アイドルの憧れとコモディティ化
IDOL OF THE YEAR2021という企画があります。
日本テレビが、今勢いのありそうなアイドルを選び、2021年ナンバーワンアイドルを決めるためにオタク達に金で殴りあってもらうという企画です(ド偏見)。
この企画の前哨番組の中で、26時のマスカレイドが次のように紹介されていました。
アイドルが憧れるアイドル
そうか、ニジマスは客観的にそういうアイドルなんだなあと思いました。
思えばどの時代にも憧れるアイドルと、それに憧れる女の子がいたはずです。そして、その対象って移り変わってきたように思います。
移りゆく「憧れ」
僕が生まれる前のことはよく分かりませんが、物心着いた時はハロプロ全盛期でした。
従って僕より少し上の世代のアイドル達はモーニング娘。に憧れて育ったようです。例えば、柏木由紀や指原莉乃はハロプロのオタクとして現場で会ったことがあるらしいですね。
メディアにガンガン露出してキラキラ輝く、そんな典型的なアイドル像がこの世代なのではないでしょうか。
それからしばらく経つと、AKBや乃木坂が憧れの対象になりました。
少しすると、=LOVEやももクロなども強力なモデルとなってきたように思えます。
これに憧れた女の子たちが目指すのは、自分らしいアイドルです。ハロプロが目指す、太陽のような絶対的なものではなく、ファンと共に作り上げる月のような成長的アイドル像を持っているように思います。
なので、多分現在存在しているアイドル達の多くは、ハロプロやAKB・乃木坂といったアイドルというモデルがいないと現れていないということになります。
ところで、こんなふうにかつては手に届かなかったものが身近になっているのって、今のユニクロやGUのレベルが上っている現象に近いような気がしませんか?
ブランドのコモディティ化
以前、ファッションの勉強をするのに、「服を着るならこんなふうに」という本を読みました。
は、センス皆無の主人公・祐介(男)が、服が大好きな妹・環に助けて貰いながらファッションを勉強していくストーリーです。
その中で、デパートを巡っている最中に祐介が「買う訳でもないハイブランドの服を物色する必要があるのか?」という疑問を持ちます。
それに対する妹の答えは、
ファッションの源流はハイブランドだから
というものでした。
ハイブランドに憧れるけど買えない人達のために、庶民向けのアパレルメーカーは、企業努力によって似た商品を安価に大量生産することでこの需要を満たしているのです。
コモディティ化、あるいは汎用品化するというのは飽きられるということではありません。誰でも手に入るようになることなのです。値段が下がるというのはその副産物に過ぎません。
これを流行のシャワー効果というらしいです。
だからハイブランドを勉強することは、次のファッションの流行を勉強することなのです。そして本物を知っておけばその模倣品を見たときも、少しでも劣化していない物を見極めることができるのだと。
「そんな考え方があるのか!!」
と僕も納得したわけですが、これってもしかして今のアイドル業界に酷似しているのではないでしょうか。
コモディティ化するアイドルたち
かつてのアイドルといえば、それはハロプロだけでした。それは、ひとりの天才クリエイターによって作り出された唯一無二の存在です。
今でもハロプロはそういったスピリッツを引き継ぎ、圧倒的なパフォーマンスレベルを維持し続けています。
そして、それになる事を憧れつつも成り切れなかった存在としてAKBが生まれ、それがさらに坂道、スターダスト、WACK、そして数々の地下アイドルへと派生しました。
その結果として、パフォーマンスや楽曲、ビジュアルのレベルはとても上がっています。これはハロプロやAKBという「ブランド」がコモディティ化した結果ではないでしょうか。
まさに今のアイドル業界、「アイドルのユニクロ」が大量発生しているのです。
そして憧れの対象も多角化し、アイドルを目指す女の子は、それを自由に選び取れるようになってきています。
「来栖りんになりたい」
「ニジマスと同じ事務所でアイドルしたい」
のように、積極的に地下アイドルを選ぶのは、このご時世何もおかしくなくなって来ました。
今、オタクに求められること
これらの変化は、オタクにとっては歓迎すべきことと言えます。
かつてのように高いお金や時間を使って地上のアイドルに会いに行かなくても、気軽に可愛い地下アイドルに会って話せるようになってきたからです。
例えば、Peel the Appleの浅原凜ちゃんのビジュアルは地上アイドルとタメ張っても遜色ありません。
あーかわいい。
これらの「超ハイレベル地下アイドル」たちの登場によって、アイドル現場をオタク自身の身の丈に合わせて選択することが可能になってきました。
そこで求められるのは、自分の欲求に気づいて、それを満たせる現場を選択する「バランス感」ではないでしょうか?
服においても「ユニクロで満足」という人と、「ドルチェ&ガッバーナがいい」という人がいるのと同じだと思います。
何を着ているか、よりも、どのように着ているかが大事なことと同じではないかと感じます。
終わりに
まとめます。
流行に惑わされんな
自分を持て 意思を示せ
王道を貫いてこうぜ
その先がきっとオリジナル
以上です。
ちなみに:地下に降りてくるアイドルたち
ところで最近、かつてのAKBメンバーが地下アイドルとしてデビューする事例が増えて来たように思います。
・達家真姫宝(煌めき☆アンフォレント)
・相笠萌(メタモル!!!)
・前田彩佳(ビビッと!バビティブ~)
今回はこれらのことには触れませんでしたが、彼女たちに「AKBではダメだったけど、地下なら...」という思いは全く無いということだけはここで言わせてください。
詳しくはこちらでは触れませんので、彼女たちのSNSをチェックしてもらえたらと思います。