれました。
広告費用に関しましては、第1四半期に大きくマス広告に投資していましたが、第2四半期、第3四半期はそこを控えておりまして、また第4四半期にそこを一定使っていくというところです。
人件費に関してはしっかりと採用ができておりまして、優秀なメンバーが増えてきていますので、その分人件費が計画通り増加しているという形でございます。
営業利益の増減要因は、順調に増収した分から主に採用による人件費増を引いた分で、ただ結果としては過去最高益をマークしているものになります。
最後になりますが、コーポレートアクションとして自己株式の取得というのを行っております。今後の資本戦略を機動的に行うための自己株式の取得ということで、約5.5億円、当社としては非常に大きなアクションを取らせていただいております。これを元に当社の企業価値をさらに上げていければと思っております。
何度も聞いた話が中心になりましたので、本日は過去話したところに関してはスピーディーに説明させていただきまして、どちらかというと非常に順調に今業績が推移しているということ、そして新しくコーポレートアクションを取ったということ、しっかりと企業価値を上げていく動きをしているということを中心に今日はお話をさせていただきました。
私からの決算説明は以上とさせていただきまして、皆様からのご質問に回答していければと思っております。
ご清聴ありがとうございました。
質疑応答
Q. OpenWorkリクルーティングについて質問です。企業が直接登録ユーザーにアプローチするパターンと人材紹介エージェントが間に入るパターンがあると理解しています。件数としてはこの直接アプローチのパターン、人材紹介のパターンどちらが多いのでしょうか。また成功報酬は人材紹介エージェントの場合は80万円より安いのでしょうか。また会社としてどちらかを増やしたいといった意向や人材紹介エージェントを内製化する気はありますか。
A. 企業様が直接登録ユーザーにアプローチするパターンと人材紹介エージェントが間に入るパターンの比率については、非公開となっております。ただ目安としてはおおよそ半々程度となります。ただし収益面で見ますと、ダイレクト(企業が直接登録ユーザーに対してアプローチする方法)の方が若干売上が高くなっています。
成功報酬については、ダイレクトの方が収益としては大きくなっています。エージェントの方が単価としては少し下がる傾向にありますが、エージェント様の決定したユーザー様の理論年収に応じて企業様に請求する費用が変わっているケースが多く、それに対してマージンをいただくモデルになっていますので、一概に80万円より安いというわけではありません。エージェント様がお支払いいただく方が高いケースもありますし、低いケースもあります。ただ平均で見ると、企業が直接という方が高くなっており、エージェントの方がやや低くなっています。
今後の方向性について、内製化については検討したこともありますが、エージェントを自社だけで行うのは難しいと考えています。また、企業直接かエージェントかという二者択一の問題ではないと考えています。両者バランスよく増やしていくことが重要だと思っています。
日本では自分のキャリアを自分で考えていくことが得意な人があまり多くないという意味で、人材紹介エージェント様が果たす役割は非常に大きいと考えています。キャリアの相談に乗ったり、転職のことを社内や他の人に相談しにくい時の相談先になったり、職務経歴書の書き方のサポートなど、エージェント様が価値を発揮できる場面は多いと思っています。そのため、企業が直接採用するところもエージェント様がサポートするところも、バランスよく増やしていくことが重要だと考えています。
Q. OpenWorkリクルーティングが今非常に勢いよく成長していますが、成長のボトルネックとなっている点がありましたら教えてください。
A. 一番のボトルネックは知名度・認知度の問題だと考えています。認知度には2つの側面があります。1つは単純にOpenWorkを知っているかという知名度の問題、もう1つはどう認知されているかという点です。現状ではクチコミサイトとしてOpenWorkを認知している方が多く、テレビCMなどを通じて転職サイト・就職サイトとしてのOpenWorkの認知度も徐々に上がってきており、この1年で数パーセント高くなってきましたが、業界のナンバー1、2、3の企業と比べるとまだまだ大きな差があります。
