風疹クーポン、実際に使用されたのはまだ9%だった。。
風疹の検査&予防接種のクーポンが16%しか使用されていない、というニュースがあったのですが、よくよく元の資料を見てみると、
実際には全体の9%しか使用されてませんでした。。。
どういうことかというと、
風疹の定期予防接種の対象は
厚労省の風疹の追加的対策の今年度の対象者は、1972/4/2-1979/4/1生まれの男性約646万人
646万人に対して、無料で、
・風疹の抗体検査を受けられる
・検査が陰性だったら予防接種を受けられる
という内容のクーポンを送付。
そのうち、実際に検査を受けると見込まれる人数を約330万人と(厚労省が)設定。
この数字は、646万人×51% で算出。
51%の根拠は不明。
さらにそのうち、検査が陰性かつ予防接種を受けるであろうと見込まれる人数を(厚労省が)約70万人と設定。
これは、646万人×51%×21% で算出。
21%は、対象世代の抗体保有率から推計される陰性の割合らしいけど、
臨床現場の印象からすると、予防接種が必要なのは21%だけなのか、、もっと多くないか、、という印象。。
よくよく読んだら、これはいわゆる『陰性』の割合。
つまり、『風疹HI検査』で8倍以上が陽性と判定されるうちの、完全に『陰性』の割合らしい。
でも実際には、32倍未満(HI:8もしくは16)は『抗体価が低い』から、予防接種がおすすめされます。
一部の自治体では、独自にちゃんと、HI 32倍未満の抗体価が低い人には予防接種の補助をだしてます。
しかも、MRワクチン(麻疹風疹ワクチン)にも補助をだしている自治体も。
麻疹も最近問題になっているので、どうせならばみんな風疹と麻疹と両方予防できるワクチンをうってもらいたい。
ちなみに、MRワクチンは、風疹と麻疹と両方のワクチンの混合ワクチンなので、1回の注射で両方の予防になります。
どうせならMRワクチンうつ方がいいですよね。。
実際に検査を受けたのは全体の9%
実際に検査を受けた人、予防接種を受けた人の実数は、7月までで、
検査:544,315
予防接種:97,265
それぞれ、今年度中に検査、予防接種を受けると厚労省が見込んでいる330万人、70万人に対して、約16%、約14%ということ。
7月までの受診券配布は93.6% = 約605万人
受診券を配布した人数に対して、
検査を受けたのは 9.0%
予防接種を受けたのは 1.6%
検査を受けた人のうち、予防接種を受けたのは17.9%
だけど、結果聞きに行ってない人とかいるだろうから、陰性率=17.9%とは限らない。
抗体保有率が低いとされているこの世代で、実際に陰性がどの程度なのか、抗体価が低い人がどの程度なのか、も気になる。
気になる点
なので、疑問点としては、
・厚労省の予防接種のクーポンは『陰性』の人だけが対象なの?
・もし『陰性』の人だけが対象だとすると、『抗体価が低い』人はほったらかしでよいのかしら?
・厚労省の補助ではMRワクチンは対象にならないの?
・対象の人の中で、抗体価が低い人の割合は実際どの程度?
・検査を受けて、予防接種が必要な人のうちの、予防接種を実際に受けた人の割合は?
・自治体や企業独自の対策で予防接種を受けた人はこのデータに含まれてるのかしら?
まとめ
もし、自治体独自の補助とか、企業独自の補助で予防接種した人は含まれていないとしたら、実際には、意外ともっと多くの人が予防接種してくれているのかもしれない。
2020年のオリンピックで世界中から人が来るにあたって、感染症大国などと言われることのないようにしたいものです。
今年の定期予防接種対象の方は、クーポンの期限が年度内と思うので、まだ間に合います!!
クーポンなくした方も、自治体に問い合わせればなんとかなるはずです。ぜひこの機会に!