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科学的管理法

働き手や雇用主が抱えるあらゆる問題を解決する万能薬がある、などと述べているのではない。生まれつき怠け者で手際の悪い人や、欲深く野卑な人がいる限り、あるいは悪徳や犯罪が絶えない限り、貧困、惨状、不幸なども消えてなくなりはしないだろう。マネジメント手法や人々が用いる方策などは、どれ一つとして働き手や雇用主に永遠の豊かさを約束するものではない。

豊かさにはあまりに多くの要因が絡むため、どのような人物、州、いや国家ですら、豊かさをコントロールすることはできず、したがって、働き手と雇用主の両方が多少なりとも痛みに耐えなくてはならない時間は、これからも必ず訪れるだろう。

ただし、そのような厳しい時間を別にすると、科学的管理法の下では、従来とは比べものにならないほどの豊かさや幸せがもたらされ、争いや不協和音は少なくなるはずだ。しかも、厳しい時期が訪れる回数が減り、期間も短くなり、痛みも和らいでいく。この傾向は、経験則に代えて科学的管理法の原則をいち早く取り入れた町、地域、州などで顕著に現れるだろう。

私は、これらの原則はいずれ文明世界にあまねく広まるはずであり、その時期が早ければ早いほど、人類にとって望ましいと確信している。

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