当社は良いサービスを作っているという自負がありますので、ユーザーの皆様や企業の皆様が転職や就職、良い人材を採用するならOpenWorkだと第一に想起していただけるようになれば、使ってみて本当に良いサービスだと思う人が増えていくと思います。そしてリピートが増えて、また使っていただき、収益が上がっていくと考えています。一番の課題は知名度という点が、当社の引き続きの成長課題の一番の焦点になっているかと思っています。
Q. 今の1位2位3位のサービスに比べて知名度などをとられているというお話をされましたが、OpenWorkリクルーティングは業界何位くらいで、だいたいシェアとしては何パーセントくらいで、シェアは今徐々に拡大しているというイメージでしょうか。それとも業界が大きくなっているから売上が伸びているというイメージなのでしょうか。
A. どの領域での切り方にもよりますが、例えばダイレクトリクルーティングという領域でいくと、圧倒的に一番大きな会社はビズリーチのビジョナル様になります。ただ実はダイレクトリクルーティングという領域でいくと、2位3位というのは結構詰まっているといいますか、多くの企業があります。
OpenWorkリクルーティング単体でいくと、売上が今年のガイダンスで20数億円くらいとなります。これはダイレクトリクルーティングの市場から見ると、まだ数パーセント程度のシェアとなっています。そのため、まだまだシェアを他社からしっかりと奪っていくこともできると考えています。
ダイレクトリクルーティング自体の市場も大体数パーセント後半、一桁台の後半で10パーセントまでは至っていませんが、そのくらいの成長をしています。そのため、市場自体が伸びているということと、OpenWorkのダイレクトリクルーティングサービスが他社からシェアを少し奪えているという、両面で成長できていると考えています。
Q. 第3四半期の説明資料に「OpenWorkの減収は戦略的要因で想定内」とありますが、戦略的要因について詳しく教えていただけないでしょうか。また、月額料金を値上げした第3四半期のOpenWorkセグメント売上が値上げ前の第2四半期と同じである(0.8%減)のは、値上げ分増収になっていないのは想定内なのでしょうか。
A. 当社の事業系統図を見ていただくと、当社の収益はOpenWorkとOpenWorkリクルーティングの二つが非常にメインになっています。OpenWorkリクルーティングの収益は、ユーザーの皆様が職務経歴書や履歴書を登録いただき、そこに対して企業様やエージェント様がスカウトや求人を送っていただき、採用決定した際に当社に成功報酬をいただくというモデルになっています。この履歴書の数が増えていけばいくほど、活性化していけばいくほど、OpenWorkリクルーティングの収益性が上がっていきます。
かつては人生で1回しか転職しないという時代でしたが、現在は人生の間で数回転職するというのが当たり前になってきている中で、履歴書を貯めていくというのはストック型まではいかないものの、そのまま流していくフロー型に比べて収益が繋がりやすくなっています。当社の成長性は説明資料でも出していますが、大きく売上が右肩上がりに積み上がっています。
戦略的と言っているのは、OpenWorkではクチコミを見るために提携企業に広告としてユーザー様をお渡ししていくフロー型のモデルよりも、履歴書をOpenWorkに登録いただいて人生の間で何回か転職する際にOpenWorkリクルーティングを活用いただくというモデルのほうが、長期的な目線でいくとしっかりと収益貢献性が高いということです。これが戦略的要因となっています。
月額課金値上げについては、想定通りです。OpenWorkの会員課金を値上げすると、1,800円は高いので支払いをやめようというユーザーが出てきます。しかしクチコミを見たいという気持ちは変わらず、そこから履歴書を登録いただいたり当社のクチコミを書いていただいたりして、当社のデータベースが増えていき、そこからまた収益化につながっていきます。値上げした分、会員課金ユーザーは少し減っていますが、総額でいくとほぼ同額というのはまさに想定内、ほぼ計画通りに着地したと捉えていただければと思います。
