光る君へ#38まぶしき闇
ききょうちゃん、まひろの物語を褒め褒めでしたね。前回の終わりが怖い感じだったけど、ここはそうなるかなと思っていたので、ホッとしました。
最後のシーンで、まひろが浮かべていた涙の意味は。。。
みられてしまったといった表情の道長。
運ばれていく伊周。栄華を極めたはずのものが、去っていく。甥を追い落としていった道長は、自分たちのためではないというが、本当にそうではないのだろうか。伊周の様子に胸は痛まないのだろうか。
父の辿った道を辿ってしまう道長。もう安倍晴明はいない。まひろを手放さねば位を極めることができるはずと、思っているのだろうか。
まぶしき闇(病み)のなかにいる道長。向こう側とこちら側のふたり。
敦康親王を光の君になぞらえて、道長が危機感を感じるところ、なんといっても成さぬ仲のふたり、母に甘えているようには見えなかったでしょうね。物語になぞらえているのは秀逸だけど、敦康親王さまの今後の境遇を思うと、このころが、人生でいちばん良かったのかもしれません。
道長の息子たちも元服し、官位を得ていくなか、道長はじめ親の世代がまだまだ若く見える。左大臣とはいえ、兼家パパのような貫禄も感じられず、若者が渋滞してきて、ちょっと辛くなってきたよ、、。
今回はライティングに注目した。明るい明るい時代から、少しずつ陰謀や呪詛や策略が渦巻くようになってきたのか、暗く暗く影を落としている。演出なのかな。でも華やかな着物が、濁ってみえて、あまりいいとは思わなかった。もったいない。
伊周の、狂気じみた演技はすごかった!少しずつ、少しずつおかしくなっていった伊周さん。とても能力が高い人だったであろうけど、運に恵まれない。恨み言ばかりになってしまったのを、本人はきづいていない。弟が、兄を見放してしまって、ここまで身を落とさせてしまったことに何か後悔しているのだろうか。美丈夫で華やかだった伊周と対比的な今回。闇を背負って堕ちていく。定子さまは兄を憂いているね、どこかしら悲哀が漂う中関白家。切ないね。
平安時代がなんとなくなんとなく好きで、見始めた大河ドラマ。このような人間模様や、サロン、呪詛、たくさんの藤原さん、平安の世に生きていた人々が立体的に立ち上がってくる。この事件やあの事件があり、時代が移りまた、武家の時代になり、、この1000年前の平安の世から、いまの時代まで、たどるととても楽しそう。歴史って、すばらしい。
今回の唯一の救いは、あっけらかんとしたあかねちゃんだね。どこに行ってもマイペースで笑っちゃう。自分の思うさまに生きたんだろうなぁ。
最終回が近づいてきて、なんとなく、観るのが辛くなってきたよ。
なんでかな。
まひろの切ない気持ちがじわぁっと、にじんできたからかな。
ハッピーエンドではない気がするの。
人はひとり、人生という旅を、物語を語るように心を震わせて生きていく。無常を感じるラストに向かっているような気がするの。
それでも淡々と歴史が積み重ねられていく。
そんなラストのような気がするの。
どうなのかな。大石さんは最終回脱稿したらしいし、NHKのパンフレットにも匂わせられているだろうけど、何も見ないまま、最終回は正座してみたいな。
2024/10/12追記
きりゅうさん、一尾さんの考察が、さすが感があった。
私、さいごのまひろの涙の意味があんまりわかってなかった気がする。
なんのために物語を書いているのか、なんのために宮仕えをしているのか。ききょうの生き方、宮の宣旨のことば、道長の振る舞いに戸惑い、ゆらぎ、悩むまひろが、透けてみえてきました。
一つ一つのシーンに意味がある。
改めてみてみると、道長の心が、壊れていくような、人間味がなくなっていくような、そんな様子が感じ取れる。細かい気持ちはどうでもいいような、気にならないような、大雑把な感じ、適当なような感じが、、、まひろはそれを憂えたのだろうか。
今回の映像が暗い、とかいたけれど、本来の明るさをイメージしたら、これくらいだったんだろうなぁ。屋敷は奥の方までは光が入らず、灯り次第だったろうから。
それより和泉式部日記を手に取ったまひろのめくり方が気になっちゃった。紙は貴重なもの、今みたいにパラパラとめくるより、ちゃんと机に置いて、一枚一枚めくるほうが、紙にやさしいよなぁ、、。