光る君へ#42川辺の誓い
あぁ、今回は生きる甲斐を見つける話でした。生きる意味というのかな、まひろとの約束のために生きてきた道長、先に死ぬなというなら、道長に生きていてほしいと望むまひろ。
2人はソウルメイトなのだというような解説も見るけど、なんだそりゃ?と思っていました。
人は、ひとり。
でも関わり合う人のなかで、細い細い糸のようなつながりを糧に生きている。ただ、その縁が深いからこそ、何度も邂逅し、子を授かり、心のなかにお互いを住まわせ、約束や思い出をよすがに暮らし、たまにその姿を見て安堵し、その声を聞いてお互いが生きていることを確かめ合うようにここまで生きてきた。
人はひとり。
顔をぐちゃぐちゃにして泣く道長は、この奇跡のようなつながりにまた、生きていてよいと、許されたかのような瞬間を得たのではないか。
まひろもまた、源氏物語はもう役に立たぬと言われ、彰子ちゃんもすっかり堂々としたご様子で、まるで燃え尽き症候群のようになっていたけれど、道長と邂逅することで、生きる意味を見出したかのようにまた、筆を取り始めた。
以前にも書いたけど、あさきゆめみしの、紫の上にとても切なく共感して、その最期のほうにつむがれるつぶやきに、人はひとりと感じておられた紫の上の切ない気持ちが1番印象に残っているんだけど、今回の回は宇治が舞台ということもあり、それと同じ印象を強く感じた。
その切ない、生きる甲斐をまひろは書き残そうとしたのではないかな。道長ほどの権力者が、そのように人も自分を信じられないと思うという、この世の栄華を極めた人の世間の思われかたとはまるでうらはらの人の心のうちを。
まるで哲学のような時間が続くなか、ニヤニヤ三条天皇や、相変わらずの道綱お兄ちゃんのヘナヘナぶり。賢子や双寿丸との若者のほのぼのシーンもほっこりして良かった。
賢子ちゃんはだいぶお母さんと打ち解けたね。物心ついたころから書いてたのにって、言われて寝食をも子育てをも忘れる勢いで打ち込んでいたあの頃を想起させる。琵琶を弾いて母を思い出すまひろ。このシーンはなぜか切なかった。
はじめの方に、見上げた月が半月でやがて雲隠れにし夜半の月かな。こころもひとも隠れてしまった雲隠。
まひろの衣装が紫色になっていたね。
何か、あったのだろうか。
とうとう、紫式部と呼ばれるようになるのだろうか。紫に当時はどんな意味を込めていたんだろう。割と高貴なイメージだけど、どちらかというと主上は黄色系を正式なお衣装としているイメージなんだけど。
今回も少し彩度を落とした色合いの編集でしたね。わからないけど、演出のひとによるのかな?一年を通してみたら、少しチグハグな印象になるのか、年経るにつれてとか気持ちに合わせてあえて彩度を落としているのか、気になるなぁ。
ききょうちゃん、またもや登場!なんとなく登場人物全体が、御代代わりして、雰囲気が変わったと感じているような、鬱屈した画面で、切ないながらもあっという間の今回でした。
次回は三条天皇が体調を悪くしてしまうお話になりそうですね。どんな病気だったのでしょう。なかなか大変そうで、どういう展開になるのか気になります。
2024/11/09追記
かりまし歴史チャンネルのきりゅうさんの解説、思っていたこと(道長は、本当は平和主義の三郎なんだけど、がんばってたこと)をすごく熱く、ていねいに、さらなる深読みも交えて、的確に語ってくれていて、感動でした、、。
一尾先生も、同じく素晴らしいシナリオ解説で、素敵でした。
本当に神回です。観て宇治に行きたいなと思って、いま計画を立てています笑