光る君へ#32誰がために書く

そなたが女子で良かった。

為時パパのこの言葉が、今回、1番泣けましたね。学を得て、物語を書いて、帝の覚えめでたくお仕えするまでになったこと。愛しき孫を授かり、家を盛り立てる、中宮付きの稀代の女房となれたこと。深い深い愛情を感じて、ここまでに至る道のりのすべてを肯定する、すばらしいシーンでした。
とことん不器用なまひろ、弟が茶化さないのも、この家族の深い絆を感じて、涙が出ました。賢子ちゃんにはあんまり伝わってないし、伝えられてないことにまた、気付いてないまひろの鈍さが若干心配ではありますが、、、。


静かで奥ゆかしい彰子さま。
少しずつ周りにも慣れ、内裏にも慣れ、主上にも慣れ、、。そののち、道長と立太子で意見が食い違って争ったと聞きますが、成長がゆっくりな子はいるものです。ただ、見守るだけ。少しずつ近づいていったらいいだけ、、なんですよね。

今回道長さまはちょっと影が薄いというか、いまいちかっこいいというより、人間くさい存在でしたね。父のようにはならぬと言いながらも、中宮の御んために右往左往している様子は、知らぬ人から見れば、御子のため、内裏での地位向上のためと映るんでしょうけど、お上のお渡りのシーンとかアタフタしちゃってるし笑。
アタフタしつつも、物語が届いた。主上の心をざわめかせた。お慰めしたい気持ちは嘘偽りないと感じる。それは彰子に対しても、不器用な父の精いっぱいと感じる。
まひろの出仕をちゃんと倫子に了解をとるあたり、きちんと倫子ちゃんの気持ちに寄り添ってるところも、ほんまに素敵。

赤染衛門のセリフも小気味良かった!公任のにやつきも笑えたし、ジタバタ足掻く伊周もいいし、隆家のやんちゃな態度も、ちょい拗ねる行成も、体力ないのに主上を心配する彰子ちゃんも、わがまま言ったりちょっと強引だったりする主上も、仲良しなきぬと乙丸も、あいかわらずないとも、どのキャラクターもキラキラと輝いてる。

庭先の月の光に照らされて、晴明が天に召されたシーン、美しかった、、。かぐや姫のように月に還っていったような気がしました。
前回といい、今回といい、月の演出に遠慮がなくなってきた。今回月蝕もあったけど、平安の人にとって、心象の月はそれほどまでに大きなものだったと思うから、良いなぁと見てる。実際の月はめっちゃ小さいもんね。

斉信の衣装にいつも違和感感じてたんだけど、今回公任と実資さまと並んでみて、気がついた。金田くんは首が長いのに、着物の襟元が直衣?からあまり見えてないから、着てないみたいに見えちゃうんだと。もっと襟を詰めて立てて、首がもう少し短く見えるようにしたほうがバランスがいい気がする。でももしかしてあえてかも?オシャレさんとそうでない人、って感じにしてるのかな。

内裏に上がるまひろの衣装、うつくしかった、、。落ち着いた赤はまひろの情熱にピッタリ。襲の色目に青がはさまれてるのもさりげない。女房たちもきらびやかね。実際にあんな感じだったんだろうか、、個人的には色が多いなぁ、、と思っちゃう。反物を選ぶシーンとか腰紐の色を選ぶシーンみたいな、女子のオシャレを楽しむシーンとかがあると、文化も知れるし、もっと面白くなりそうなのになぁと今後に期待しちゃうのです。

48話で完結になるとか。もう半分を過ぎて、終わったあとのロスが怖い。

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