Q. 個人投資家の株主&サービスの利用者です。自身にある企業の検索機能など様々な機能を開発されていると思うのですが、どの機能も大きなPRもなく階層が深かったりして、株主な有識者でない限り一般ユーザーは認識できない位置にある気がしています。改良はしてPRが特にいなかったのでいつの間にか機能が増えていて、それがうまく活用されていないのではということですか。新機能のPRを行わなかったり、そのように機能配置しているのは何か理由があるのでしょうか。
A. まずご提案に感謝申し上げます。利用いただき、また株主としても応援いただいていることを大変嬉しく思います。
ご意見に対してですが、PRしている機能もございます。最近の例でいうと、気づいた方も多いと思いますが、かなりのPVになっているタブに質問タブという新機能ができました。ユーザーの皆様がその会社に在籍している人、もしくは在籍していた人に質問ができるようになり、そうすると、OpenWork上でその会社に在籍していた、もしくは在籍している方に質問が届くようになっております。最新の会社情報や、面接では聞きにくいことなども質問できるようになっています。これに関しては階層としては浅いところに配置させていただいており、機能によってはしっかりとPRを行っています。
例えば当社でHR大賞を取ったクチコミ分析レポートに関しても、もう少し目立つところに記載を検討しております。一方で、ご自身の価値観に関するクチコミが書いてある会社からスカウトを受け取りたくないとか、自分に合う会社を探すための機能などは、階層が深めにあります。
これは、ユーザーの皆様の体験が良くなっているかどうかというところで判断しています。体験が良くなっている機能はしっかりと表に出していきますし、まだ改善が必要なものやテストをしながらより良くしているタイミングのものは、少し階層を深くしながら、ユーザーファーストで、ユーザーの皆様にとって本当に使いやすいものを使いやすい場所に配置していくというポリシーがあります。
ただ、ご指摘いただいている通り、せっかく良いものを作っているのだからもっとアピールしていくべきというご意見だと思いますので、こちらに関してはしっかりと広報であったりPRを、私自身も最前線に立って頑張っていきたいと考えています。
Q. ダイレクトリクルーティングサービスということでスカウトが届くのですが、求職者の体験としてはクチコミを見れる場合は、他社のダイレクトリクルーティングサービスと変わらず、OpenWorkの良さが活かされていないと思います。クチコミとスカウトの関係を足し算ではなく掛け算にできれば、OpenWork独自の求職体験が確立でき、登録者数が爆発的に伸びるのではと思うのですが、そのような戦略を考えていますでしょうか。例えば、AIエージェントにより求職者が企業に求めるポイントのヒアリングや、スカウトが来た企業に対し、求職者の求めるポイント観点でクチコミのサマリーを一番最初に表示するなど、AIを使って実装できると思います。
A. まず具体的な例も含めてご意見をいただき、ありがとうございます。素晴らしいご提案だと思います。
詳細はお伝えすることはできませんが、結論から申し上げますと、当社の一番の強みは自然言語のクチコミデータを保有していることです。ご提案いただいた掛け算による圧倒的な差別化をするサービスについては、企画を進めている段階です。これはABテストをしっかり実施し、パフォーマンスが出た時に日の目を見ることになると思います。
当社にしかできない採用の体験であったり、企業様にとっても求職者様にとっても新しい体験を作っていけると考えています。それが日本の働きがいや自分の働く、そしてキャリアの考え方を変えていくことにつながると思っていますので、いずれ発表できると思います。
Q. OpenWorkリクルーティング事業が伸びている印象がありますが、日本の労働人口は今減っている状態です。今のOpenWorkリクルーティングが属している市場は伸びている成長する市場なのでしょうか。
