ラブソングに君はいない #詩
巷で流行りのラブソングが
嫌でも耳をつく午後6時
これでもかというほど聞いたのに
凝り性もなく人は愛を歌う
ラブソングに出てくる君はいないだろ?
だって君は綺麗じゃないから
美しく飾られた過去のマボロシ
思い出はようよう綺麗になりゆく
相反(あいはん)して、心は擦り切れゆく
ボロ雑巾のように泣いてた君も
当たり散らかして喚く君も
全部本当に君だったんだね
全部本当の君だったんだけど
ラブソングが僕らを壊した
君をショーケースに閉じ込めた
理想のことばで醜い絆を
有耶無耶に掻き消したんだ
今日も明日とて、君は行方不明
ラブソング流れる午後6時