ハズキルーペの生活者目線
CM製作は、社長さんが総監督と聞いてへーっと思った。いい意味で素人目線。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190406-00000300-oric-ent
この中で、CMクリエイターのために広告がつくられてるといった、コメントがあって、ふむふむと思ってしまった。
確かに商業ベースで作っているのに、自分が担当したCMや仕事を、自分の作品という言葉で語る記事を見かけると、なんか引いてしまうんだよね。基本は主役は商品であって、詠み人知らずであるべきなのにと。
ただ、このCMをもし、クリエイターさんがプレゼンしたとしたら通るだろうか?
通ったとして、あの作品オレの、って言うだろうか。
1番商品を理解し、1番知っていただきたいと思い、1番買っていただきたいと思っているのはだれか?
シンプルに考えたら、わかること。その人がつくればいいね。
でもたいがい、自分はつくれない、できない、時間がない、あるいはプロにまかせようと思っている社長さんが多いから、代理店に大枚はたいて発注しているのかもしれないなぁ。
こういうことを考えていると、東京五輪のエンブレムのことが、いつも思い返される。プロのクリエイターがつくったけれど、クリエイター同士ではリスペクトがあって、あのデザインが出てきた意図もわかるんだけど、素人的には、え?これでいいの的な違和感があったから、炎上したんではないのかな。
デザイナーの業界団体さんの賞も、デザイナーが評価している賞であって、そのデザインで売れたが評価の基準になっているわけじゃない。もちろん誰もが認知し、新しい時代を切り開いたものは評価されても、結局、デザイナーやクリエイターの好きなデザインが、必ずしも売れているデザインとは言いがたいんだ。
伊勢志摩サミットやG20のマークにも驚愕した。桜とか富士とか、日本人に当たり前すぎる記号の組み合わせ。でも、当たり前すぎてクリエイターが堂々と提案できなくなっている素材なのだとしたら、なんて切ないんだろう。
公募と投票での決定プロセスは、難しいなって思う。G20のマークの最終候補の中で、1番外国人から見た日本がわかりやすいのは、採用された案だった。
でも、それでいいのか?と思う。いままでの日本を象徴するのはそれだったかもしれない。でも、これからの日本がどのような姿を見せていくのか、半歩先を象徴するデザインは、たいてい投票では選ばれない。
では、そんな案が含まれていたか?という問題と、投票で1位なものが必ずしも妥当とは限らないということと、ではどう選定するのか?ということと、いろんな課題をはらんでいる。議論しながら決めていく必要があるんだ。審査員がアイドルでは、あまりにも荷が重い。
とはいえ、クリエイターがクリエイターのための仕事をしているかもしれないのが、問題なのかもしれないね。半歩先の提案じゃなく一歩も二歩も先に行っちゃったり内輪で受けてたりしたら、普通の感覚の人はついていけない。
いつも思うけど、デザインの基本は生活者たること。朝きちんとおきて、ごはんを食べ、服を整え、髪を梳り、家族を大事にし、ちゃんと夜は眠る暮らし。
すべては生活しつつだな、と心に留める。