A. OpenWorkリクルーティング事業はもともと伸びていましたが、その伸び幅がさらに大きくなり始めたところです。他の企業のサービスと比べても成長率を見ていただくと、OpenWorkリクルーティングの成長幅が高いということがご理解いただけると思います。
お知らせの通り日本の労働人口は減少していますが、なぜ増えているかということについて、最近特徴的なのが人手不足による倒産が今年も過去最高の数に達しようとしていることです。人手不足は全体的に存在しており、優秀な人材の奪い合いになってきています。
また、個人側も転職するのが当たり前の時代になってきているため、労働人口が減少しても企業は人材を奪い合い、そこは過熱化していきます。一人当たりの転職回数が増えていっているため、そういう観点でいくとまだまだ市場全体が伸びていくのは必然だと考えています。
いくつかのシンクタンクが出している転職マーケットに関する予測でも、2030年くらいまでの予測で年数パーセント単位での成長が見込まれており、市場全体もまだまだ伸びていくと考えています。
Q. 登録ユーザーは日本人のみなのでしょうか。それとも日本在住の外国人、日本語ができる前提も含まれているのでしょうか。
A. 外国籍の方のユーザーと転職成功者の内訳は明確にはお伝えできませんが、一部に外国籍の方も含まれています。日本語ができる方はもちろんですが、日本語ができない方、日本在住で日本語ができない方の採用もあります。
これは当社というよりも、今はエンジニアやデータサイエンティストを中心に、社内が英語でお仕事をされている会社も多くなってきています。私も時々自社の採用を自分で行っていますが、レジュメが全部英語で登録されている外国籍の方もいらっしゃいますし、日本人の方もいらっしゃいます。さらに求人の方も英語で登録されていて、スカウト文面も英語で来ることもあります。これは企業様の方針によりますが、そういったケースもあります。
内訳や実際の数値に関してはお伝えできませんが、伸びしろという意味では、この領域への対応を進めていくことは重要だと考えています。例えば、時々ユーザー様からクチコミの英訳などの要望をいただきますが、これは翻訳系のサービスが今たくさんありますので、ある程度簡単にできると考えており、その辺りは検討の余地があると思っています。
Q. OpenWorkセグメントの中で「当サービスはOpenWorkリクルーティングへの送客とバランス調整により営業収益はおおむね維持の方針としております」とありますが、これは一定数の月額会員をWeb履歴書登録の方に振り向けたいという意味なのでしょうか。
A. シンプルに回答するとその通りですが、背景としてはユーザーの皆様の満足度を高めることとOpenWork全体での収益化を最大化することがあります。例えば、OpenWorkに履歴書を登録いただいても、当社でまだ求人数が十分に用意できていない層に関しては、提携先の企業様にご紹介させていただいた方が、そこでの転職体験も生まれますし、当社の収益も最大化されていきます。
また、先ほどのOpenWorkリクルーティングは当社の中で履歴書が溜まってストック型になっていくという意味で、短期的な収益と長期的な収益の積み上がりの最大化、そしてユーザーの皆様の満足度を高めていくという観点で、一定のバランス調整をしているとご理解いただければと思います。
Q. 御社は業態から第2四半期が業績のピークになると考えていたと思いますが、今期は第3四半期が第2四半期を大きく上回っています。この要因を教えてください。また、この第2四半期より第3四半期が強いという傾向は来期以降も継続すると考えてよろしいでしょうか。
A. 業態からは4月が含まれるクォーターというのが、人材の転職業界では収益の最大化が起きやすいタイミングで、第2四半期が最大化するのが一般的です。来期については何とも言えませんが、基本的には第2四半期に山が来るのではないかと考えています。
