海沢海綿

人間は、瓢亭の朝がゆを食べた事がある者と食べていない者の二種類に分けられる。 分けたか…

海沢海綿

人間は、瓢亭の朝がゆを食べた事がある者と食べていない者の二種類に分けられる。 分けたから何だという話だが。 何かの感想を書いていくだけのものです。 基本無料。基本も何もガチャ要素はないです。全部Rくらいの価値の記事。

最近の記事

『美しき誘惑~現代の「画皮」~』に見る悲しい品の良さ

 毎月一本映画が無料になるからとU-NEXTに先日加入したので、昔の映画を最近見ている。  個人的なお気に入りは黒沢清の『ドレミファ娘の血は騒ぐ』。メインの見せ場である、恥ずかしさの実験と称して全裸に剥いた女子大生に電極を付けて謎の器具で女性器に電流を流すシーン(僕はこれをまんぐりピリピリと名付けている)で、女性器から放たれる光が町を包み、その中で伊丹十三が恍惚とした顔をしている姿は必見である。元々ロマンポルノとして作られただけあって、エロシーンが唐突なのもとてもいい。あの時

    • 『シン・エヴァンゲリオン劇場版』に見る正しいセカイ系の殺し方

       以前、僕はTwitterでこう言った。  この言い回し、エヴァンゲリオンというものが呪いだと取られていたが、僕が言いたいのはそこじゃない。これはテレビ放映版からリアルタイムでエヴァというものに晒されていた人間が誰しも抱え込んだ諸々の情動を呪いだと言ったつもりだった。だが、新劇場版からエヴァに触れてきた人には余りピンとこない概念かもしれない。  『セカイ系』という言葉が生まれたのはいつだろう。Wikipediaの記事を参考にすれば、2002年頃というのでエヴァ放映後に名前が

      • 『えんとつ町のプペル』は西野の心臓を中心に名画のツギハギが固まって出来たゴミ映画

         川原泉の漫画で『ブレーメンⅡ』というものがある。  内容としては「知能を持った二足歩行の動物たちがクルーの宇宙船、その船長となった女性が様々な積み荷を運んだり、色んなトラブルに巻き込まれる話」である。その中に、「ハッチポッチパッチ」という怪物が出てくる話がある。話としては「元々は優れた科学者であった男が、動物たちの様々なDNAを非人道的な方法で自身に取り込み、人間を超えるより高度な存在になろうとした結果、狂気の中に捕らわれ怪物となってしまった。宇宙警察がそいつを追っている」

        • ヴィランではない普通の人の狂気とは何か『アングスト/不安』

           先日、見に行ったこの映画、謳い文句は一つである。 「過激すぎて放映禁止になった映画」  内容があまりにも過激すぎたせいで、初公開の1983年当時は何処の国でも発禁処分をされ、ほぼ上映されなかったという曰く付きの映画が、なんとか今公開にこぎつけたのだというのが、売り文句の一つとしてどの媒体でも宣伝されている。文脈としてはホラー映画としての一つの新しい形という雰囲気も取れる言い方であった。  個人的にホラー映画は好きである。特に発禁なんていう箔がついたものを見ると、どんな過激で

        『美しき誘惑~現代の「画皮」~』に見る悲しい品の良さ

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          『バイバイ、ヴァンプ』は料理下手のアイデアメニューみたいな映画だった。

          まぁタイトルで全てな訳ですが。 2020年2月23日時点で話題沸騰中の映画と言えば色々あります。『ミッドサマー』とか『1917』とか『劇場版 仮面ライダージオウ Over Quartzer』とか。お前、まだOQ決めてんの? もう平成終わって1年経つよ、そろそろ? そんな中、ネガティブな意味で有名になっている映画が『バイバイ、ヴァンプ』です。 細かい炎上内容は上記リンク先を読んでもらうとして。もうあれですよ、これは今見に行かないと多分一生見ないなと思ったので、さっそく見に行っ

          『バイバイ、ヴァンプ』は料理下手のアイデアメニューみたいな映画だった。