スクラビルドされた思い出 【WOWOW×note「♯映画にまつわる思い出」入賞しました】
ゼルダをやっています。
5/12に発売になった『ゼルダの伝説 ティアーズオブキングダム』、通称ティアキンを。
おもしろいに決まっているでしょうと思っていましたが、やっぱりおもしろいです。とても。
あっという間に時間が過ぎて、気がつくと人生が秒で溶けていきます。
こわいこわい。まんじゅうこわい。
実はこれ、こうして地球人の時間を吸い上げて奪うための擬似餌なんじゃないの?
それとも、多くの人を堕落させて社会に混乱を招くのが目的なの?
そんなSF的陰謀論を疑ってしまうほど、おそろしくおもしろいゲームです。
そのゼルダの中で勇者リンクは、「スクラビルド」という能力を使います。
これは、装備している武器に別のものをくっつけてカスタマイズできるというもの。
例えば、剣に石をくっつけてハンマーのようにすれば岩をも打ち砕けるし、槍の先にもう1本槍を付けて超長槍にするなんてこともできてしまう。
古く朽ちた武器だって、他の素材とスクラビルドすることで、新しい特性を持つ武器として生まれ変わることができるわけ。
工夫次第で無限の可能性が生まれる、サステナブルな新能力なのです。
さて、そんなスクラビルド。
つい先日、私の実生活においても発動するという出来事がありました。
WOWOW×noteの企画「♯映画にまつわる思い出」にて、私の作品を選んでいただいたのです。
家族で『E.T.』を観に行った40年前の思い出。
父母はとうに亡くなってしまいましたし、まだ小さかった弟と私しか覚えているもののいない、古いささやかな思い出話でした。
それが思いがけず賞をいただき、これ以上変わりようがなかったはずの思い出が、嬉しく上書きされることとなりました。
思い出って、上書きができるんだね!
父と母が並んで腰掛けている写真があって、私は台所の隅に飾っているのですが、そこに走っていって報告しましたよ。
走るほどもない狭い家なんだけどね!
嬉しいなあ。
涙ぐんでしまったよ。
もともと大事な思い出ではありましたが、今回のことでそこに入賞という新たな記憶が加わって、より強固で特別な思い出になりました。
まさにスクラビルド。そしてサステナブル!
今後は、受賞も含めてひとつの物語として大切にしていこうと思っています。
このたびは選んでいただき、どうもありがとうございました。