光る君へ#37波紋
はぁ、だんだんと、道がいくつかに分かれていく様子に、戦々恐々となりました。
「次の東宮は、、、」と口に出してしまった道長。あの若い日の誓いを忘れ、権力に溺れていく様子に、まひろの表情が、衝撃を受けているシーンに、胸が詰まりました。
扇を開き、あの日を思い出すまひろ。
孫の皇子を授かったことで、道長の心が、壊れてしまったということ、、、?もしくは、単細胞的に、うちの孫でしょ!という感覚なのかな。怖い。
前回、皇子が生まれたと聞いた時の道長の表情、ぽか〜んとしていたと思ってたんだけど、そうでもなかったのかも。いや、五十日の儀を経て、じわじわとわいてきたのかも。結局男は出世のために目を輝かせるということなのか、まひろのことも、物語を描くための道具であり、中宮を育てるための手段に過ぎないのか。まひろは自分のことをわかってくれているという思い上がりなのか、な。
たやすく語りかけたり、歌を交わしたりするのは昔ながらのよしみもあるけれど、だからこそ、他では語らぬ本音を吐露してしまっていることに、本人も気づいているのか。
人の心の闇を知りとうございますと、語ったまひろ。闇などないと思っていた道長を信じていたけれど、やはり闇があったのだと、知ってしまう。知りたくなかった闇を。
そしてここで現れるききょう。翻弄されるまひろに、なんという声をかけるのでしょうか。
明子の子に対して出世を望むなと伝えたのは、明子ちゃんの闇に気付いたというより、単に金もかかるし、財力的にも無理という道長の判断なんだろうけど、兼家を恨んでいたことを知っているからこそなのか。それで正解だと思うけど。
赤染衛門は、やっぱり倫子ちゃん推しでしたね!娘時代から見守ってきているもんなぁ。さまざまな苦労をすぐ近くでみてきた、気のおける間柄なのでしょう。どんな関係かを詳しく説明させる野暮もせずに、釘を刺すのは、上手いなぁとしみじみ思いました。
行成はまだしも、斉信や公任は、どうも線が細すぎていけない。ごはん食べてる?と聞きたくなる。恰幅もないから、おそらく当初より歳をとった設定ではあるけど、まだまだ若いなぁという感じで貫禄がない。隆家にスパイを頼むにしても、目上感がないから、着物が似合う方希望だなぁ。
帝に献上する本の装丁、手ずからとは恐れ入りました。めっちゃ美しい料紙、、。毎回、前々回ならお渡り前、前回ならお産のシーンなど、女房たちみんなで何事かを成すシーンは、なんだかほっこりするね。
宿下りしての賢子の様子、まひろはショックだったろうなぁ、、とはいえ、お召しがあったとはいえ、そそくさと土御門弟に帰るのもどうなの。向き合おうよ。
この家がみすぼらしくみえた、というひとことに、きらびやかな内裏に慣れきってしまった自分に気づいてしまったんだなぁ。ひとは変わる、ひとはこわい。
離れているうちに賢子たも距離が深くできてしまった。嫡妻ではなかったからというセリフ、自らの裏切り、口に出せない思いを、物語に託す。
それぞれの道が、それぞれ遠くに、一度縒り合わさった糸が、また離れていく。
この物語の最後のときまでに、源氏の最期、ひとは独り、の境地まで私たちを連れていく。
あと約10回。あまりにも美しいラストが、待っているような気がします。
今回は取り止めもなく綴った感想。
いろんな方の見方がどんなだったか楽しみ。