ニュージーランドの旅~1週間休みが取れるなら絶対に行ったほうが良い旅行先No.1
ニュージーランドと聞いて最初に思い浮かぶのは、おそらく美しい自然や広大な風景。けれど、この国にはそれだけじゃない、もっと奥深い魅力がある。5泊6日という短めの旅でも、その豊かさに触れることができた。飛行機で降り立つ瞬間から、息をのむ景色とゆったりした空気が旅の幕を開ける。
1日目:女王の愛した街クイーンズタウン
ニュージーランドの旅は、メルボルンからクイーンズタウンへ向かうフライトから始まった。早朝6:25発の飛行機で空を渡り、11:30にはクイーンズタウンに到着。窓から見えるの山々の美しさがオーストラリアの平らな大地とは違った顔を見せる。
空港に到着してすぐ、空港近くで12:30にはレンタカーを手に入れ、自由気ままな旅のスタートだ。
クイーンズタウンの街自体はコンパクトで、歩いて回れる範囲におしゃれなカフェやショップが並んでいる。けれど、何と言っても最大の魅力は自然との距離感だ。湖畔を散策したり、秋めいた森を歩いてみたり。クイーンズタウンのどこにいても自然の壮大さを感じられる。
この街に来たら、誰もが訪れるハンバーガーショップ、Fergburgerでこの国初めての食事。ビッグサイズのハンバーガーを湖畔という最高のロケーションで。
牛、豚、鳥のメニューのほか、鹿、魚、豆腐など、メインの具が豊富。使われているソースや具材もメインに合わせて変わるので、メニュー表をみているだけで楽しくなる。
腹ごしらえを終え、宿泊先のオークス クイーンズタウン ショアーズ リゾートへチェックイン。湖に面したリゾートホテルで、窓からはワカティプ湖の絶景が広がる。
宿泊費は1泊¥16,000円ほど、価格以上の価値がある景色を楽しめるのは、ここならでは。
ホテルの公式サイトでもその眺めの一端は感じられるけど、実際にその場所に立って感じる空気感や広がりは写真では伝えきれない。
2日目:マウントクックへの道、自然との一体感
翌朝、僕たちがレンタカーで向かったのはマウントクック国立公園。クイーンズタウンから約3時間のドライブだけれど、正直、目的地に着く前のその道のり自体が、もう一つの旅と言える。
まずは朝ごはんに立ち寄る。The Boatshed Cafeというワカティプ湖が一望できるテラスのあるお店。
広がる風景は息をのむほど美しく、車を走らせるたびに景色が次々と変わるその瞬間に心が躍る。山々がそびえ立ち、広大な湖が輝き、どこまでも続く牧草地が広がる。道中、車窓から見る風景はどこを切り取っても映画のようで、現実感が薄れていく。
途中、僕たちはワナカに立ち寄ることにした。この街は小さくても、その魅力は計り知れない。湖畔に佇むワナカ湖は、穏やかで静かな時間が流れ、湖面に映る山々はどこか神秘的だ。街自体も観光地でありながら、どこかのんびりとした空気が漂っていて、リラックスした時間を過ごすのにぴったりだ。湖畔を歩きながら、思わず何度も足を止めて写真を撮りたくなる。澄んだ空気と柔らかな光に包まれ、風がそっと吹き抜ける瞬間に、都会の喧騒をすっかり忘れてしまう。
ニュージーランドの秘境で出会う、まさに「ブルー」という言葉がふさわしい神秘の水景色。ワナカの街を後にして辿り着いたのは、その名もBlue Pools。揺らめく吊り橋をスニーカーで颯爽と渡り、木漏れ日の中を数十分。そこで目にしたのは、まるでフィルターをかけたようなクリスタルブルーの水面。
そんな風に、目的地であるマウントクック国立公園への道のりは、ただの移動時間ではなく、それ自体が特別な経験となる。
ニュージーランドの最高峰と出会う、アオラキ/マウントクック村。人口100人にも満たないこの小さな集落は、3000m級の山々が織りなす壮大なパノラマに抱かれている。僕らのベースとなる「YHA マウントクック」は、必要最低限の設備で快適さを追求したミニマルなホステル。約¥27,000という良心的な料金も旅の計画を後押しする。
絶対に外せないHooker Valley Track。往復約3時間ほどのこのハイキングコースは、3つの吊り橋を渡りながら、氷河湖とマウントクックの絶景へと導いてくれる。
