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【本紹介vol.008】 君が夏を走らせる

だから、一ヶ月、こいつの面倒見てくれたらいいってこと

中武先輩

君が夏を走らせる

『君が夏を走らせる』
瀬尾 まいこ 著

今回紹介する本は最近カベッ氏がハマっている瀬尾まいこ先生の『君が夏を走らせる』です。上記新潮社公式サイトから試し読みができるので、一度ご覧になっていただけると幸いです。

「どういうことっすか?」あまりに驚いて声を上げずらせるのに、先輩は、「だから、一ヶ月、こいつの面倒見てくれたらいいってこと」と平然と言った。
「こいつって・・・・・・」目の前には子どもがちょこんと座って、おもちゃの車を動かしている。

君が夏を走らせる 1

中学時代の思い出を引きずり、怠惰な高校生活を送っていた大田。そんな大田のもとに先輩から、夏休みの一ヶ月間限定で一歳十ヶ月の女の子 鈴香のベビーシッターのアルバイトを頼まれた。金髪にピアス、乱暴な言葉使いな大田と鈴香が過ごすひと夏の奮闘記。

この本を読んでの感想ですが、『あと少し、もう少し』を読んでおけばよかった。。。!!です。
というのもこの物語の主人公 大田は瀬尾まいこ先生の小説『あと少し、もう少し』に登場するヤンキー中学生の大田君とのこと(同書を読んでいないので説明ができない。。。)。
きっとこの本を読んでいる方なら、カベッ氏では感じられなかった思いや感動があったのかな?と思いました。

あと少し、もう少し

ですが、安心してください。
前作を読んでいないカベッ氏ですが、この本はとても面白いと感じることができました!

ひょんなことから、鈴香のベビーシッターとなった大田ですが、戸惑いながらも、何とか鈴香のお世話をしようと奮闘しますが、努力虚しく、鈴香は泣くばかり。お気に入りのシールにDVD、虎の子のビスコまで持ち出し機嫌を取ろうとしますが全く歯が立たず。。。そんな姿を見ているとカベッ氏はまだ子どもはいないんですが、もし自分が父親になったらこんな感じなんかな??と少し感情移入してしまいました。。。

ですがそんな中、意外にも料理が得意な大田がおもちゃのフライパンを駆使して何とか機嫌を取ることに成功。それからというもの得意な料理をふるまったり、公園に遊びに出かけたり、中学時代駅伝選手にも選ばれた自慢の俊足で鈴香をおぶって走り回ったり、だんだんと鈴香との関係が深まっていく姿が本当の親子を見ているようで心が暖かくなりました。

しかしながら、一ヶ月限定のアルバイト。
終わりが近づくにつれて、想いを馳せる大田。そんなことは知らず無邪気に笑う鈴香。そのコントラストが切なくも美しくほっこりとした作品だなと読み切って感じました。

この本では大田と鈴香にメインスポットが当てられておりますが、なぜ鈴香の両親は大田にしか頼れなかったのか?なぜ大田は高校で荒んでしまったのか?そして大田の恋の行方は??と気になる伏線のようなものが多くありました。その部分については多くは語っておらず、読者のカベッ氏目線だと、「気になる!!」というのが多くありました。

もしかすると、『あと少し、もう少し』『君が夏を走らせる』と同様に別の作品で補完されるのでは!?と淡い期待を抱いています笑

この本は文庫本サイズで359ページあり、ページ数としては一般的な量かなと思える本でした。3〜4時間ほどで読み切れる作品となっているので、お休みの日などを活用してコーヒー片手に読書タイムをしてみてはいかがでしょうか??

今回はこの辺りで終わりたいと思います。
次回のnoteでお会いしましょう。それでは皆さんおやすみなさい。


PS 落ち込んだ時は松岡修造が特効薬です。




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