第3四半期が大きく上回った理由は大きく2つあります。1つはテレビCMをしっかり投下して認知度が少しずつ上がってきていることと、プロダクトの改善も進んできていることで、マッチング率が上がっていったことです。もう1つは、アップセル商材としてスペシャルスカウトという、特別なスカウトを送れるサービスをスタートしており、まだ販売を絞りながら展開していますが、企業様から使いたいという声をいただき、そういったアップセル商材も効果を発揮しました。これらは昨年にはなかった要因で、プロダクトの改善が進み、認知度が上がったことで第2四半期を超えることができました。
第4四半期に関しては一般的に考えると一番鈍化していくタイミングですので減少すると考えていますが、ガイダンスの通りの着地になると考えています。
Q. 8月の説明会で自社株買いについて社長が流動性の観点から慎重に検討していくべきと説明して終えたのに、なぜ今回5億円の自社株買いに至ったのでしょうか。経緯など差し支えない範囲で教えてください。
A. 考えは全く変わっておらず、流動性は配慮すべきですので、今回もしっかりと流動性のところを配慮した上で判断しました。ただし、現在の株価は私は到底納得できないものであり、自社株を取得してそれを最大限に活用できるような価格感であったということもありましたので、今回そのあたりのバランスを取れる規模に設定させていただきました。そのため、流動性の観点も配慮しておりますし、自社株取得できるチャンスだったということで実施を決定しました。
Q. 売上や営業利益にブレが生じる気もありますが、売上や営業利益を一時的に変動させる要因があれば教えてください。また、成長のために積極投資が必要な事項があれば教えてください。
A. 広告のところ以外の変動要因でいうと、最も大きいのは社会情勢の変化です。これは起こるかどうか分かりませんが、2020年のコロナ禍の時のように、当社だけでなく人材業界全体が苦しい状況になることがあります。何らかの社会情勢の変化で採用各社が一気に控えるような事態が発生すると、売上も利益も大きく変動する可能性があります。景気感応度が一定程度高いビジネスだと考えています。
そのために、OpenWorkの会員課金であったり、定期送客、オルタナティブデータのようなビジネスも始めて、景気感応度の高低のポートフォリオを組んでバランスを取るようにしています。
成長のための積極投資が必要な事項については、広告系はもちろんですが、事業成長のためにセールスもプロダクトも、まだまだ人材投資が必要だと考えています。優秀な人材、特にAIをもっと活用していくためにはデータサイエンティストもさらに必要ですし、そういった人材への投資も積極的に行っていくべきだと考えています。
現状の採用については、私は欲張りなのでもっともっと優秀な人材を集めていきたいという意味ではまだまだですが、社員数が順調に増えているところを見ていただいても分かる通り、非常に順調に採用は進んでおり、優秀なメンバーが集まってきています。もちろん高みは目指していきますが、順調に進んでいると捉えていただければと思います。
Q. クチコミサイトでは飲食店のクチコミサイトが先行事例として意識されます。飲食店のクチコミサイトと比較して強みなどありますでしょうか。また、飲食店のクチコミサイトはGoogle、インスタ、LINEなど外資系も役割を担ってきた印象ですが、多分野で多数のユーザーを有する企業が同様のサービスを行っていくケースについて対策や参入障壁などがありましたら教えてください。
A. 非常に興味深いご質問です。当社の事業を紹介する際に「HRにおける飲食店のクチコミサイト」という例をよく使うので、このようなご質問をいただくのは当然だと思います。
飲食店のクチコミサイトとの比較という意味では、まず弱みでいうと、飲食店ほど頻繁に利用する機会がないため、クチコミの数は集まりにくいという点があります。毎日転職するわけではありませんので、ライフイベントとして転職は人生の中で数回程度です。飲食店に行くのは1000回に1000回という人もいると思いますが、そこは当社の弱みでもあります。
ただ一方で、それだけ濃いデータを集めることができます。1回の転職の際に、人は非常に多くのことを考えます。どういうことが今納得いっていないのか、自分のキャリアをどうしていきたいのか、報酬はどうかなど、様々な要素を検討します。そのため、飲食店のクチコミに比べて非常にリッチな内容が書かれており、1つ1つのキャリアのクチコミは非常に価値のある情報となっています。それをどうやって価値ある情報にするかということについては、創業以来かなりの投資を行ってきています。