ターコイズブルーの湖面に映る山の勇姿は、まさにベストショットの宝庫。途中、高山植物の群生地や氷河の浸食でできた地形など、ニュージーランドの大自然を存分に味わえる。体力に自信がなくても、なだらかな道のりで3時間ほどで往復できる人気コースだ。朝もやの中を歩くか、夕暮れ時の柔らかな光の中を歩くか、その日の気分で選んでみては。
3日目:テカポ湖、星空と静寂に包まれて
3日目の朝、マウントクックを後にして向かったのはテカポ湖。クイーンズタウンからのドライブとは違い、テカポへの道のりはより穏やかで、どこか落ち着いた雰囲気が漂う。
到着すると、その青く透き通った湖の美しさに心を奪われた。湖畔を散歩しながら、時間が止まったような感覚を味わう。
宿泊先は、湖のほとりにある「The CHALET」。なんといっても部屋からテカポ湖まで徒歩30秒の立地。部屋の中から湖が見える。
とてもオススメの宿だ。
観光名所は羊飼いの教会。
昼は湖面に映える教会の姿を、夜は満天の星空と教会のシルエットを。1日中、シャッターチャンスに事欠かない。ただし、観光客に人気のスポットだけに、朝一番か夕暮れ時を狙うのがベター。地元のカフェで仕入れたホットチョコレートを片手に、静寂の中でゆっくりと移りゆく光景を楽しむのが最高の過ごし方だ。
テカポは「星空保護区」としても有名で、地上から見える星々の数は圧倒的。この夜、無数の星に包まれながら過ごした時間は、日常の喧騒を忘れさせてくれた。
4日目:クライストチャーチ、街の魅力と歴史を感じて
翌日はテカポ湖で静かな朝を迎えた後、クライストチャーチへと向かう。テカポ湖からの道中もまた美しく、ニュージーランドの自然が続く。
テポカから約3時間ほどで着く南島の都市クライストチャーチは、都会的な一面と歴史的な雰囲気が融合した街。
クライストチャーチの街は、地震の復興とともに新しいカフェやショップが増え、歩いて回るだけでその活気を感じることができた。歴史的な建物が残る一方で、現代的なアートやデザインが共存する街並みは独特の魅力がある。
夜はStrawberry Fareというニュージーランド料理のお店へ。宿泊していたコロニアル イン モーテルから徒歩圏内
5日目:オークランド、都会のリズムに戻る
旅も終盤に差し掛かり、クライストチャーチからオークランドへと移動。飛行機代で約1時間半のフライト。オークランドは、ニュージーランドの最大都市らしく、活気ある街並みが広がる。ここでは、カフェ巡りやショッピングを楽しみながら、ゆったりとした時間を過ごした。
オークランドの街を歩きながら、旅の終わりが近づくことを実感しつつも、まだまだ訪れたい場所がたくさんあることを思い知らされた。
6日目:ホビット村、夢の世界へ足を踏み入れる
最後の日は、映画『ロード・オブ・ザ・リング』の舞台として有名なホビット村を訪れた。丘陵地帯に広がる可愛らしいホビットの家々、まるで映画のワンシーンに迷い込んだような体験。洞窟探検も含まれたツアー代はまさに非日常の冒険を堪能した。映画の中の世界を堪能し、ニュージーランドの旅行を締め括った。
今回のニュージーランドの旅、合計金額は2人で飛行機も含めて約¥400,000。
しかし、どれだけの金額を支払っても、手に入れた体験や風景はお金では買えないものばかり。中でも南島の大自然は、まるで地球の息吹を直に感じられるような圧倒的な存在感。フィヨルドランドの深い渓谷から、マウントクックの峻厳な山容、ワナカの透明な湖水まで、一つひとつが心に刻まれる風景だった。
次は、南島により長く滞在して、まだ見ぬ絶景との出会いを楽しみたい。例えば、ミルフォードサウンドでのオーバーナイトクルーズや、スチュワート島での原生林トレッキング、マールボロのワイナリー巡り。アクティブに動き回るのも、のんびりと景色に身を委ねるのも自由自在なのが、この国の魅力。
ニュージーランドは、都会の洗練された空気と手つかずの大自然が、不思議なバランスで共存している。短い旅ながらも、その魅力を存分に味わうことができた。次に訪れるときは、きっとまた新しい発見が待っているはず。南島の奥深い魅力を探る旅を、もう少しゆっくりと楽しみたい。