エッセイ【後入れ調味料を先に入れたい】
目が覚める。
ベッドに座って血液が頭まで上るまで待ってから立ち上がる。冷たい廊下をに急かされて逃げ込んだトイレの小窓から、冷たい風が吹き込んでくる、くしゃみと一緒に眠気が飛ぶ。日差しが目に痛い。十一月の終わり、冬の匂い、の偽者。
洗面所で顔を洗い、歯を磨く。鏡が歳をとっている。
ぼんやりとさっきまで観ていた夢を思い出そうとしてみるが、うまくいかない。懸命に掴まえようとする手からスルスルと逃げていく、その内、いつもの様に諦める。
昨晩の残りの銀杏とベーコンとほうれん草の炒め