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旅をのぞむ

文章を書くと決めたはいいものの、テーマが決まらない。
そう書きあぐねていたらあっという間に2週間も経っていた。
これじゃいけない。
ということで、脈絡はないけど頭の中を軽くするために、先週職場で話してて思い出した、旅について書いてみる。

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旅が好きだ。
旅行ではなく、旅。
大枠は決めつつも、あまり予定を決めずに、その時の気分と直感で歩いたり散策する、そんな旅が好き。

冒険は大袈裟だけど、望んでいるのはきっとそういうものなのだろう。

初めての海外はカンボジアだった。
ツアーではない。初海外ひとり旅。

アンコールワットがみたい。
英語も全く喋れないけど、なんとかなるだろう。

そんな軽い気持ちで旅に出て降り立った首都プノンペンで、タクシーの運転手にカモられた。事前に予約したホテル名を告げたら「もうそのホテルは閉店したよ。俺ならいいホテルを知ってるからそこに連れてく」というのだ。

「予約したはずなのに」と思いながらわけもわからずホテルに向かうタクシーの中で、自分がいま騙されていることにようやく気づいた。
ああ、やってしまった。後悔先に立たず。

まあでもそうだよな。
大きなバックパックを背負い地図を広げた日本人が飛行場から出てきたら、カモがネギ背負ってきたって思うわな。

「こんな知らない街で日本人が一人。今から郊外に行って殺されて埋められたって不思議じゃない」
生きてて初めて感じる死の感覚が、その瞬間確実に僕の隣りにあった。

でもそんな僕の恐怖とは裏腹に、騙された痛手は少し高めなホテル代ぐらいだった。

ホテルを経営するライアンとその妹

足元は見られたが気のいいホテル経営者の家族と一緒にご飯を食べ、街のことを少し教えてもらった。

次の日にはトゥクトゥクに乗って街にでた。
観光から早めに帰宅してホテルの周りをぶらぶら散歩し、夕暮れ前にホテルに戻ってシャワーを浴び、バルコニーに出てビールを飲みながら同じホテルの欧米人と身振り手振りで会話するぐらいには、心細くして始まったその旅を2日目にして僕は満喫していた。

「案外、世界はやさしいのかもしれない」
なんて思いながら。

そんな危機感ゼロの旅でよく無事だったなと今になって思うが、1週間後、僕はカンボジアを満喫して帰国した。
その1週間のことも、感じたことも、今度思い出して書き残しておこうと思う。

とにかく、こんな旅が好きだ。
世界の広さと自分の小ささを教えてくれる、冒険みたいな旅が好き。

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最近は全然旅をしていない。
知らない道を通ることすら、年の中に数回ある程度かもしれない。

決まった日常も好きだけど、たまには旅をのぞんでみよう。
自分の知らない世界をはるかに見渡せる、そんな旅を。


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