もちろん外資系企業が同様のサービスを展開してくる可能性はありますし、実際に海外のクチコミ会社が日本に進出するケースもありますが、うまくいっていない印象です。皆様も多分名前を聞いたことがないと思いますが、このような事業は参入障壁が高いのです。最初から情報が多く集まっているところにユーザーが集まり、そこにまたユーザーが来てしまうため、参入障壁が結果的に高くなってしまいます。ユーザーを持っていたとしても、なかなか逆転することが難しい市場になっているというのが、この社員クチコミサイトの参入障壁の特徴だと考えています。
Q. 将来のM&Aを考えていますか。
A. 手元キャッシュの使途の選択肢としては優先度は高いと考えていますが、具体的なことはお伝えできません。
Q. 先日の自社株買いのリリースで上限が90万株で取得総額5.5億円と考えています。単価に直すと611円となりますが、この単価に何か意味合いがあればご教示ください。
A. 意味合いというよりも、自社株買いを決定した時点の株価と実施期間の株価を想定して見積もった結果として出した金額となっております。
Q. 第3四半期になりまして、Web登録者数やクチコミに対して変わらず増加傾向となっておりますが、特段OpenWorkの値上げによる目立った流入もないように見えますが、想定内なのでしょうか。
A. 値上げによる会員課金の減少については、減少したといっても、だいたい履歴書の数が数万人伸びたというグラフがある中で、月単位でいうと1,000人程度の減少というレベルです。そのため、小数点0.1%程度のレベルで、そこの人が全員履歴書登録したとしても、グラフに現れるような大きな数にはなりません。
また、Web履歴書の新規登録者数では、既存の会員でこれまでは料金を支払っていた人が、履歴書の更新をしようという形に変わることもあります。そのため、累計の履歴書登録数には影響してこないものの、いわゆるMAU(月間アクティブユーザー)のような指標には影響してきます。グラフだけを見るとそういったミスリードを生む可能性がありますが、しっかりと会員の活性化にはつながっているということで、想定内と考えています。
Q. 最近御社のCMもよく見るようになりましたが、広告宣伝費の総額に関して今後も増加させていく予定なのでしょうか。
A. 見ていただきありがとうございます。現在11月、12月とCMを展開しており、エリアを絞って実施しているため、エリアによっては見ない方もいらっしゃると思います。
増加については、効果をしっかりと検証しながら、現在放映しているエリアで最も効果が出ているところを確認し、効果測定を行いながら実施していく予定です。規律を持って広告宣伝費の増加を進めていきたいと考えています。
Q. 利用者は転職ではなく株式投資の参考に利用しているだろうという利用者はたくさんいるのでしょうか。
A. 全体の比率でいくと、かなり少なく1%に満たない程度だと思います。ただ、一定数そういうお声をいただくことがあり、感謝のお声もいただいています。数万人単位ではいると思いますが、それがマジョリティかというとそうではありません。
投資家の皆様へ
まずは、遅くまでご参加いただき、誠にありがとうございました。
当社に継続的にご関心をお寄せいただいている皆様、また新たにご興味を持っていただいた皆様に、心より御礼申し上げます。
当社はまだまだ大きな成長の余地がある会社だと確信しております。私自身、この会社の未来に大きな可能性を感じ、日々わくわくしながら業務に取り組んでおります。今後とも、ご期待いただければ幸いです。
いつも申し上げておりますが、当社を応援していただけそうとお考えの方は、まずは是非OpenWorkを一度ご利用いただければと存じます。実際にご利用いただくことで、その真価を実感していただけるものと確信しております。
ご利用いただいた上で、当社の事業に興味を持っていただけましたら、末永いご支援を賜りますと幸いでございます。
本日は、長時間にわたりご参加いただき、誠にありがとうございました。