Udemy「販促動画シナリオの書き方」粗稿②
説明したら商品は売れない
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販促動画の定義
販促動画とはどういうものかを定義しておきましょう。
販促というのは販売促進の略語です。
つまり販促動画とは、商品あるいはサービスの販売を促進する、売るための動画ということです。
売るための動画といっても、必ずしも一通りではありません。
たとえば視聴者としてどんな人々を対象とするか、です。
消費者に直接向けたものの他に、流通関係者、つまり卸問屋などを対象としたものもあります。
しかし、このコースでは直接消費者に見てもらうもののことを扱います。
もうひとつ、どんな場所で視聴してもらうか、ということがあります。
これも、自社のホームページやYouTubeなどで見せる以外にも、いろいろなタイプがあります。
商品の説明会や、展示会・見本市や、常設のショールーム、あと店頭で上映するものなどです。
このコースでは自社ホームページやYouTubeで見せるものとしておきます。
一番ベーシックで応用がききやすいと思うからです。
説明したら商品は売れない
私もいろいろな販促動画のシナリオを書いてきましたが、基本的な間違いに気づくまでに長い時間がかかりました。
それは「**商品について説明するだけじゃ商品は売れない**」ということです。
クライアントと打ち合わせしていると、たくさんの情報をインプットされることになります。
「この商品の特徴はこれとこれとこれと・・・」
十個以上もの特徴を矢継ぎ早に説明していただいたりします。
そうすると、どうしても
「それらの特徴を動画で説明しなくちゃ」
と思ってしまいます。
そうしてできたものは、商品の特徴を羅列した動画になってしまいます。
販売促進のための動画を作るはずが、商品の解説動画になってしまうのです。
解説動画≠販促動画
注意しておきたいのは、商品の解説動画を見せても、多くの場合、商品は売れないということです。
これは視聴者つまり消費者がどれくらいその商品に関心があるのか、が関係します。
関心の薄い消費者は動画で特徴ばかり羅列されると、嫌になって途中で見るのをやめてしまうかもしれません。
それなら関心の高い消費者なら、商品の特徴を詳細に解説した動画を見て購入する気になるでしょうか。
いや、消費者も賢くなっています。
商品の発売元がいくら商品について詳細に語ったとしても、信用するとは限りません。
YouTubeを見ると多くの商品についてYouTuberがレビュー動画をアップしています。
YouTuberの動画は、自らも自腹で購入した同じ消費者の立場としてレビューされています。
だからこそ消費者も信用するに足る情報として受け取るのです。
商品の発売元が提示した情報は、「どうせ商品を売るためにいいこと言ってるんでしょう」という目で見られます。
販促動画は、商品について詳細な解説をするものではいけないのです。
販促動画は「商品について興味を持ってもらうためのもの」です。
商品のことを知らなかったり、知っていても関心が薄い消費者が対象です。
そういう消費者に「この商品は面白いなあ」という気にさせること。
それが販促動画の役割なのです。
あわよくば「この商品ほしい!」と思ってくれれば大成功。
そうでなくても「面白いから、もう少しよく調べてみよう」と思ってもらえれば成功です。
シナリオを書く4つのステップ
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動画のシナリオを書くプロセスには、私は4つのステップがあると思っています。
その4つとは、マッピング、ターゲッティング、シノプシス、ストーリーボードです。
マッピング
まず一番最初のマッピングというのは、情報の整理です。
頭の中に情報をしまったまま、いきなりシナリオを書き始めるのはよくありません。
まずは情報を「見える化」しましょう。
「伝えなければいけない」と思う情報や、「こんな動画にしたい」というアイデアをどこかに書き出すのです。
そして全部目の前に並べて見えるようにしておきます。
人間の頭脳のワークエリアはそんなに広くありません。
考えるための情報はいちいち記憶の中から呼び出され、意識の中に広げられます。
しかしその意識は意外と範囲は狭いのです。
ですから、どこか外部に情報を全部書きだしてしまいましょう。
そうすれば「ああ、忘れていた」ということも防げます。
マッピングというのはいわば「思考の地図を作る」ということです。
マッピングにはいろいろなやり方があると思いますが、このコースではデジタルマインドマップというやり方をご紹介します。
ターゲッティング
つぎにターゲッティングです。
これは対象とする視聴者をきちんと想定して、その心理をイメージすることです。
商品を買ってくれそうな視聴者、つまり仮想顧客のイメージを作ります。
言い換えれば万人受けを狙うのではないということです。
誰かに向けてではなく、誰にでも通用するように書かれたメッセージは、結局誰の心にも響きません。
心に響かないということは、視聴者の心を動かすことはできない、ということです。心を動かすことができなければ、商品を買っていただくことはできないでしょう。
ペルソナ設定という手法で、綿密な仮想顧客像を作ります。
具体的なお客様像ができれば、その人の心理がイメージできます
何がそのお客様の心を動かすのかがわかる、ということです。
そこから動画のツカミを作っていきます。
シノプシス
次の段階はシノプシスです。
シノプシスという言葉を聴いたことがありますか?
シノプシスというのは日本語にする「あらすじ」といった意味です。
詳細なシナリオを書く前にあらすじを書くのです。
なぜいきなりシナリオを書かないかというと、ふたつの理由があります。
ひとつめの理由は、いきなりシナリオを書き始めると細部にこだわってしまうからです。
まずは大枠を決めたほうがいいのです。
動画のストーリーであったり、表現のスタイルといった概要を決めます。
そしてそれをあらすじにまとめます。
自分ひとりで制作する時でも、心覚えとしてシノプシスは書いたほうがいいと思います。
受注して制作する時や、制作を外部にゆだねる時などは、このシノプシスはたいへん有効です。
概要の段階で、クライアントやスタッフとコンセンサスを得ることができるからです。
もうひとのつ理由は、この段階で情報の絞り込みをします。
最初にマッピングで情報を全部「見える化」するのだと、マッピングのところでお話しました。
しかし、その情報を全部動画に盛り込むのではありません。
必要な情報だけに絞り込みます。
そのためには概要だけを記したシノプシスの段階が一番いいのです。
ストーリーボード
最後の段階はストーリーボードです。
ストーリーボードを日本語にすると「絵コンテ」です。
動画のシナリオは最終段階では絵コンテで表現するのがよい、と私は思っています。
これにはふたつの理由があります。
ひとつめは、シナリオに絵がつくことで自分が作ろうとしている動画のイメージが明確になることです。
言葉で表現すると、どんな映像を作ろうとしているのか、ともすればイメージできないままシナリオを書いてしまうことがあります。
ここに絵がついていると、書きながら今自分はどんな動画を作ろうとしているのか、きちんと意識することになります。
ですから、絵コンテという形式がいちばん良いのです。
もうひとつの理由は、関係者との意識共有のためです。
クライアントに対するプレゼンや、スタッフとの打ち合わせには、文字で表現されたシナリオだとイメージが伝わりきれない可能性があります。
これが絵コンテだと、どういう動画を作ろうとしているのか、相手にイメージがすぐ伝わります。
ですから、できるだけ絵コンテ形式で最終のシナリオを作ったほうがいいのです。
次のレクチャーでは、販促動画を作る時に気をつけたい3つのポイントをお話します。
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