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あめちゃん最強 | ライター日記

こんにちは、ライターの吉岡です。
先日から、ライター業とは別で、ライスワークとしてスーパーのレジ打ちを始めています。なんだかんだ言って、生活の安定が第一ですから。

レジ打ちは一応経験があります。しかし、大学のコンビニバイト以来、実に12年ぶりです。干支が周ってしまった。
パート初日、レジのチーフにざっと業務の内容を教えて頂き、1時間みっちりレジ練習。合計4時間しっかり労働し、久々にいい疲労を感じました。
ちゃきちゃき系のチーフ。「じゃあ次からはレジ入ろうか~、大丈夫!最初はとなりに人おいとくから!」とのこと。
内心びくびくです。初めてのことをやるとき、わくわくできる性分だったらよかったのですけど、残念ながら恐れを感じることの方が多いです。

次のパートの日、制服に着替えどぎまぎしながら売り場を通り、レジ近くにいくと制服を着たニコニコ笑顔のお姉さまがおふたり。
「あら~、よろしくねぇ~」と猫をめでるような声でご挨拶頂き、緊張していたこちらとしてはずっこけそうになりました。

開店直後から4時間の勤務。開店すぐに有人レジに駆け込んでくるお客様はほとんどいません。店内にはセルフレジもあるので、少しのものを急いで買われる場合は、セルフレジをご利用のお客様が多いのです。2台の有人レジに私と、私のサポートの方がひとり、もう一つのレジにひとり、という配置です。
レジだけでなく、そのほかの従業員さんを見てみるとお姉さま方ばかり。この年齢になって、まだ「若い新人」扱いされるとは思わず、ちょっと変な感じです。

開店直後の隙間時間。どきどきしていると後ろから肩を叩かれました。振り向くと隣のレジのお姉さまが手のひらを差し出していました。その上には、キラキラした包みが2個。
「あめちゃんいる~?乾燥するやろ~?」
東京に10年ほど住んでいた私は、カルチャーショックを起こしました。

リアル「あめちゃん食べる?」だ!!!
やっぱり関西マダムはあめちゃんを配るんだ!!!

すると私のサポートのお姉さまもエプロンのポケットをごそごそしだし、「はい、こっちも!」と豪快にあめちゃんを取り出しました。
レジでは食べ物は禁止(飲み物はお客様がいないときにしゃがんでならOK)なので、私はお礼をいいながらポケットにあめちゃんを入れました。私の緊張はすっかりほぐれてしまいました。

パート後、ライター作業をして息子さんを子ども園に迎えに行き、帰宅。
荷ほどきをしていると息子さんが机に置いていたあめちゃんを見つけました。目ざとい。
「かあちゃん、たべていい?」
「いいよ、かあちゃん、お仕事でもらってん」
「ふーん」
興味がなさそうな生返事のあと、にやにやした顔で「おいしい」とつぶやいていました。
飴だけでこんなハッピーな気持ちになるなら、私も飴を常備しよう。
あめちゃん、最強。

ライスワークをただのライスワークと割り切ってしまうと、とたんに無味乾燥になってしまいます。ですが、そこには間違いなく人のやりとりが、営みがあります。
ライスワークでも深く観察しながら、ライフワークにも還元できればいいなと、思いました。

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