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【本紹介vol.003】 そして、バトンは渡された

困った。全然不幸ではないのだ。少しでも厄介なことや困難を抱えていればいいのだけど、適当なものは見当たらない。

 森宮優子

子供頃に想像していた30歳の自分と、現実の30歳の自分が月とすっぽん、いや、月とかなだらいほど差がついてしまって、頭からかなだらいが落ちた気分のアラサーサラリーマン カベッ氏です。

『そして、バトンは渡された』
瀬尾 まいこ 著

今回紹介する本は2019年本屋大賞を受賞し、翌々年の2021年に映画化もされた、瀬尾まいこ著『そして、バトンは渡された』です。
上記、文藝春秋公式サイトより、試し読みができるので、この記事で気になった方は是非読んでいただけたら嬉しいです。

困った。全然不幸ではないのだ。
少しでも厄介なことや困難を抱えていればいいのだけど、適当なものは見当たらない。
いつものことながら、この状況に申し訳なくなってしまう。

そして、バトンは渡された 第1章 1

主人公の森宮優子は父親が三人、母親が二人、家族形態が七回も変わった高校二年生で、進路面談中の優子の脳内感情から物語がスタートします。

こんな家庭環境なら心に深い傷を負っているじゃないか。から元気で日々を過ごしているじゃないかなど、色々と妄想をしてしまいますが、当の本人はのんきに日々を過ごしています。

この本を開いた人はきっと、優子は半ば人生を諦めてしまっていて、心ここにあらずな状態。若しくは自分が何者かわからず、ただ空の上から自分を俯瞰して見ているから、こういった性格になってしまったのではないかと考えてしまいますが、本当にただ日々を不自由なく過ごしているだけで、優子自身の感情と、読者を含めた優子以外のある種の同情の感情にギャップを感じ戸惑ってしまうかもしれません。

ただ、日々の日常を描いた作品ではなく、優子が今まで経験して家族にフォーカスし、家族の分だけ個々の優子に対する愛が表現されており、「愛の形」について考えさせられる作品となっております。
(ちなみにカベッ氏は感動して泣いてしまいました)
是非、試し読みをした上で、書店若しくは電子書籍サイトから購入してみてください。

今回はこの辺りで終わりたいと思います。
次回のnoteでお会いしましょう。
皆さんおやすみなさい。


PS 一人暮らしだと地味にカレー作る機会ないですよね??カベッ氏だけでしょうか??


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