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10月24日発表の東証プライムの好決算銘柄2社(修正を除く)
【信越ポリマー <7970>】
財務状況
• 売上高: 54,737百万円 (前年同期比2.4%増)
• 営業利益: 6,922百万円 (前年同期比17.7%増)
• 経常利益: 6,633百万円 (前年同期比3.6%増)
• 親会社株主に帰属する中間純利益: 4,589百万円 (前年同期比0.6%減)
• 自己資本比率: 80.7% (前期末: 80.0%)
ポジティブな要素
• 売上高は前年同期比で増加し、営業利益も大幅に改善。
• 特に精密成形品事業が堅調で、営業利益は前年同期比26.5%増。
ネガティブな要素
• 親会社株主に帰属する中間純利益はわずかに減少。
• 住環境・生活資材事業では13.7%の売上減少。
業界での優位性
1. 多角化した製品ラインアップ
• 信越ポリマーは、電子デバイス、精密成形品、住環境・生活資材などの多様な事業分野で展開しており、特に精密成形品分野や自動車関連の製品で高い競争力を持っています。これにより、業界全体の景気変動に対するリスク分散が図られています。
2. 半導体産業との関連
• 半導体関連の製品が主要な収益源の一つとなっており、近年の半導体需要の増加を受けて、生産能力の拡大が進んでいます。半導体製品の供給能力の強化により、信越ポリマーはこの分野での競争力を確固たるものとしています。
3. グローバル市場でのプレゼンス
• 同社は、欧州・米国・アジア市場で幅広く展開しており、特に円安を追い風にした日本企業の輸出力強化の恩恵を受けています。自動車産業の回復とともに、関連部品の需要が高まり続けており、世界規模での事業展開が企業の強みとなっています。
4. 技術開発力
• 新規事業製品の開発に積極的であり、例えば車載デバイス向けの熱対策製品など、次世代の需要に対応するための技術力を持っています。特に自動車産業向けの新技術に注力することで、今後の成長が期待されています。
投資する選択肢として
1. 安定した成長性
• 同社の売上高は前年同期比で堅実に増加しており、特に精密成形品事業における高い成長率(26.5%の営業利益増)が顕著です。この分野の需要は今後も拡大が予測され、安定した成長が見込まれます。
2. 高い自己資本比率
• 自己資本比率が80.7%と非常に高く、財務基盤が安定しているため、経営の柔軟性が高いと言えます。このような強固な財務基盤は、長期的な成長をサポートし、リスクに対する耐性も高い点が投資家にとって安心材料です。
3. 配当利回りの魅力
• 同社は安定した配当政策を維持しており、2025年3月期も中間・期末ともに高い水準の配当を予想しています。配当予想が増額修正されたこともあり、長期的な株主還元を期待できる点は魅力です。
4. 自動車産業との強い連携
• 自動車関連デバイスの需要が拡大しており、特に自動車の電動化や先進技術に対応した製品の開発が進んでいます。電動車や自動運転技術の進展に伴い、関連部品の需要が今後も伸び続けると予測され、これが長期的な成長エンジンとなります。
これらの要素により、信越ポリマーは業界内での優位性を維持し、投資家にとって魅力的な成長の機会を提供している企業と言えるでしょう。
【未来工業 <7931>】
財務状況
• 売上高: 22,363百万円(前年同期比3.1%増加)
• 営業利益: 3,468百万円(前年同期比6.6%増加)
• 経常利益: 3,544百万円(前年同期比6.6%増加)
• 親会社株主に帰属する純利益: 2,398百万円(前年同期比6.4%増加)
• 自己資本比率: 79.2%(前年同期は78.9%)
ポジティブな要素
• 売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する純利益はそれぞれ過去最高を記録。
• 配線器具や電材が堅調に推移し、特に「ミラフレキSS」などの製品が好調だった。
ネガティブな要素
• 建築業界全体の厳しい状況の影響を受け、非住宅建築物の着工数や床面積が減少。
• 原材料単価の上昇が利益に影響し、コスト面での課題が残る。
投資する選択肢として
1. 製品開発力と技術革新
未来工業は、電気設備や配管材料の分野で多様な製品を展開しており、作業効率を高める省力化製品の開発に力を入れています。特に、「ミラフレキSS」や「ミラレックスF」など、施工性に優れた製品が市場で高い評価を得ています。このような製品開発力は、競合他社に対する大きな優位性です。
2. 安定した業績と財務基盤
過去4期連続で売上高を伸ばし、今期も過去最高の営業利益と経常利益を達成しています。自己資本比率も79.2%と非常に高く、財務面での安定性が確保されている点は、長期的な成長を期待する投資家にとって大きなメリットです。
3. 多様な製品ラインアップと顧客基盤
電材、管材、配線器具など、幅広い製品ラインを持ち、特に建築現場や電気工事分野で強い支持を得ています。また、価格改定を迅速に行うことで、コスト上昇に対応し、収益性を維持しています。
4. 市場シェアとブランド力
未来工業は、特定の分野で高いシェアを誇るため、業界での影響力が強いです。また、長年にわたって築き上げた信頼性の高いブランドは、新製品の導入や市場拡大にも有利に働きます。
5. ESGへの取り組み
企業としての環境・社会・ガバナンス(ESG)への取り組みが評価されつつあり、持続可能なビジネスモデルの構築に注力していることは、今後ESGを重視する投資家にとってのメリットとなります。
投資メリット
• 安定した成長: 継続的な増収増益を実現しており、長期的に安定したリターンが期待できます。
• 高い自己資本比率: 財務的に健全で、リスクが比較的低いため、リスクヘッジの一環としても有効です。
• 市場拡大の余地: 省力化や技術革新が進む中で、さらなる製品展開や海外市場での成長が見込まれます。
このように、未来工業は業界内での強固な地位と安定した財務基盤を持つ企業として、投資する際の大きな魅力を提供しています。