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境界知のダイナミズム

私たち人間は本来、生存への適応だけでなく、社会の「ふつう」に対しても適応しようとする。「ふつう」とは固定されたものではない。刻々と移り変わり、変化するものであり、また私たち自身も「ふつう」との距離感を変えてゆく。これからは知能をこのような時空間の中で動的に捉えてゆく必要が出てくる。筆者らは<境界知>を通じて、人間の「社会的知能」への新しい視座を提示したいと考えている。<境界知>とは社会に「適応」する際の<知>であり、さらにいうなら社会への適応結果であると同時に、適応の行為そのもの、その過程、その能力のことでもあるともいえるのではないか。

社会も動き、人間も動いている。そこで機能する「適応」への知能が社会的知能、すなわち<境界知>なのだ。

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